50人の壁に先手対策!スタートアップバックオフィスで経理の業務フローを構築し直した話。
「保険業界をアップデートする」というミッションを掲げ、InsurTech領域においてB2B SaaSを展開するスタートアップ、株式会社hokanでバックオフィスを担当しているともこです。経理財務、労務、総務、法務などを兼任中。
日々いかにカオスなスタートアップバックオフィスの業務を効率化し、いかに事業に貢献するか奮闘しています。
先日弊社に2人目バックオフィスが入社してくれました。オンボーディング資料としてhokan経理オペレーションの仕組みをまとめたので、noteにすることにしました。
こちらの続編です。
◆はじめに。
今回の記事では会計ツールに数字が直結する部分のみを切り取り、「給与」「支払」「売上」の3つに分けています。
支払という区分がナンセンスなのは感じておりますがご容赦ください。
契約締結や労務管理が「経理」かはさておき、会計に紐づく業務はhokanでは経理業務としています。今のところ。
ツールの評価をする記事ではありません。評価にならないように気を付けていますが、hokanバックオフィスの課題解決に適したツールをご紹介させていただいています。
ツールに関しての記事にしたので、申請承認フローなどを加味していません。
あくまでhokanの話なのでご参考程度に、また、もっといい案があるぜ!ということであれば是非ご教示いただけると嬉しいです。
◆なぜ業務フローを構築し直したか
今事業年度が始まった際に、経理まわりの業務フローを大幅に改善しました。
事業も3年が経ち、人数が20人になりました。採用も順調に進み、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセス、CRE、データ、プロダクトプランニングチームなどができました。
経理周りのパターンやフローが固まり始めた中で見えたのは、今のフローのままだとチームや取引が増えれば増えるほど、増加分以上に工数が増えすぎていくということでした。
とにかく、必要以上に工数が増える部分は早くみつけて手当をしなければなりません。
そこで課題を洗い出しました。
◆どんな課題があったか
「必要以上に工数が増える部分」を洗い出したのが以下の5つです。
① 請求書(債務)回収要否を、誰かに聞かないとわからない
② 請求書(債務)回収のための取引先/社内への確認の手間
③ 請求書(債務)の仕訳手入力
④ 売上の前受金の按分計上が手入力
⑤ 一取引先の月毎の売上集計が手作業
◇他チームとの連携フローの構築
マーケや広報、採用などそれぞれに業務を推進し始めると、管理部門が「社内情報を当たり前に知りうる状態」ではなくなってきます。
各チームとうまく連携をしないと、適切な情報がオンタイムで集まりません。
各チームに負荷をかけずに、必要な時に適切な情報を共有してもらえるフロー構築が必要です。
◇無駄に増加する手入力の撲滅
hokanバックオフィスでは手入力の撲滅を目指しています。
当然のことながら、手入力をすることでミスを起こすリスクは増え、そのリスクを回避するためにチェック工数も増えます。
手入力にいいことなんてない。
hokanはSaaSのID利用料金を年払い一括で受け取ります。IDの追加があれば残存期間分をまた一括で受け取ります。前受金で計上して売上としては各月に按分します。
ありがたい話ですが、ここに日に日に手作業が増加していました。
売上管理を外注するのか、売上方法自体を見直すのか、、
キャッシュフローを健全に保てる、リスクを軽減しスピードをあげられるフローは何か。それに見合ったコストとは。
◆<MF+sweeep+board→freee>体制で課題解決!
上記の課題を解決するために導入したのが、
「sweeep」「board」「freee」の3つのツールです。
導入のbefore/afterを図にしました。
<図の説明>
①会計ツールに紐づく業務カテゴリを「給与」「支払」「売上」と分類しています。
②上部の青い点線で囲んでいる箇所は、バックオフィス以外の、情報を提供してもらう際の作業です。
「給与」は各個人、「支払」は業務委託先など取引先、「売上」は営業です。
③赤線は手入力作業、黒線はCSVインポートなど手入力を要さないけどAPI連携ではない作業、点線はAPI連携で作業がほぼ発生しない箇所です。
◇1年前のツール構成図
赤が「手入力」で撲滅させたい部分でした。
とにかく作業が多い。
◇現在のツール構成図
今回改善したのは支払と売上です。
(給与はこれ以上改善できるところがなかったベストプランでした、!)
