2つの顔を持つこと_その①
私には、アロマ調香デザイン®︎を教える先生の仕事と、香りをつくるアロマ調香デザイナー®︎としての仕事があります。
どちらかしかご存知ない方もいらっしゃると思いますし、両方の私とお会いしている方もいらっしゃると思います。
この春はいろいろと節目だということもあって、自分の立ち位置確認をしてみたいなと思っています。
今日はまず①の「アロマ調香デザイン®︎を教える先生」
としての齋藤智子の話からお付き合いください。
▪️原点は京都
講座や書籍などで話すこともあるので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私の香りの原点はふるさとの京都の記憶からはじまります。
ガラガラと家の玄関を開けると、古い木の町家特有の匂いと、ほんのり漂う冷えたお線香の匂いが入り混じった奥に長い、薄暗い家。
坪庭や離れがあって、忍者屋敷みたいだと子どもながらに思っていました。
ですが、京都で体験した日々の行い、例えば朝は仏さまにお水を換え、炊き立てのご飯などをお供えすることから始まります。出かける時の火打石も記憶にあります。近所のお豆腐屋さんにボウル持参で出来たてのお豆腐や大きなお揚げを買いに行ったり。
近くにあるお寺の境内で遊ばせていただいたり。お墓の掃除も祖母とよく行きました。
そこについてきたのが「お香」の香りだったのだなと今改めて思います。
ティッシュや消しゴムなどの匂いグッズが大好きだった子ども時代から、アジアのインテリアの雰囲気が好きでお香を使うようになり、アロマを知ったのが大学時代。社会人になってからアロマの検定を受けたりして香りを学び、さらにセラピストの資格を取り、アロマセラピーに関わるようになりました。
▪️どんなことを学んだのか
その頃までに学んだことといえば、
精油のプロフィール、精油の化学、解剖生理学、介護アロマ、オーガニック、ハーブ、クレイなどのアロマセラピー全般の学びと講師経験。
アロマトリートメント、フェイシャルエステ、ベビーマッサージ、スキンケア、産褥ケアやアスリートのアロマトリートメントなどアロマセラピストとしての経験。
精油のブレンド、調香スクール、アロマ空間演出など、調香の知識と経験。
いろいろ手を出しました。苦笑
でも自信がなく、周りを見てはまだ足りない、、そう思っていました。
数年ぐるぐるしていました。そして、このぐるぐる思考はいくら考えても仕方ない!と、では何が自分にできるのか?やりたいのか?またやらないことは?と考えました。
▪️そこで気づいたこと
たくさんの先輩や、長年アロマに携わってこられた先生方はいらっしゃる。でも、精油で香りをつくれます。といっている人はお見かけしない?という気付きでした。
ならばそこで1番を目指そう!それが最初の私の決意でした。子どものような。笑
アロマセラピーは芳香+療法、という造語です。
ならば香りがわからなければ、香りを作れなければ、プロとはいえないよね。
だから調香(ブレンド)を得意技にしよう。
と、すぐに調香師の方の講座を受講し、ブレンドの先生の講座を学び、空間演出として香りを使う方法を学びました。(学ぶの好きなタイプ)
アロマはすごい力を持っています。
例えばラベンダー1種類にも300種類もの芳香成分があり、香りを嗅ぐだけで心や身体がゆるんで、リラックスさせてくれます。
でも、癒しだけではなく、アロマってもっともっと使えるはず。
自分らしいライフスタイルやビジネスでも使える。それをいろいろな方に知って欲しい、アロマの価値が上がれば、アロマセラピーやアロマセラピストの地位も上がるかもしれない。そんな仕事になるアロマを伝えたい。
でもどうしたらいいのかわからないわ、、というところで相談したのが副理事長の武田泉穂さんでした。
▪️ついに法人設立
当時は、ビジネスのこともよくわからない1主婦だった私が、やってみたいと思ったことから賛同してくれた理学博士の武田さんとその友人の医学博士の3名が発起人となり、2013年、一般社団法人プラスアロマ協会を設立しました。
右も左も分からない中、その当時教えて欲しいと言われていたのが、パーソナルブレンドアロマのやり方。
それには「精油の嗅ぎ分けができて、組みあわせることができること」が必須です。
そこから逆算して、香りの知識、調香の知識と実践、現場での話など、先程並べた私の学び人生をぎゅっとまとめたのが今教えている「アロマ調香デザイン®︎」な講座です。
そこから10年。
1人で教えていたことを、今は、全国の認定インストラクターが思いを引き継いで、アロマ調香コーディネーターやアロマ調香スタイリスト講座を開講してくれています。感慨深いです。
アロマはなんとなく資格を取ってみよう、なんかおしゃれだし、癒されるお手伝いができるし。
私もそうでしたが、きっかけはそんな方も多いと思います。
ところがかなり奥が深い。
古代エジプト時代から、宗教でも大切な位置付けだった「香り」は、誰もが手にできるものではなく、その後中世になるまでは、修道院でハーブも育てられていて、自由に楽しめるものではなかったのです。
ですが、ヨーロッパでペストが流行り、ハーブによって抗菌や治癒するというちからがあるものだとわかり、精油の抽出が可能となり、一般の人にも広く普及しました。いまでは臨床試験なども行われて、多くの論文も発表されています。
そんな何千もの叡智が詰まった植物の力を、少し知って上手く使うことができたら。
それぞれにとって快適な状態を自分でつくることができる。そう思うのです。
今もこれまでもたくさんの知識人の方や先生方がいらっしゃって講義をされています。
ですが、私がお伝えしていることは私が知り、実践したこと。それを中心に授業ではお伝えしています。
古くからの学びのほか、新しい感覚や使い方も含めてできるだけリアルに話しているつもりです。
コロナというこれまでに想像もしていなかった時間を経て、香りに対しての認識は変わりました。飾りだけの癒し、アロマではなく、本当に助けられました、そう伝えてくださる方が増えました。
受講生も変化しています。長年アロマをやってきた方だけではなく、初めてなのですが、という方や、学生や海外からも学びにきてくれます。それだけ「香り」が身近になってきたということなのだと思います。嬉しい。
そんな時代の流れやニーズも踏まえ、今年、一般社団法人プラスアロマ協会も変化しています。
先日アロマ調香スタイリスト®︎講座の改訂を終え、来月からはアロマ調香デザイナー®︎講座の大幅改訂を行います。
3名の専門家の方に加わっていただき、さらに厚みのあるおもしろい講座へ。
時代も変化する中で、新しい情報を吸収して、さらに充実した講座へとブラッシュアップしていきます。
現在、一般社団法人プラスアロマ協会で私が担当しているのは、上級クラスのアロマ調香デザイナー講座だけとなります。
アロマ調香デコーディネーター講座、アロマ調香スタイリストは、本部インストラクターほか、全国の認定インストラクターにより随時開講しています。
それぞれの特徴やスケジュールは協会オフィシャルサイトをご覧いただけたらと思います。
香りをデザインすることににとことんこだわることで、新しいアロマの楽しみ方、伝え方、仕事の幅が広がるんだということを、私自身がいつも感じていることです。
次はどんなことができるから、ワクワクする。
そんなことをこれからもやっていけたらなと思います。
次の記事でそのワクワクをカタチにする、② の香りをつくるアロマ調香デザイナー®︎としての仕事、について書きたいなと思います。
→ TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO オフィシャルサイトは、こちらからご覧くださいね