「ログ屋」として世界を眺める

初めまして、高田耕造と言います。神戸に住んでいて今は食品メーカーに勤めています。大学生の時に言語学を学び、大学院からは理学部の地球惑星科学科で探索行動について研究すべく迷路実験などを行っていました。2002年のサッカーW杯ではベルギーの国営放送RTBFの通訳としてクルー達に同行し、通訳、コーディネーター、運転手として全国を回ったりしていました。学生にとっては少なくない報酬を受け取り、「指輪買えるわ」と思い、思わず学生結婚し、晴れてヒモとなりました。

永久就職のつもりでしたが、残念ながら「ヒモ解雇」となり、奥さんの勧めもあって社会に出ることとなります。中途半端に大学院に行き、頭でっかちの僕を雇ってくれる企業はほぼ皆無。そんな中、福岡県久留米市にある伝統織物を使ったアパレルメーカーが糸の切れた凧のような僕を拾ってくださいます。今でも心から感謝しています。そこで28歳にして社会人としてスタートさせてもらい、慣れない電話を取ったり仕事に邁進しました。営業をやらせてもらって店舗のある百貨店に出向ったり、物流の仕事をさせてもらったり、ファーストサーバーを借り、osCommerceというオープンソースソフトウェアを使ってECサイトの立ち上げたり、様々な経験させてもらいました。Google Analyticsのタグを埋め込んだり、AdWords広告を出稿したり、MovableTypeを使ってホームページの運用もしました。商品の写真を撮影し、コピーライティングをし、見よう見まねでphpを書き3,000ページくらいをひとりで運用していました。ハワイに出荷したり、コールセンター的に電話対応したり、エクセルのアドインを使って簡易的に催事の時の受注集計の仕組みを作ったりもしました。

中小企業はインターネットをあたかも自社インフラであるかのようにして使い倒せば世界が変わるように思いました。Google Analyticsで全国、いや世界の人からのアクセスがあることに感動しました。身体が拡張し、地球規模で目や耳といった感覚器官を獲得したように感じ、ワクワクしながら働いていました。

2007年に今の会社に転職し、2008年のiPhone発売で世界が変わると思い、翌年には日本で初めてのレシピアプリを企画しました。そこから本格的にデジタルの領域で仕事をしてきました。web関連のサービスやECなどに従事。ログの持つインパクトにより魅せられていきます。かなり端折りますが、2017年にSlush Tokyoでアムステルダムのスタートアップ、oneupの創業メンバーからブロックチェーンの話を聞き、俄然興味を持って勉強し始めました。最近ではブロックチェーンの基礎的な話をすることもあります。

ある友人から「高田くんは"ログ屋"だね」と言われたことで、今まで自分が関心を持ってきたことがログという一本の軸の周りで展開されてきたことに気付かされ、雷に打たれたような衝撃を感じました。文字や絵など様々な記録・ログを軸にして人類を眺めた時に見えてきたものが沢山ありました。

私の父方の祖父は理容師でした。明治生まれの人で趣味の人でもありました。竹竿を自分で作り、川釣りに興じ、蛇腹のカメラで写真をとったり、鶯にカセットテープでいい鳴き声を聞かせながら調教するような人でした。そんな祖父の影響か、私の父親も写真好きで沢山の写真を残してくれました。そんな僕もいつしか写真が好きになり、記録に残すということが半ばライフワークのようになっていました。子どもを4人授かったのですが、みんなカメラの名前に因んでいます。ですので「ログ屋」だと友人に名付けをされた時、これまでの自分の人生がログを巡って目の前でバタバタと再構成されてる様子を眺めているような不思議な感覚を味わったのです。

ここでは関心のあるブロックチェーンの話や教育の話など、日々の気づきを書き記したいと思います。特段新しいことはありません。ですが、ログという軸で眺めたときに僕には世界がこう見えるという話を皆さんとシェアするのも悪くないんじゃないかな、と少し思っているのです。それでは、また後日のお話でお会い出来るのを楽しみにしています。以上、自己紹介に代えて。

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