モロッコのセレブ料理教室
モロッコは世界中のセレブに愛されるエキゾチックな国。中でもマラケシュは、あの有名なサッカー選手、
クリスティアーノ・ロナウドも、モロッコに惚れて、
ホテルを手がけてるという。
そんなマラケシュのラ・メゾン・アラブというラグジュアリーなリヤドに併設される料理教室に参加した。
リヤドは、旧邸宅を改装して宿にしたもので、入り口はシンプルな所が多いけれど、それでも高級感が感じられる。
入ってすぐにあるさりげない暖炉、どこまでも敷き詰められる赤い絨毯。落ち着いたランプ、華美すぎない絶妙なセンスのインテリアは、歩いているだけで、まるで美術館の中にいるような気分になる。
あ〜次は泊まりたい!と思いながら、フロントに料理教室で来たことを伝えると、なんとも素敵な中庭に案内された。
ますば、定番のモロッコミントティーでのおもてなし。
まず驚いたのが、スタッフがとっても洗練されていて
イケメンだったこと。高級ホテルはスタッフはイケメンが条件に入っているのではと思わせるほどだった。
あるいは私が雰囲気にのまれてそう思うのか?
流れるような優雅な所作で、ミントティーを淹れてくれる。シルバーの茶器、カラフルなミントティーグラス、手入れの行き届いた庭、フレッシュなバラの花、この空間はなんなのか?
マラケシュの魔法にかかってしまった気がした。
さて、次は料理教室の案内人に連れられて、パンの共同窯を見学にいく。フェズでも共同窯を見たけれど、ここで案内されたのは小綺麗で広い共同窯だった。窯の石も、高級感があるように感じるのは気のせいではない。
共同窯の見学が終わったら、次は実習へ。
モロッコは昔ながらの暮らしが今も残る国。キッチンも簡素なものかと思いきや、教室を見せてもらったら、
各テーブルに講師の手元がわかるようなモニターが設置される最新式のもの。多人数にも対応可能。
こんな料理教室、見たことない!
私たちは少人数用の教室へ案内された。全て、実習がスムーズにできるよう整えられたキッチン。カラフルな野菜、モロッコならではの柄模様の食器や調理器具は、お洒落で楽しさを演出してくれる。
もちろん、ここでも講師は女性が登場してくる。モロッコは女性が仕事を持つことはまだまだ厳しい。
それでもモロッコのシェフや食のシーンで活躍するのは女性も多い。そして一般家庭の主婦でも、その腕前はピカイチだという。
今後、その腕前を生かして、女性が活躍できる場がモロッコでも広がればいいと思った。
さて、料理教室では、モロッコでおなじみの茄子のマリネ、チキンのタジン、ホブス(パン)、オレンジウオーターを使ったパスティリヤ・シュクレというデザートを作った。
真剣に作ることに没頭していると、「スマイル、スマイル!」と声がかかる。どうやら、しかめっ面して料理を作っていたようだ。
「楽しまないと、料理も美味しくならないよ」
先生の言葉にはっとさせられる。私は別にプロの料理家ではない、力まなくていいのに。
料理を作ったら屋外の部屋に移動して、試食タイム。
「えー、何ここ。こんな素敵な所で食べるの?」
そこは、ピンクのマラケシュの街が眼下に広がり、遥か遠くにアトラス山脈も見ることができる場所。
料理教室に来て、ザ・モロッコを感じられる空間で、料理を食べることができるなんて、優雅すぎない?
飲んでもないのに気分は舞い上がる。
ここはさすがにワインの種類も豊富で、そしてスタッフのスムーズな対応。
モロッコはイスラム圏ということもあり、ワインを置いているレストランも少なく、スタッフもワインの扱いに不慣れな人が多い印象だった。
ここではあたりまえのように、お昼からワインを頂くことができた。
そしてサーブしてくれるのが、最初に庭でミントティーをもてなしてくれたイケメン。またお会いできるとは!また再開できたことに、もう空にいるような気分に。
重たいタジン鍋のフタを何枚も重ねて片手で持つ姿は、惚れ惚れする。モロッコではタジン鍋のフタを重ねて
持てないと、サーバーは務まらないのか?と思わせる
ほど、器用に持っている。
始まりから、終わりまで最高のおもてなし、そして楽しい気持ちでモロッコ料理を学ぶことができて、それだけで、モロッコに来て良かったと思った。
もう、海外旅行では料理教室はなくてはならないアクティビティだと、確信した旅でもあった。
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