禁煙外来は薬局へ!!
こんにちは。
夢を諦めずに
たった1度の人生を幸せに暮らすために
カナダ人夫とカナダ生活を満喫中。
カナダ在住薬剤師の卵、Tomokoです。
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今日は、禁煙外来について。英語では、"Smoking Cessation"と言います。
日本では、禁煙外来は医師主導のたばこを辞めたい人向けの治療をしますよね。もともとは全額自己負担だった禁煙外来様々な意見があったなかで、1999年からニコチンパッチの使用が認可され、2006年4月からは禁煙治療が保険適用、同年5月からはニコチンパッチが保険薬として処方されるようになったという背景があります。
治療薬には、ニコチン製剤(ニコチンパッチ)の他に、非ニコチン製剤であるバレニクレンがあります。
こんな禁煙外来を、カナダでは薬局で行う事ができます。
ただし、必要な講習を受けた薬剤師しか指導はできません。そして、カナダの日本と違うところは、種類は限られますが、薬剤師に処方権限が与えられているところです。
このさらに、第一選択薬をFirst lineと呼びますが、禁煙外来でのFirst lineとして使用されるのはニコチンを含んだニコチン製剤を使用する
1.Nicotine Replacement Therapy (NPT)
2.バレニクレン(Varenicline)
3.ブプロピオン(Buproprion)
この3つの処方が可能です。
禁煙をしたい患者さんをしっかりとカウンセリングして、その患者さんに適切な治療薬を選び、サポートして完全な禁煙へと導いていきます。
詳しく見ていきます。
1.Nicotine Replacement Therapy (NPT)
日本でも最も早く使用が許可されたニコチンパッチは身体に貼る形の長期作用型。24時間効果があるとされていますが、かぶれ、頭痛、不眠、ふらつき、悪夢、吐き気などの副作用があります。
日本では、この他にニコチンガムがありますね。
カナダでは、ガム型(Gum)以外にトローチ型(Lozenge)、スプレー型(Spray)、吸入型(inhaler)などがあり、これらは短期作用型です。
ニコチンパッチと同様に副作用が現れますが、それに加えて、それぞれの剤形によって喉の痛み・かゆみやしゃっくりなどの副作用も報告されているようです。
2.バレニクレン(Varenicline)
バレニクレンは、ニコチン受容体(α4β2受容体)のパーシャルアゴニスト(完全なアゴニストと同様に結合するが、その作用は弱い化合物のこと)です。
日本での商品名はチャンピックス(CHAMPIX®)で、ファイザーが販売しています。
カナダでの商品名はチャンティックス(CHANTIX®)で、こちらもファイザーです。何なら、同じ名前にしてくれ...と切実に思います。なぜ変える必要があるのか...?笑
3.ブプロピオン(Buproprion)
ブルロピオンは、抗うつ剤として使用されることもあるノルエピネフリン(NE)・ドパミン(DA)再取り込み阻害薬(NDRI)で、NEとDAが再取り込みする受容体を阻害することで、脳内のNEとDAの働きを増やします。
ブプロピオンの歴史は長く、1969年に発明されていますが、発作が現れる確率が高かったために一度使用が停止されています。その後、さまざまな事が見直された上で、今では1日2回のSR型と、1日1回のXL型(徐放製剤)があります。日本では認可されていませんが、PhaseⅢまで治験が進んだそうです。
しかし、この薬はてんかん患者、拒食症・過食症患者、脳腫瘍患者などへは禁忌とされるように、使用に際して制限が多い薬です。さらに、自殺念慮リスクも高くなったり、腎疾患・肝疾患のある患者やMAOIを含む薬を使用している場合は禁忌または注意が必要であるとされています。
禁煙補助に関しては、5つのAが大切だと言われています。
1.Ask(禁煙する意思・状況の確認)
2.Advise(アドバイス)
3.Assess(禁煙をする関心度の評価)
4.Assist(薬を用いて、または用いないでの禁煙を支援・指導)
5.Arrange(成功に導くためのフォローアップなど)
これらを適切にしていくことで、患者さんの禁煙率が上がるそうです。
私は、病気になる前の人とも関わり、病気の予防に力を入れていきたいと思っています。これは、私が長年持っている想いです。なので、このように薬剤師が直接患者さんと関わることのできる環境が整っているのは素晴らしいことだと感じます。今まで勉強しているNLPコーチとしての知識や経験も、最大限に生かしていきたいと思っています。
もちろん、人の命に関わることなので責任も重たいですが、少しずつ理解し、正しい知識を身につけて一人でも多くの人の”健康寿命”を伸ばすお手伝いができるようになるために、これからも勉強を頑張ります。
*この記事は、私が日々勉強する中で得ている知識を元に書いています。事実に基づいた作成を心がけているつもりですが、一部で間違いがあったりする可能性もあります。ご了承下さい。
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