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発展途上国発のブランド・マザーハウス #マーケティングトレース1000本ノック 008

本日のマーケティングトレース1000本ノックは、マザーハウスです。

自分が大学生の時に、ソーシャルビジネスという言葉に興味をもち、NPOでインターンシップをはじめるきっかけになったのは、マザーハウスの存在でした。

マザーハウスの特徴は途上国発のブランドというメッセージに代表されるよう、「社会性」にあります。

マザーハウスが素晴らしいのは、社会性をもったビジネスを行いながらも同情ではなく共感からブランドを進化させている点です。

共感の連鎖をつくり、ブランドを進化させるポイントが、マザーハウスから学べるはずなので、マーケティングトレースから解き明かしていきます。

マザーハウスの概要整理

まずは事業とサービス概要を整理していきます。

サービスカテゴリー:バッグ・ジュエリーブランド

理念:途上国から世界に通用するブランドをつくる。

サービス価値:社会性・共感性・品質を兼ねそろえたブランド体験

4P分析で整理

売り物:バッグ、ジュエリー(生産は途上国)

売り場:直営の店舗、催事

売り方:生産者・創業・ブランドのストーリーを伝える(Web・メディア)

売り値:バッグは高価格帯

マザーハウスのカルチャー自分たちでつくって、自分たちで売る。このダイレクトコミュニケーションから生まれるストーリーを、積極的に発信してブランド価値をつくり上げている。

「今」・「未来」と繋がる創業ストーリー**

この創業ストーリーページは読んでいて惹きつけられます。

葛藤を乗り越えていくストーリーは、多くの人の共感を呼び、マザーハウスのブランドをつくっている。

なぜマザーハウスの創業ストーリーは心に響くのか?

今やっていることと、過去と、未来に目指していることが繋がっているからです。

山口さんが過去に抱いていた夢が現実になり、目の前のお客様も大切にして、これからさらなる発展途上国を開拓して一緒に夢をつくる人を増やす・・・という一貫性を感じることができます。

トップが想いとブランドストーリーを語り続ける

山口さんは、情報発信をかなりコマ目に行っているようです。

夢を語るだけではなく、生産者、お客様と向き合うスタンスが示され、実践を発信しているから言葉に説得力があります。

書籍

書籍も第三弾まで出ていて、女性起業家や社会起業家を目指す人たちにはバイブルのような存在になっています。

創業者が熱を語り続ける。これは当たり前だけど大きなブランド資産です。

山口さんの情報発信は「主観」の力がある現場の1次情報を自らの目で確かめて、そこで感じたことを伝えている。客観的なデータではない。ストーリーをつくるために、大切なのは「主観」。主観が抜け落ちた情報からは人は動かない。

副社長の山崎さんの存在

組織のNo.2も素敵な人なのです!創業者だけではなく、No.2の人がブランドストーリーを熱を込めて伝えることができるのは大事です。

印象に残っている山崎さんの言葉を引用します。

「ゴールドマンで100億円の取引の話をしていたが、1万5000円のバッグを売る難しさも知らなかった。このまま世の中のことを何も知らないまま終わってしまうのか」引用:【マザーハウス山崎大祐】「情熱女社長」を脇で支える「ロジカル副社長」

組織の人事もストーリーとして伝える工夫は怠らないようにしたい。

生産者との関係性や存在を伝える

バッグやジュエリーが発展途上国で製造されていることが、マザーハウスの大きな特徴。

創業ストーリーや、日本での販売をプロモーションするのではなく、途上国でどのような人がつくり、どのような働き方をしているのかが発信されています。

現地スタッフの方が丁寧に発信されていますね。

発展途上国との繋がりを体感するためのイベントは、複数仕掛けられています。

「Warm Heart, Cool Head (熱い情熱と冷静な思考)」この2つを両立しながら社会を変革していくために、挑戦を続けている方々をゲストに招き、対談を通じて現在の挑戦につながるきっかけや、結果にを生み出すための戦略・思考に迫っていきます。

マザーハウスカレッジには、参加者限定のFacebookグループもあり、濃いコミュニティが形成されているようです。

マーケティングファネルの整理

ファネル定義=認知→比較検討→購入→ファン化

・認知=山口さんへの共感、口コミ・比較検討=一般的なバッグブランド・購入=店舗 ※店舗数は順調に拡大・ファン化=マザーハウスカレッジなどのコミュニティ形成

という全体像となります。

口コミが生まれる構造整理

主観や熱があるストーリーから共感を呼ぶことで認知拡大↓生産者も巻き込み、ブランドとの繋がりを強化↓さらに裏側を伝える学習コミュニティをつくりファンを増やす↓推奨者から口コミが生まれる

マザーハウスのマーケティングトレースまとめ

マザーハウスのマーケティングトレースをまとめると、

①共感を呼ぶ創業者のストーリー※主観に熱を込めて伝える!※No.2も違う角度から熱を発信する!
②創業者(経営者)と生産者の両視点から情報を発信→自分も一緒にブランドをつくっている実感をもてるコミュニティを形成
③裏側のエピソードを伝えて、濃いコミュニティをつくる→推奨者を増やす

この3つが共感から強いブランドを築くためのヒントです!

よくありがちな失敗ストーリーテリング
・創業ストーリーと今やっていることが繋がっていない
・創業者のストーリーはあるけど、生産者(現場)の声が出てこない
・自分たち視点での発信のみが続けられている
etc

マザーハウスは、理念⇔サービス・プロダクト⇔マーケティングの全てが連動していることが、マーケティングトレースを実践すると改めて気づかされました。

マザーハウスの共感を軸にしたブランドづくりから、盗めるところは盗み、マーケティングの仕事に活かしていきましょう!

本日のマーケティングトレースは以上です!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

※マーケティング7.0のマガジンで、こちらの図解と詳細情報含めたnoteを書くと思います。お楽しみに!

最後にヒントになりそうな、リンクアンドモチベーション麻野さんのTwitterをご紹介です。