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遊び心を取り戻す インプロアカデミー3日間集中WS
仕事始めもそこそこにまだ正月気分覚めやらぬ3連休、久しぶりの対面インプロWSに参加してきました。しかも人生初のショー付き。どうなることやら、それこそ未知に飛び込むつもりで足を踏み入れ、しかもこれまた久しぶりにほぼ全員が初対面という状況のWS。一歩先が見えない世界を遊び倒してきました。
スポンテイニアスにそこにいること
「がんばらない」「うまくやろうとしない」「スポンテイニアスであること」ということは初日から状態がよかった。肩の力も抜けていた。多分年始の夢子さんのWS(こっちの振り返りはまた後日)で身体から動いてみることの感覚が残ってたのだと思う。
その感覚が一番実感できたのは、「私は木です」のゲームだった。いつもより身体が先に出る感覚と、飛び込んでみて出てくるイメージ。もちろん何も浮かばない時もあったけど、迷いのなさという意味では今まででもかなりよい状態だったなあと思う。
シーンを立ち上げる
2日目、「名前をつける」というゲームでやったシーンの立ち上げ。相手との関係性が自分に合ったペースで立ち上がり、キャラクターがはっきりしてくると、相手が大きめに受け止めてくれたこともあり、自然と無理なくオファーが出てきた。シーンとしても無理なく嚙み合って立ち上がっていき、ストーリーもお互いに「ここだよね」という感覚を共有しながら進めた。
シーンの構造(インバル・ロソ)はすっと腹落ちするものだった。WhoとWhereはもちろん、Whatを「役の目的」と、Whyが「お客さんはなぜこのシーンを見るのか」と考えることがとても新鮮だった。
今回はcharacterまでは行かなかったけど、この構造の中で自分のcharacterをどう作ることでシーンが魅力的になるか、と考えられるところまで行けると、さらに面白いシーンが作れるのだろうなと思った。(いつそんなところまで辿り着けるのか…)
インプロゲームと違って、シーンになるとどうしても演劇的になるので力むかな、と思っていたんだけど、そんなこともなく、どこまでもラクな状態でいられた。今になって思えば、この2日目、シーンとして「うまくいかないな」という感覚があまりなかったなあと思う。
小さな違和感
最終日ショー当日、朝の体調はすこぶる良好だった。緊張もしていない、身体も自分にしてはほぐれてる方だ。
だけど、えんぴつの繋がるワークをしたあたりから、うっすらとした違和感があった。繋がっていない。相手から受け取れる情報がいつもより少ない。相手が見えていない。自分の感情が動いていない感じ。心から湧き上がってきていない。そんな不安を抱えたまま、本番が近づいてきた。
それでも友達が来てくれ、仲間と舞台上で準備していると、身体もあったまって純粋に楽しい気持ちが湧いてきた。緊張はまったくなくて、行けるかな?という感覚もあった。
何にも出てこない!
1回目のシーン。関係性と最初のオファーまでは順調だった。でも、そこで止まってしまった。相手が見えず、相手からの情報が受け取れず、何も出てこない。2日目までが順調すぎたのか、下ネタになりそうなワードを思わず発してしまった自分に検閲が入ったか、この3日間で初めての感覚。
結果、うつみくんのディレクションと、相手役の人の気持ちから生まれた愛情あふれるオファーに救われて、最後は落ち着くことができた。
2回目のシーン。相手が高いテンションで入ってきた。のっけからもう事件が起きている。事件をさっさと決めればいいのに、お互いに何も出てこなくて二人でアワアワ。事件=火事だと決まってもやっぱりお互いに何も出てこなくてアワアワ。お互いにテンパりまくってる(シーンも中の人も)ことがもはや笑えてきて、多分一緒にめっちゃ楽しんでて。最後は自分が飛び込んでDie、という、人生でやったシーンの中でもトップクラスに無意味なシーンができあがった。めちゃくちゃ楽しかった。
ただ、前がシリアスだったりして劇場の空気が落ち着いていたなら、このシーンを作れたことはショーとしては満点だったと思うけど、全体がFunな笑いに満ちていた中では、もう少し違う方向性に行けたらなという後悔もあった。
楽しむことはできた。だけど
3日間を共に過ごした仲間とのショー。
上手くいったかといえば、上手く行ってはいない。
納得しているかといえば、納得はしていない。
でも楽しかったかということについては、間違いなく楽しかったといえる。
お客さんもとてもあったかくて、仲間もずっと楽しそうで、他の人のショーを見ている時もずっと笑ってたし、自分の中にも楽しい気持ちはずっと切れることなくあった。心から。
「うまくやろう」という気持ちに囚われることは本番も通して3日間ただの一度もなくて、それは自分の成長かなとも思う。
だけど、やっぱりもっとシーンを面白く出来た、Funだけじゃなくてinterestingなシーンも作りたかった、っていう思いはすごくあって。
interestingなシーンを作るために学んだこともほとんど何も使えていなくて、満足感よりも、「うまくなりたい」「相手ともっと一緒に高みに登れるようになりたい」そういう悔しさが残った、っていうのもまた事実だったりする。
仲間を信じること
3日間通して、仲間の魅力的な部分がたくさん見えた。個性もめっちゃ爆発してて、ずっと笑いが絶えなかった。ゲームでも、シーンでも、笑っていた記憶しかない。
そんな仲間にまるっと自分を委ねる強さ。自分にはまだそこが少し弱いように思った。
自分の弱さはさておき、仲間には本当に恵まれた。うつみくんの場づくりのおかげもあって安心して関われたし、もっと皆とやりたかったという飢えをイイ感じに残して3日があっという間に終わった。
来てくれたお客様も含め、みんなに本当に感謝。また会いましょう。