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服薬後のフォローを始めると起こる薬剤師の生活の変化とその対応①

今日は薬を渡すまでではなく、渡した後をフォローし始めた時に薬剤師自身の生活に起こる変化とその対応方法について書きます。
薬を渡すまでの仕事だと、薬歴を書いてしまえば一旦完結します。
一方で渡した後をフォローすると、仕事の終わりが無くなります。少し極端かもしれませんが、患者さんが生きている限りフォローは続くのです。
薬歴や報告書に書く内容も、薬を渡すまでの作業の記録から、渡した後に(服薬後)患者さんにどういう変化が起こるかという未来の予測に変わります。

先に断っておきたいのは、僕は医療者の自己犠牲的精神を推奨しているわけではなく、可能な限り週休2日以上取るべきだし取れないのであれば業務内容に問題があると考えています。実際僕は残業していませんし、週休完全2日です。

誤解を恐れずに言えば、僕たちが今より楽をする手段を講じないとこれからの地域医療は支えきれないと感じています。

各種医療改革のコンセプトとなるキーワード、選択と集中というやつです。

僕はプライベート用の他に社用(僕専用)のスマートフォンを持たせてもらっています。
やり取りをする相手は主に医師、看護師、薬局パートナーです。
他には各種社内のメールのやり取りや、その気になれば文書作成やスライド作成もできるためかなり重宝しています。

一方で、今まで薬局を介していた連絡の一部がスマホに来るようになるので始めは大変でした。
これについても整理と他職種からの理解が必要です。

薬局によく来る連絡の内容は以下です。
看護師、ヘルパー
薬の切れ日の確認
外用剤の処方依頼
ADL低下や何らかのイベントによる服用困難で粉砕しても良いかの確認
施設からの新規契約や退去にまつわる事務連絡
緊急性は比較的低いが薬の副作用が疑われる症状に関する相談
次回の診察時に提案したい内容の相談・摺り合わせ
入退院の連絡

医師
処方変更に関する相談 採血結果に伴うものや副作用が疑われるものを含む

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これらを以前ご紹介した図を使って整理、薬局パートナーとタスクシェア・シフトします。
同時に他職種に対しての説明と理解を得ます。

結論からいうと、

緊急性は比較的低いが薬の副作用が疑われる症状に関する相談
次回の診察時に提案したい内容の相談・摺り合わせ
ADL低下や何らかのイベントによる服用困難で粉砕しても良いかの確認
処方変更に関する相談 採血結果に伴うものや副作用が疑われるものを含む

これら以外は薬局に連絡、薬局パートナーに対応してもらうようにしています。
また、他職種とのやり取りにも医療用SNSを導入しました。
そうすると休日に電話が鳴ることはほとんどなくなりました。
他職種には口頭で説明してもなかなか上手くいかないこともありますが、薬の切れ日の問い合わせを僕にしたところで全く把握してないので結局薬局パートナーに対応を代わってもらうことになるのでそのうち僕には問い合わせが来なくなりました。(ダメ人間)

加えて、服薬後のフォローを始めると上述のように他職種からの服薬後の状態に関する相談も増えますし、外来対応中であろうが会議中であろうが、はたまた休日でも仕事はある意味で続いていることになります。
もちろん休日中に、昨日出したフロセミドがちゃんと効いてるかなぁなどと四六時中ソワソワしているわけではありませんが、脳の片隅には在りますし、実際問い合わせがあれば脳をオンにして対応する必要があります。

ここで自分のプライベートと仕事の切り替え、オンオフの切り替えについて再考しなければ、下手をすると脳が疲労困憊してしまうわけです。
僕は元来そこまで器用な方ではありませんし、出勤中の電車の中で徐々に気持ちを切り替えて行って、職場で制服に着替えてやっとオンになるタイプだったのでなかなか慣れませんでした。

明日はこのオンオフの切り替えに関して、僕が再考して実践している内容について書いてみます。
繰り返しますが薬剤師が消耗しては患者さんは良くなりません。

今日もありがとうございました!

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橋本倫季(Tomoki Hashimoto)
いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。