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初めての訪問前に準備する事

今日は僕が在宅患者さんを初めて訪問(初診)するまでに考えている事を書きます。

初回の訪問や診察に臨むまでに、いつもより時間をかけて準備しておくようにしています。
なぜなら初回の訪問や診察では、その患者さんの今後の治療方針が決まる大切なタイミングだからです。

1)情報を集める

とにかく手に入る限りの情報を集めます。
初診の際に薬剤師だけが知らない情報があるために、医師・看護師とのディスカッションに上手く参加できないことは少なくないのではないでしょうか。

具体的には、ケアマネやクリニックや訪問看護が持っている情報を共有してもらいます。
この時大事なのは、ただただ下さいと言うのではなく、患者さんの治療に役立てたいと言う理由を伝えておくことです。いらぬ不和を生まないためにも、今後の継続的なお付き合いのことを考えても必要な一言だと思います。

2)情報を読み解く(生活面)

患者さんの既往や処方内容はもちろん、ご本人やキーパーソンの生活背景を読み解くようにしています。

例えば、現住所の情報はこのように読み解きます。
ご本人は隣県在住で、大阪の施設に入居予定。ファーストキーパーソンの長男が大阪在住。セカンドキーパーソンの長女がご本人と同じ隣県在住の場合。

おそらく現在ご本人は長女の介護や支援を受けていて、認知機能の低下やADLの低下により施設入居を決めた。
というような推測をします。

契約や初診には長男が同席予定の場合、ご本人の普段の様子やこれまでの細かい治療経過を聞けない可能性があります。また、今後のお看取りの方針決定に関しても、長女と話し合ってから決めていただく方がより患者さんのためになるのだろうなと考えます。

他には、ご本人の趣味嗜好、旦那さんや奥さんとの関係(男性の場合は特に奥さんと死別したことが認知症の増悪につながっている場合が多い)、寝起き等の生活習慣から様々な事を推測します。

3)情報を読み解く(治療経過)

既往や検査値、今後の生活環境を踏まえて、処方内容を1剤ずつ読み解いていきます。
ご本人にお会いするまでは、これだ!という方針を堅めることは難しいのですが、下準備をして当日に備えます。
具体的には、薬剤師として処方を継続する事が妥当なのかどうかを考えておきます。既往のない鎮痛剤や消化器系薬剤、複数処方された睡眠薬などは減量のプランを立てておくと、初診の際に提示しやすいです。

処方意図が不明なものについては、前医や入院先の薬剤部に問い合わせを行うこともあります。

また、初回の訪問に先立って残薬を確認しコンプライアンスを評価することで、飲んでなくても上手く行っている薬を炙り出してポリファーマシーを防ぐこともできます。逆も然りです。

僕のチームの場合は薬局パートナーが残薬を回収してくれるので、その内容を確認しています。

4)チームへの情報共有

ここまでのステップで評価した内容を事前に医療チームに共有しておきます。方法は口頭でもFAXでもメールでも良いと思います。

残薬の数と初診時の処方日数を一覧に記載したものに、評価内容と提案を併記して情報共有しています。薬局の採用薬で処方依頼をかけておくと、無駄な在庫や疑義を減らすことができます。

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今回ご紹介した内容はごく一部です。
在宅へ移行するということは、患者さんのライフステージが大きく変わるタイミングであり、その人の人生にとってとても大事なタイミングでもあります。

この大事な人生の節目を任せていただいていることを胸に、プロとしてあらゆる想定をしておく。"引き絞られた弓"のような態度で初回の訪問に備えておく事が大事だと考えています。

まだまだまだまだ経験が足りないのですが、その時その時の自分なりのベストを尽くしていきたいと思っています。

ありがとうございました😊


いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。