バランスは最大好約数
ヘタミュ④
舞台衣装は運動量が大切!という話は
SNSでもよく話題にしますが
とにかく舞台上での動きが大きい。
ということは運動量がとても大切。
加えて本人も大きい。
アトリエのトルソーは
レディース→4体(サイズ違い)
メンズ →→3体(サイズ違い)
ありますが
彼のサイズに合う肩幅のトルソーはないわけで
毎回、プロッター(型紙を出力する機械)から出てくるパターンに
えっ??あってます?
というやりとりが……
今回はジャケットの上に
フライトジャケットではなくコートを着ているので、とにかくバランスに気をつかいました。
あのサイズのコートどこで買ってきたの?
というSNSも見かけましたが
もちろん衣装として製作してます!
リアルクローズの生地で!
そして今シリーズ初演オープニングのブーツカバーは
なんと大阪に入ってから製作!
その話は本文後半!
衣装に限らずトワルを必ず組みます。
サイズ確認とバランスのために。
その際、トルソーを本人の身長まで伸ばすのは当たり前ですが……
アメリカの場合は肩幅との見え方が重要なので
トルソーに細工をして肩幅を龍乎のサイズまで広げます!
その細工をすると不思議と
そこにアメリカがいるぅ!となります。
今回はジャケットの上にアーミーコート。
ウエストのリブ部分の高さ…
このウエストリブの高さがあと少し上がると
肩幅とのバランスで正方形になるし…
少し下がると足が短く見えるし……
この絶妙な位置を決める為に
パターンは3種類作りました。
そしてトワルチェック。
半身でのチェックは目の錯覚が起きるから
全て両身で。
アメリカのトワルは
捨てずに解いて、アイロン台カバーや当て布に
リユースしました!
それほどに1パーツが大きい!
ジャケットとパンツは前回シリーズに続き
原作の色を参考にしてます。
でもですよ(笑)
なかなかないブルーなんです。
アーミーコートの生地色とのバランスを考えると……
これは本当に迷いました。
ヘタミュの身生地の仕入れは西の方の生地屋さんなので行く時間と予算はないので
5cm角の生地見本帳で選びます。
身生地→5cm四方
コート→色見本2.5+5cm程度
(風合い見本は15cm四方ありますが色見本は小さいのです。)
この小さな見本で
1番よく見える最大好約数を見つける作業。
悩みました……
絵に描くと可愛くても実際人間が着るとなると
身生地が難しい色なので。
でも龍乎、見事に着こなしていた!
そして
今回シリーズの初演のオープニング。
オープニングだけのために作った
赤のモーニング。
オープニングだけだし
予算はほとんどなかったので
完全舞台映え重視で
★裏地なし
★生地の張り感出すためにボンディング
(2枚の生地を両面接着芯で貼り合わせる)
★超早替えだったので黒ベスト部分は実は前身頃のみ(笑)
で製作。
本番はオープニングでブーツカバーをつけていたのを覚えていますか?
あれは
なんと
大阪に入ってから
吉谷さんと龍乎に
アメリカ、オープニングはブーツ履きたい!
と言われまして……
吉谷さんの現場ではあるあるですが…現場で新規に作るやつ(笑)
いつぞやのイタリアりょうきが一瞬着た赤のエリザベスドレス
あれも場当たり2日目の朝、昨日のあのシーン赤いドレス着せたい…の一言で急遽製作。
場当たり中に急遽製作した衣装シリーズのお話もおもしろそうですね(笑)
製作秘話たくさんありました!!
それはまた、いつか。
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