
今日の一言!「学問は技と同様、おろそかにしてはいけない」
中間テストが終わってやれやれの高三の長男。
散々悩んだ挙句、現時点で大学への進学はしないことに決めたようです。
持続可能な暮らしや、環境問題、貧困問題などの諸問題を解決するにはどうしたらいいか、と考えているうちに行き着いたところが日本の伝統建築。
伝統建築の建て方で家を建てれば、環境が変わるし、風景も変わる...というような感じで、まずは建築から入ってみようというところに行き着いた模様。
ぶっちゃけ、古民家が好きだからだとは思いますが(笑)、なんでもいいから、打ち込めるもの、自分の軸にできるものを見つけられるといいんじゃない、と私からはそれだけ伝えていました。
大学や専門学校で建築を学べるところも探していましたが、結局は学問としてと言うより、技術を身につけるのが先だと思ったようで、修行先を探しまくっている今日この頃です。
流動するマントル
その長男が昨日、物理の時間で学んだマントルのことを話してくれました。
地球の核になっているマントルって、温度がものすごく高温だから、鉄の塊といえど、液状だそうです。そしてそれが、ものすごくゆっくり動いているんだそうで。こちらにも書いてありました⇩
で、その速さが、ここ20年くらいでものすごく速くなっている、と物理の先生が教えてくれたそうです。海底の地層を調べると、そういう速さの波(しわ)みたいなものがわかるらしく。
そこで気づいたことはこんなことだったそうです。
「でもさ、誰もマントルみたことないわけじゃん?どうやってわかるんだろうね?んで、地層見てそれを推測したり、推論したりできるってことにどうしたら気づけるんだろ?僕は、学術の世界もやっぱりすごいな、おろそかにしたらいけないなと思った。今日は、本当にいい授業だった。」
ウチはどちらかといえば「学」より「技」の世界を大事にする家風だと認識しています。
彼にとってはそんな家風の中で「両方とも大事だ」とわかったことが目から鱗だったようです。
「学」と「技」をつなげる「術」
実は上述のような家風の我が家では、常々「学」の世界と「技」の世界は、うまく連動していないように感じてきました。
しかし、よく見ると「学術」「技術」と、両方とも「術」がつくのですから、「術」で「学」と「技」は繋がれているとも考えられます。
「術」とは、
1 人が身につける特別の技。技術。「剣の術」
2 手段。方法。てだて。すべ。「もはや施す術もなし」
3 策略。計略。はかりごと。たくらみ。「術をめぐらす」
4 人知をこえた不思議なわざ。忍術・魔術・妖術など。(デジタル大辞泉より)
とあります。
「技」とよく似ているようですね。だとすれば、「技」は?
1 ある物事を行うための一定の方法や手段。技術。技芸。
「技を磨く」「技を競う」
2 相撲・柔道などで、相手を負かすために仕掛ける一定の型に基づいた動作。「技がきまる」「寝技」 (デジタル大辞泉より)
よく似てはいますが、「技」の方には何かしらの「型」を要するような感じですね。となれば、これは身体技法というようなものかと思われます。
「術」はどちらかといえば、才能とかセンスとかひらめきとかに近い感じでしょうか?
私なりの解釈ですが、「学」と、身体技法としての「技」を結ぶのは、鍛錬の末に見えてくる煌めきとしての「術」、またその道のことではないかと思いました。
*実際に上述の辞書にも「みち」という意味も書かれていました。(その場合は「ばけ」と読むようですが)
「学」も「技」も、どちらも「道」を極めなければなりません。一生どころか、何世代にもわたって追求すべきものです。
そういった意味で学と技は本来、一本の長い道の上に乗っかって、互いに高め合っていくものなのかなと。
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長男、ここで、また大学受験する、と言い出すかな?と思いましたが、今のところどうもそうではなさそうで(笑)
雲ひとつない空、秋の透明な空気を感じながら、ともかくも長男の成長が嬉しかった週末の朝でした。