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それって薬剤師の仕事なの?刈谷先輩サイド

今回は主人公の先輩である刈谷さんにフォーカスしたいと思います。

患者さんの困りごとを自分ごととして突き進んでいく主人公に対し、「あんたが半日かけて稼いだのは3250円」「すべての患者に同じことをやるわけ?」「あんたのやってることって自己満足じゃないの?」などの言葉を浴びせます。


個人的にとても共感しているキャラクターです。
前回、前々回と葵みどりに共感する記事を書いてきましたが、実際のところ僕の中には葵みどりと刈谷さんが共存しています。


刈谷さんの言葉は一聴すると辛辣で、せっかく盛り上がっていたところに水を差すようなセリフです。
しかし冷静に見ていると、極めて重要なことを指摘しています。

彼女が指摘しているのは、いかに医療人として素晴らしい仕事をしたとしても、それに見合った報酬がなければ持続性はなく、属人化してしまうということだと思います。


ある人にしか出来ない仕事は目の前の一人の患者は救えたとしても、再現性がなければ誰も真似ができません。
また報酬がなければ、会社や組織、医療全体として持続性が担保できないのです。


真に地域医療を変えるためには誰もが真似できるようにすることが重要で、これがなかなか難しいのですよね・・。


(当たり前ですが)診療報酬・調剤報酬制度は、社会保険でカバーするに値する価値があるという一定のエビデンスがある仕事に対して対価が支払われるように設計されています。

一方で実際に現場で働いていると、報酬はつかない(見合わない)けれど行っている仕事も少なくないわけです。

例えば在宅の患者さんの処方に関して残薬調整を実施したり、訪問診療同行時に処方提案のような形で相互作用を未然に防いだとしても算定は取れません。

また、今年度に新設された経管投与や吸入薬にまつわる服薬後のフォローに対する報酬は労力に見合わないような気もします。

ここで避けたいのは「報酬がない(見合わない)からやらないでおこう」と考えることです。

上述したように、保健医療というのはエビデンスベースなので、医療者として”本当に患者さんのためになる”と信じるのであれば実績を積み重ねて学会発表や論文化するなりして世に問うことが健全です。(こうやってSNSで発信するという方法もあります)


僕がしきりに”とにかく飛び込んでみる”ことの重要性を訴えるのは、”仮説・検証する前に生悟りして立ち止まっている”のは勿体ないし、それでは何も始まらないからです。

葵みどりの精神性を持って直観的にチャレンジしてみる。
その結果を刈谷さんの頭脳で論理的に分析して、反省し仮説を修正する。
そしてまたチャレンジ。

この往来こそが地域医療を変えうる営みのように思います。
とても地味だったり、失敗して怒られたり苦しい想いもするのですが、同僚や後輩やサークルメンバーが”お前の真似してみたら患者さんが良くなったよ!”と報告してくれたときの嬉しさは喜びもひとしおです。

これが楽しくて薬剤師をやってると言っても過言ではないです。

アンサングな状況をひっくり返していくところにやりがいを感じているのかもしれませんね(変人)。


noteのサークル(オンラインサロン)では、変人になる方法を手取り足取り教えてくれるメンバーが集まっています。
ぜひお気軽に、まずはこのサークルに飛び込んでみてください。
Facebookの非公開サークルにご招待いたします。

ありがとうございました😊

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橋本倫季(Tomoki Hashimoto)
いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。