赤(手入力)部分がスッキリ!!!
手入力が、給与計算ツールへの固定残業代と住民税の入力のみになりました!
◆具体的にどう解決されたか
◇sweeepで手入力/紙請求書の撲滅に成功!
支払における主な3つの課題は、sweeepを導入することですべて解決できました。
① 請求書(債務)発生の有無確認が聞かないとわからない
② 請求書(債務)回収のための取引先/社内への確認の手間
③ 請求書(債務)の仕訳手入力
あらゆることを自動化できて最高。これまで請求書がなかなか到着しなくて月次を締められなかったですが、sweeepを導入したことで回収サイトが短くなり、現在は2営業日で仮データ、確定データでは4営業日で締められるようになりました。
請求内容は各チームに承認をしてもらいますが、その依頼も自動でスムーズにsweeep上で完結して行えるため、日数を短縮できます。
hokanでは毎月最終週に回収要否の確認、第3営業日に受領請求書の内容の承認時間を承認者みんなで予め15分スケジューリングしています。
sweeepは導入事例インタビューありますのでご覧いただければと思います。
◇freeeの前受アプリで日々のストレスから解放!
会計ツールをfreeeに変更した一番大きな理由が<前受アプリ>でした。
売上における以下の主な2つの課題は、以前の会計ツールではなかなか効率用行えておらず、早かれ遅かれ金額を間違う日が来る、、、というストレス、、、
そのストレスから救ってくれた神アプリ、、、!
売上の課題も解決です。
④ 売上の前受金の按分計上が手入力
⑤ 一取引先の月毎の売上集計が手作業
◇boardで契約締結の作業工数も大幅削減に成功!
boardでは見積書を作成すると同時に発注書や請求書などの帳票も自動で生成することが可能です。また発注書はクラウドサイン(Docusignも!)にAPI連携できるので、クラウドサインの送付準備作業をまるっとなくすことができました。
ひとつだけ、営業からslack workflowを経由しスプレッドシートで受領したデータをboardにつなぎこめないことが課題として残っています。ここは仕方なくコピペ。slack workflowで送られる情報をboardに直接取り込めたら本当に嬉しい、、、!
◆最後に。
hokanのバックオフィスでは、ソフトウェアの力でシンプルなフロー/確実なデータを作り、業務改善をし続けることで事業により貢献することを掲げています。
その陰に、hokanの経理の帳票管理や細かい事務作業をサポートいただいているパートタイマーのよっぴさんに、この場をお借りして、改めて心から感謝を伝えたいと思います。よっぴさんいつもありがとうございます!これからも宜しくお願いします。
これからもみなさんに支えられ応援していただき、誇り高い侍バックオフィスを目指していきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございましたー!
おしまい。
【おまけ】請求書管理ツールをsweeepに選定した理由
今は受取請求書データ化サービスが大盛り上がりです。
invoxさんが比較表を作成されていますので詳細は是非こちらで。
当時の課題に対して挙げた選定要件がこちらです。
<選定要件>
- 自動回収し取り込みができる。帳票の格納の手間をなくせる
- OCR解析からfreeeで取引データを作成できる
- 回収要否が一覧で表示できる
- 受領領収書を承認すべき人が承認するフローを組み込める
ここでほぼsweeep一択でした。念のためinvoxも比較検証。
※LayerXはリリースされていませんでした。
<当時の2社の違い>
オペレーター確認の有無 → 精度かスピードか
請求書PDFをfreeeのファイルボックスに自動取り込みできるか
大きな違いはここで、hokanにはsweeepがよさそうだというので決定。
※現在はinvoxも両方に対応しています。
どのプロダクトも新しい機能がどんどん増えていて、ますます楽しみ!!!
おしまいのおしまい。
ありがとうございました。
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