30人スタートアップでオファー承諾から入社までのフローを構築した話。
InsurTechスタートアップのhokanでバックオフィスSBOをしているともこ(@sbo_tomoko)です。
最近入社手続きまわりのフローを作ったのでまとめました。この領域は、候補者と、各チームの採用担当者、人事・労務・総務・情シス・経理とステークホルダーが山ほどいて、採用決定から入社日までの期間や過ごし方も多種多様。
オンボーディングのフローはノウハウが共有されていたりしますが、そこに辿り着くまでの事務手続きに関しては情報を見つけることができず、ド手探りで進めています。
vol1なので改善点は多くあるかとは思います。別のアイデアがあれば教えていただけると嬉しいです。不出来でも、見ていただいてもっと良くしたい。
社員のオンボーディングって本当に大事だから。それはどの企業でも同じはず。
人員や予算によって手段は変わるかと思います。だからこそ今のスタートアップの30人規模での状況を残しておきたいと思います。良し悪し含めて、参考にしていただけるかと思います。みんなでスタートアップ業界をよくしていきたい。
今回は、なぜフロー化したのか、フロー化で何をしたかったのか、どんなフローにしたかをまとめておきたいと思います。
入社手続きのフローをまとめたきっかけ
10月頃から採用を強化し内定者が増えました。(感謝!)
それに伴い、採用するチーム、その中のメンバーとステークホルダーも増え、セキュリティも強化したことでとりあえず工数がかかりすぎてきたことがきっかけです。
以前はオファーも月に1~2回程度で、関わる人も少数だったのでフロー化していませんでした。オファーの詳細をもらってから入社まで、候補者と直接やりとりをしていました。
hokanでは、大前提として、事業・開発サイドが各KPIに集中できるように、事務手続きのできる限りをバックオフィスが担当するようにしています。
これまでは属人化していてもよかったものの、人が増えたことで、比例して工数が増え対応スピードが落ち、管理が煩雑になってきていました。
フロー化して可視化しないと各チームへも支障が出てくる、そんな兆しを感じました。
入社手続きフローの構築ポイント
人数が30名になってきた頃から感じだした、
「聞けばわかるから楽ちん」から「聞かないとわからないストレス」へのシフト。
みんなが抱く「質問・疑問」に対して、回答を用意するコミュニケーションコストの増加。
増える事務工数と合わせて、それらを解消する必要がありました。
まず整理するにあたって変更させたことは以下の通り。
できるだけフレキシブルに都度対応したいと思っていましたが、原則としてある程度定めておくことで抜け漏れや混乱は予防できました。重要なポイントは、
「社内みんなが候補者とslackで連絡が取れる。候補者が放置状態にならない」
「ステータスが可視化されている」
「情報セキュリティ、契約のルールを遵守している」
ということ。
入社手続きでやってること
それぞれの項目の詳細も共有できればと思いますが、全体的な流れとしては以下のようになっています。
①オファー
オファー時は「労働条件通知書」のフォーマットを元に、各チームの採用担当者がオファーレターを作成し候補者(orエージェント経由)に通知します。内容はバックオフィスがWチェックをします。
②オファー承諾
Slack workflowでの申請
オファー承諾をいただいたら採用担当者にはこのフォームを入力してもらいます。フォーム申請という入口をひとつ作りました。
ポイントは、法的に必要な労働条件通知書を用意しているかという確認とその内容に基づいて手続きするために、オファーレターのリンクを貼り付けてもらうこと。
入社前に業務委託がある場合の情報を回収しておくことでその後候補者と連絡を取る際にスムーズに案内ができます。
採用媒体も回収することで経理側の支払い漏れや支出予測にこのタイミングで対応できます。
Google formの共有
上記のworkflowに入力すると、バックオフィスにはメンションが飛びます。スプシに登録されて情報が一覧で確認できるようになり、進捗管理が始まります。
フォーム送信者には以下のメッセージが届きます。
候補者の方へ送信いただいたら、採用担当者にやっていただくことはおしまい。媒体やエージェント経由、Messengerやyoutrustなど連絡手法が様々なので、候補者への送信は自動ではなく採用担当者がオーナーです。
フォームでは、連絡先情報などの個人情報取得同意を行い、入社日や職種などを入力していただいています。会社が知ってる情報なので二度手間ではあるのですが、ご本人と会社の認識が一致しているかを確かめています。
