きみの、好き。ママの、好き。
きみの、好き。ママは知っているよ、
きみの、好きな色
きみの、好きな食べ物
きみの、好きなお友達
きみの、好きな遊び
きみの、好きなキャラクター
きみの、好きな場所
きみの、好きな前髪の長さ
赤ちゃんの頃から、何も変わらない。
その愛くるしい笑顔でこちらを見て、そして少しずつ少しずつ私の手から離れていく。
それは「成長」という階段を
一歩一歩、歩んで上がっていくということ。
嬉しいような、寂しいような、
ちょっと心がムズムズする感じ。
ママの、好き。はなに?
不意に聞かれて間が空いた。
ママの、好き。私の、好き。
何だったっけ…
いつからか、きみがママの世界の中心になって、ずっとずっと一緒に過ごして、泣き笑いもずっと一緒。
ずっと一緒だった。
ママの、好き。は、
またこれから先に見つかるのかもしれないけれど。
きみの、好き。が、ママの、好き。
もう暫くは、このままでいさせて欲しいな。