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あなたに出会えて良かったと言われるためには

患者さんからタイトルの言葉をもらったことはありますか?

医師、看護師はよく言われる印象がありますよね。
外来の患者さんから「××先生(医師)のおかげで良くなったのよ~」なんて言葉はよく聞きます。

もちろん逆もあります。
「あそこの先生は全然ちゃんと診てくれない」「あの看護師さんは冷たい」のような。

つまり医師、看護師は良くも悪くも顧客からの評価対象になっているわけです。 
医師や看護師が良い評価を受けるのは、彼らの腕が良いからです。(逆もしかり)  

では薬剤師が評価の対象になりにくいのはなぜか
評価の対象となるにはどうすればよいのか、について考えてみます。


実はこれ、仕事の裁量の多寡と大きな関連があります。

つまり、薬剤師が評価の対象になりにくいのは、その仕事の裁量が少ないからだと思います。
裁量が少ないということはすなわち腕を振るう機会も少ないのです。


いわゆる対物業務中心の、薬を渡すまでの業務だと仕事の裁量が少なく、誤解を恐れずに言うと顧客目線では”誰に薬をもらっても同じ”なわけです。

一方で対人業務にシフト、薬を飲んだ後のフォローに取り組むと”あの人にみてもらって良かった(悪かった)"と評価が生まれます。

なぜなら対人業務、服薬後のフォローには薬剤師個々の裁量が大きく関わるからです。

裁量とは、薬剤師個々の持つ知識・技能・態度を基礎とした判断(行動)や判断力(行動力)のことです。

例えば、ポリファーマシー疑いの患者さんの処方内容を整理するシチュエーション。
PPIを10数年に渡って服用しているが、潰瘍の既往も抗凝固剤の併用もない。
尚且つ、消化器症状がなく食欲充分。

ここでPPIの長期服用が骨折リスクを向上させることを知っているかどうか。あるいはそれを知っている上で継続するベネフィットと中止した場合のリスクをどう捉えて患者さん個々に適用するか。
さらにはこの情報をどのように医師や他職種に伝えて理解を得るのかといった部分に薬剤師の裁量があるのです。


先日KAKEHASHI×PHB Design共催セミナーで改正薬機法で改められた、服用期間中のフォローの義務化について印象的なお話が紹介されていました。

義務化とはいえ、フォローが必要かどうかの判断は薬剤師に委ねられています
厚労省からは、「どの患者が対象になるのか」という問い合わせは止めるよう事前に発信がありました。
フォローが必要かどうかの判断は薬剤師に委ねるという裁量権が改正薬機法には宿っているのです。

裁量と責任はある意味でトレードオフの関係にあります。
一歩踏み出すことで失敗するかもしれません。
でも、ここを一歩踏み出せば景色は一変するはずです。
あなた自身の行動と結果が患者さんや地域に影響を与えます。

地域医療をよりよくするためにはあなたの力が必要なのです。

ありがとうございました!

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橋本倫季(Tomoki Hashimoto)
いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。