併せて、GitHubのアカウントや入社説明会の参加日程、PCの希望などを回収します。
③スケジュール・タスク管理
この時点で業務開始日、入社日、入社説明会日時(=NDA締結日=アカウント共有日)が決まりました。あとは細かいことを詰めていきます。
全体がどういった流れになるのか、
確実に知っておいて欲しいことが何か、
誰がいつまでに何をしなければならないか、
何を見れば情報があるのか、候補者一人分ずつasanaにまとめて、バックオフィスから採用担当者で共有をしています。
このasanaは、入社説明会のアジェンダの役割も兼ねています。
asanaで管理している理由は、無料で外部共有できるツールで、担当者と日時が設定できたからです。
trelloも考えましたが無料プランではスケジュール管理ができませんでした。
hokanのバックオフィスではjiraを使っていますが、jiraはNDA締結前の外部ドメインを許可していないので使用できませんでした。
④PC手配
PC資産の在庫状況から、割り当てるPCを選定/発注します。
今は代理店からの買取です。
①でオファーレターを出す際に必要なデバイスの検討はつくので、その際に在庫確保の準備を行います。余計には持ちすぎない。でも待たせない。
PCの在庫管理はスプシで行っています。
ジョーシスやMFなどのツールもトライアルしましたが、スプシで継続。
毎月1日時点の貸与先を残しており、資産計上の確認もこのシートで行います。
⑤入社説明会
オンラインで入社の説明会を行い、雇用契約や入社時誓約書の締結を行います。
②のフォームで、候補者の方に参加する入社説明会日時を選んでいただいています。複数名合同で行います。
それぞれフォーマットをコピペして候補者ごとに個別のasanaページを作ります。雇用契約書の閲覧用URLを貼り付け、雇用契約書に沿って説明。
特に説明が必要な項目はasanaにテキストで書き出しています。スクリプトの役目を果たしてくれます。いつ誰が説明をしても皆さんに同じ内容を届けられるように。内容がokだったら候補者にチェックをつけていただきます。説明の抜け漏れや、候補者からの違和感を無くします。
説明後にNDAや入社時誓約書、雇用契約書など必要書面を電子で締結します。
スタートアップの場合、働き方や社内制度は都度変化することが予測されます。聞いていた制度がなくなっていた、ルールがガチガチになっていたなんてことは起こり得ます。それに前職の価値観や個人の想像は様々で、思っていたより整っていた、とか思っていたよりちゃんとしてなかった、とネガティブに作用することも。
だからこそ、会社のルールはこういう価値観で作られている、現状はこうなっているがこうしていきたいと思っている、ということは伝えて認識を合わせておくために説明会を行います。録画で対応したり、notionなどのドキュメントを共有するのは簡単なのですが、小一時間で大事なことをface to faceで説明できるならコミュニケーションの時間は取った方がいいという思想です。
⑥キッティング&アカウント設定
作業は②で情報を取得できたあと適宜行いますが、⑤でNDAを締結できたらアカウントの配布を行います。
SSOの導入ができていないので地味に1つずつアカウントを招待します。
1passwordに格納して1passwordの保管庫を渡します。
セキュリティ上貸与PCでしか業務アカウントにはアクセスできませんが、slackのみ先にアカウントを発行して招待します。
その際にオンボーディングチャンネルを作成し、関係者をinviteして各チームに引き継ぎます。みんなが参加しているチャンネルへは自動的に追加されますが、その他業務上必要なチャンネルへの招待は都度各チームで行います。
一度に入れすぎてもキャッチアップの優先度が迷子になってしまうため、各チームにお任せしています。
⑦ join!!
入社当日からは経営陣からの説明やチーム横断ランチなどオンボーディングを実施します。
あとは、社保手続きに必要な情報や住民税などを回収し届け出て、住民税の申請、源泉徴収票などの書類を回収し初回給与の出金を見届けて完了です。
情報セキュリティ研修や健康診断手配も忘れずに。
これでオファー承諾から入社までの一連のフローおしまい!
早くIDaaS導入したい。
最後に
私と一緒にhokanの企業価値を爆上げしていただける情報セキュリティ、コーポレートIT、法務、労務を探しています。
ご興味ありましたらカジュアル面談から、お気軽にご連絡いただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
エンジニアも事業部側も募集してます!
最後までお読みいただきありがとうございました。