鶏口となるも牛後となるなかれ
(※この記事は2024年2月「1ヶ月間毎日ブログ書くぞ!」企画の記事です。)
みなさん、こんにちは。
インドネシアでメディア広告事業を経営しています、長谷川と申します。
今週は自分が大切にしている考え方、生き方などについて毎日書いていきたいと思います。今日は中国の故事成語から「鶏口牛後」についてです。
「鶏口牛後」が生まれた背景
まず「鶏口牛後」という言葉、「史記」蘇秦伝というところで登場します。
この言葉が生まれた歴史的背景は、中国の戦国時代に遡ります。
秦という巨大な国力の国に対して、ただ屈従するだけではなく立ち向かうために、対抗勢力の中でも一番強い韓の国の王様に対して、「あなたのように強く賢い王が、牛のお尻に成り下がるのですか?あなたこそ鶏の頭として立つべきでしょう!」と焚き付けたという話なのですが、そこから「大きな組織に属して末端で使われる立場になるよりも、小さな組織でもリーダーとなれ」という意味としてこの故事成語が使われる様になりました。
子供ながらに響いた美学
自分がこの故事成語に出会ったのは小学生の時だったと思うのですが、子供ながらに非常に心に響くものがありまして、「この先将来、牛のお尻か鶏のくちばしかという選択に迫られることがあれば、迷わず鶏のくちばしを選ぼう」「その方がカッコイイ」と思ったことを今でも覚えています。
小学生時代からだいぶ時を経て大学生になり、新卒社会人になり、社内起業に手をあげたり、日本で積み上げてきたものを一度白紙にして海外で再挑戦してみたり、と色々その後のキャリアの節目節目でまさに「牛のお尻」か「鶏のくちばし」かを選ぶ機会が何度となくやってくるのですが、基本的にはこの小学生時代に心に残った「鶏口牛後」の精神が自分の意思決定のど真ん中にあると思います。
牛の中でもくちばし、ツノでありたい
と、ここまで「牛のお尻よりも、鶏のくちばしだ!」みたいなことを話しているのですが、少しでも私のキャリアをご存知の人からすると「え?意外と牛好きじゃないの?」というツッコミがあるかもしれません。
たしかに新卒では大企業のソニーに入社し、その後人材大手のパソナグループに転職し、インドネシアでの事業に至っては今や現地の大手メディア財閥の傘下子会社という立ち位置になっています。鶏のくちばしどころか、大きな牛にばかり選んで突入していると思われるかもしれないのですが、自分の中ではそれでも「鶏のくちばし」を意識して動いています。
自分の中での「鶏のくちばし」というのは、ただ単に「小さい組織のトップ」というよりも「少数派のリーダー格」みたいな意味合いで捉えていたかもしれません。その母体組織が大きかろうが小さかろうが、自分自身でイニシアチブをとってある程度コントロール可能な立ち位置でありたいのです。そういう意味では、パソナグループの中でも社内ベンチャーとして起業させていただいて子会社を経営する経験をさせていただいたり、インドネシアでも大手財閥グループ傘下の子会社経営をさせていただいていて、大きな牛の中でのくちばしみたいな表現の方がしっくりくるかもしれません。大きな組織の中でも牛のツノの様に、キラリと鋭く尖った存在であり続けられたら良いなと思います。