40名の訪問診療同行を終えて
昨日40名の訪問診療同行を終えて考えたことを書きます。
僕が働いている薬局では約8施設の高齢者向け住宅を担当しています。各施設に対して薬剤師と薬局パートナーで構成されたチームが担当制で業務にあたっています。
僕の担当している施設入居者さんに出る処方は比較的変更が多く、チームの薬局パートナーが対応を頑張ってくれています。(薬局パートナーについて)
今日は改めて処方変更の内訳を観察してみたいと思います。
まずは処方変更の提案の主導者について医師か薬剤師かついて分類してみます。
新規に処方された内服について見てみます。頓服は除きます。
次にそれぞれの薬剤が変更に至った背景について簡単に分類してみます。
新規症状というのは、その診察で新しく認められた症状のことで感冒などの急性症状に対する4剤と下肢浮腫の増悪に対する1剤でした。
薬剤師側の新規症状分類は、1週間前に行った単独訪問で発見した所見・症状について処方の提案を行ったものです。今回は便秘と高血圧でした。
副作用の疑いによる薬剤の中止については、認知症薬による不穏症状の発現とビスホスホネートによる気分不良でした。
症状改善については、HbA1cの改善傾向が続いていたためにDM薬を中止したもの、抗認知症薬で不穏症状が改善したため、鎮静系の中枢神経系薬剤を減量したものがありました。
こうして改めて分類してみると自分でも面白いですね。
今回のものだけを見ると、医師は診察時に発見された新規の症状に対する処方が多いようです。
一方薬剤師は患者さんの状態や検査値を継続的に観察した情報を元に提案したものが多いようですね。
これは以前もご紹介したように訪問診療の翌週に薬剤師が単独で患者さんをみていることが大きく関係しています。単独で訪問した際に前回の処方薬が効いているかどうか、あるいは効きすぎていないかということを確認しています。その情報を次回の訪問診療までに医師にフィードバックした結果、処方が変更されています。
おそらく単独訪問を行なっていなければ、今回の6剤のうち5剤は提案できなかったと思います。理由は、そもそも提案に足る情報を持っていないことと、仮に変更に至ったとしても、その後の患者さんの状態を(次回の診療まで)みることができないため、提案者として責任が取れないからです。
改めて、医師と違うタイミングで患者さんをみることの重要性を感じますね。
実はその他の臨時処方薬などを含めると約90件の臨時配薬が発生しています。
薬剤師による単独訪問もそうですが、これだけの処方変更と配薬に対応できるのは薬局パートナー(非薬剤師スタッフ)の存在があるからに他なりません。
彼女たちのおかげで、僕は患者さんを良くすることができています。
僕のチームだけでも、これだけの仕事を週3日こなしています。(もちろん定時退社)手前味噌ですが、日々これだけのクオリティのサービスが提供できているというのは、素晴らしいチームだと思います。
また後日この記事を見返すと何か気がつくことがありそうですね。
皆さんのご意見も聞かせてください。
今日もありがとうございました。
いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。