夫の死亡保険金を受け取ったとき、遺されたおばあちゃんはどう生きていくのか。
InsurTechスタートアップhokanのともこです。
ミッションは「保険業界をアップデート」!!
保険業界特化型SaaSを開発しています。
保険と私シリーズ第3弾。そろそろ最終回ですよ。保険の大切さを少しはお分かりいただけたでしょうか。
さて私事ですが、祖母が昨日93歳の誕生日を迎えました。今回は祖母の話です。
祖父は私が大学生の時に他界しました。
いつ訪ねてもリビングのこたつにいて、動いたところをほとんど見たことがありませんでした。
「おじいちゃんは昔ロシアの捕虜だったんだ」
そして何回も同じ話をしてくれます。
「ロシアの捕虜でラッキーだったねぇ。あったかい飯にふとんもあったからねぇ。」
祖父は無口であまり笑わない人でした。よく飲んでよくたばこを吸いました。花札を教えてくれました。
祖父は病死でした。死に際に「お金を棺にいれてくれ」と言っていました。そんなにお金が好きだったとはその時まで知りませんでした。
そしてもちろんお金は棺にいれなかったし、祖母は祖父の保険金受け取りました。そしてその保険金で死ぬまでにしたかった10のことを実行し始めました。
・83歳パスポートを何十年ぶりに再取得
・シュノーケリングしたい→パラオ
・Mont Blancにのぼりたい→スイス
・ナイアガラの滝を見たい→カナダ
・オーロラを見たい→アラスカ
・リアルサファリを体験したい→南アフリカ
・マリーナベイサンズのプールに行きたい→シンガポール
・綺麗な夜景を見たい→香港
・やっぱりシュノーケリングしたい→ボルネオ
・もっとシュノーケリングしたい→モルディブ
(※祖母91歳。沖縄にて)
祖母はシュノーケリングが好きでした。
シュノーケリングツアー参加時に生年月日を記入する用紙には、だいたい年号が選択式になっています。
祖母「大正がないわぁ」
海の若い男性「え?おばあちゃん大正生まれなんですか!?見えないっすね!」
祖母「いややわぁ///」
というやりとりが好きだっただけじゃなかったと思います。
祖母は海を楽しんでいましたが、パスポートの有効期限は刻々と迫っていました。祖母のパスポートを取得したとき、手続きをした母は、5年か10年かという選択肢で5年を選んでいました。
母「10年もおばあちゃんが遊ぶのに付き合うん大変やし」
(※祖母89歳。沖縄にて)
それから国内の世界遺産を巡り、
89歳でウィンドサーフィンに挑戦し(立っただけ)
91歳でシュノーケリングアゲイン。
「もう目が見えん」
と言いながら、今は筋トレ教室に行きハーモニカをふいています。
祖父が祖母に残した保険金は、祖母の人生をさらに豊かにしました。
何歳になっても新しいことに挑戦するという楽しみを与えたのです。
祖母がまだ私くらいの年齢の時には、終身保険ではなく定期付養老保険が一般的でした。そのため祖母の生命保険は保険期間が終わってしまっています。
高齢になってからは加入できる保険商品が限られてきます。手元にある預貯金で、相続対策に一時払の終身保険に加入しました。
保険金は受取人の固有財産になります。相続財産には含まれません。
税法上は相続税が課税されますが法定相続人1名につき500万円まで非課税です。
保険の対象である被保険者が死亡した場合に相続が発生すると、遺産分割が終わるまで銀行口座は凍結されます。
葬儀費用や医療費の支払いに銀行口座内のお金を使うことができなくなるのです。
でも保険金なら大丈夫。保険金受取人はすぐに(一般的に資料請求後5日以内に)保険金を受け取ることができます。
私は法定相続人ではないので祖母の一時払終身保険の受取人にはなってなさそうです。孫への非課税枠について調べて母に提案したいと思います。聞いてもらえなさそうだけど。
(※祖母92歳。ご覧の通り加工済み。ごめんなさい。)
祖母は会うと別れ際にいつも言います。
「じゃぁねともこさん。もう会うこともないかもしれないけどお元気で。」
おばあちゃん、お誕生日おめでとう。
お正月に会えるの楽しみにしてるよ。