【どうやったら調香がうまくなるのか】
ここ数年、アロマブレンドは業界の中での人気のカテゴリーであると思います。
私が代表理事を務める一般社団法人プラスアロマ協会でも、香りのブレンドができるようになりたい、とアロマ調香デザイン講座を受講してくださる方がとても増えています。
受講生は
①アロマの資格はすでにいろいろお持ちで、レッスンのメニューに香水レッスンを加えたいという方や、セラピストとしてアロマトリートメントをしていたけれどやっぱり体力的にも大変、コロナを経て個人サロンが難しい、調香ならこれからもできるのではないか、という方。
②アロマは初めて、最近習いはじめましたという方、香りが好きなので、自分で商品を作ってみたいんですという方、最近香りが気になるんです、次の仕事として興味があるので、という方。
10年前に協会をスタートしたときは①の方が圧倒的に多かったのですが、だんだんとその割合は変わってきて、今ではアロマ調香デザイン®︎の受講生の4割近くは②の、初めてアロマを学ぶ方という方になってきました。
趣味でも仕事でも、アロマに興味を持っていただく方が増えるのはとても嬉しいことだなと思います。
そして、タイトルの、どうやったら調香がうまくなるか。
その答えは、なかなか一言では難しいですが、それでも絶対大切だと思うのは、数をこなすこと。
やっぱりこれは王道で、上達する早道だと思います。きっと何事もそうですよね。
でも、それだけだとやはり違うのです。
何度やっても間違ったことをやっていては、うまくなりません。それは違う答えを練習していることと同じだと思うのです。
ホテルやイベントの空間演出やお化粧品の香りデザインなど、いろいろな香りの創香を行う中で、クライアントから言っていただくのは
「これまでこういう香りはありませんでした」
という言葉。
アロマショップ、香りのプロダクトなどが溢れる中で、その言葉はとても嬉しいことです。
ちなみに、アロマ調香デザイン講座でもいつも話していますが、100種以上の精油のなかで、私にとってのスター精油(よく使う精油)というのは、実はおよそ20種。
珍しい香り、希少性の高い精油をたくさん使うわけではありません。
ではどうしているのか。
スター精油20種の組み合わせや割合を少しずつ変える、またテーマに合わせた必要な他の香りを足し算引き算して香りを考える。
ほんの1滴、1%バランスが変わるだけで、大きく変わります。
その1滴に敏感になってニーズに寄り添う香りを創香する。
でも、簡単なようで逆に難しいことかもしれません。
自分が上手く使える得意な精油だけではなく、クライアントのニーズを満たすもの。
再度書きますが笑、ただなんとなく香りを選ぶのではない、ということ。
考えなくてはならないのは、精油の成分、特徴、生育状況、土地とこと、使う人、使い方、エビデンスなど、様々な要素から10〜20種の精油を選定し、組み立てていきます。
精油の持つ機能と目的にマッチするデザインを天然精油で組み立てる。
これがアロマ調香デザイン®︎です。
もともとはお香の香りが好き、といって検定を受けたり趣味で楽しんでいましたが、やっぱりアロマを仕事にしたいと思い立って15年。
精油の勉強や解剖学、香水のこと、全身のアロマトリートメント、フェイシャル、肌、キッズ、高齢者のケア、さらにハーブやクレイなど、様々なことを学びました。
セラピストとして産婦人科で産褥期のトリートメントや、ベビーやキッズマッサージなど、肌に触れるための精油選びもしてきました。
その上での調香です。
だから偉いでしょ、が言いたいのではくて、実際に使う現場での使い方を知った上で、いろいろなパターンのブレンド、調香を考える。
そして、実際にブレンドをした結果、今がある、ということ。
前も書きましたが、その数は6,300を超えました。
だからできるようになったことはたくさんあります。思うようにいかない香りも、もちろんあります。
でも、一度作って完成!ではなくて、それを1日置いて確認する、1週間置いて確認する。
なぜかというと、天然精油は香りの変化をしていくものだから。
生きているのです。(その話の深掘りはまた今度)
アロマにはとても大きな力があります。
その力をうまく使えたら、もっとアロマっていいね、役立つね、とその役割も大きくなっていくのだと思います。
あなたの創るこの香りがいい
と言ってもらえる香り。
これをこれからもマニアックに追求していきたい、そう思う週末。