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整形外科のクリニック

クリニックでは緩和ケアを行っていたので
印象のある人が多かった。
 
入院歴の長い人も多かったし
クリニックなので人数も少なく密に接することができたことも
記憶の残る患者さんが多かったのかなと思う。
 
夏・冬にはイベントを行う。
ボランティアの方に来ていただき
入院患者さんに楽しんでもらおうという趣旨のもの。
 
スタッフだけで問い合わせをして準備する。
夏はリハビリスタッフが中心となって花火を上げる。
寝たきりの患者さんもストレッチャーで外に移動し
束の間のイベントだが楽しんでもらう。
 
冬はクリスマスプレゼントとカードを準備する。
1人1人に用意したプレゼント、
スタッフの協力によるサックス演奏など
家族も来ていただいていい時間が過ごせるようみんなで協力して行っていた。
 
そして前の職場から一緒だった看護師もこのクリニックで一緒に働き
助手さんや看護師が一丸となってイベントを作り上げるところだった。
 
そしてイベントがなくとも
庭があるクリニックだったので
ターミナル期の方は調子がいい時には庭に出て
写真を撮り、都度カードを作って差し上げる。
普段いらっしゃらないご家族にも
散歩したんですよ~とか
お話するきっかけにもなる。
 
そんな職場での仕事は充実していたが
デイサービス主体の方向へ変わり始めた。
 
有床クリニックで緩和をしていても予後が良好で長く入院している人も多かったため
入院加算が取れないようだった。
 
そしてボーナスカット。
私が家の事情でクリニックの大掃除の日に有給を取りたいと伝えると
「なぜ君だけ大掃除せずに有給を使うんだ?」
とのこと。
そして父が亡くなり、その家の用事が無くなった時に
院長が発した言葉は
「ちょうど良かったね」(大掃除に参加できるね)
だった。
 
もちろん私は参加しなかった。
 
それがきっかけで退職を決意することにした。

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