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ビルドアップから見るLiverpool vsManchester city

皆さんこんばんは。今回はアンフィールドで行われた19-20シーズン第12節リバプールvsマンチェスターシティの一戦を自陣からのビルドアップという観点から分析し、この試合から見える両チームの強さの秘密に迫っていきたいと思います。まずは両チームのスターティングメンバーを確認していきましょう。

以下マンチェスターシティのスターティングメンバーです。

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以下リバプールのスターティングメンバーです。

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1.マンチェスターシティのビルドアップ

パターン①:ロブパスでアンヘリーニョへパス

リバプールは開始の守備時フォーメーションは4-3-3でセットしてプレスに行くことが多かったです。またフィルミーノはアンカーのロドリへのパスコースを消しながらGK、CBへアプローチに行っていました。この時にシティが行なったビルドアップの方法は以下の図の通りです。

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まずアンヘリーニョをアウトサイドレーンであり、かつリバプールのFWとMFのライン間にポジションさせます。GKのブラボはエデルソンほどではありませんがプレッシャーを受けても敵FWを越す浮き球のパスを蹴ることができます。ですのでブラボはアンヘリーニョに浮き球のパスを蹴ります。この時重要なのがIHのギュンドアンです。彼はロドリと同じラインまで下がってくることによりブラボのパスコースを増やしています。この動きにより、リバプールのIHのヘンダーソンはギュンドアンのマークに行くかアンヘリーニョのマークに行くか迷いが生じます。この迷いによってアンヘリーニョが縦パスを蹴る時間とスペースが一瞬できるのです。アンヘリーニョにボールが渡るとCFのアグエロが1列下がってきて、アンヘリーニョからの縦パスを受けて、攻撃の起点をつくります。

またロブパスでリバプールのFWを越えるパターンは他にもあります。

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アンヘリーニョがヘンダーソンによるプレスを受けて、ボールを戻さざるを得ないシーンでは、ブラボがプレッシャーラインを越すボールを蹴ります。

パターン②:ロドリを経由した逆サイドへの展開

前半の半ば頃からリバプールは守備時のフォーメーションを4-4-2に変更しています。この時シティはパターン①に加えて別の方法のビルドアップも見せています。それが下の図です。

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アンヘリーニョがボールを持った際に右SHに位置するフィルミーノがアプローチに行くためアンヘリーニョは縦パスを蹴ることができません。そこでリバプールの2FWの間に位置するロドリにパスを送り、ロドリは逆サイドでフリーのウォーカーへパスします(ロドリはFWの間にポジションを取ることで、FWがアプローチに来にくくなります)。また、この①、②のパスでリバプールは左サイドから右サイドへスライドします。ウォーカーはパスを受けた後、ライン間に降りてきたベルナウド・シウバにパスを蹴ります。ライン間で一瞬フリーになったベルナウド・シウバはカットインをして逆サイドでフリーになっているスターリングにサイドチェンジを送り、チャンスを作ります。このシーンのように片方のサイドに敵を引きつけてから、サイドチェンジによりフリーの味方を作り、攻撃の起点となる縦パスを生み出します。

パターン③:ダイレクトなサイドチェンジ

これは中盤を経由しないサイドチェンジです。サイドチェンジによって相手のスライドが間に合わない際に生じるスペースを使って、攻撃の起点を作るというパターンです。

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このシーンではアンヘリーニョはヘンダーソンのアプローチを受けてパスコースが無い状況です。そのためCBにボールを戻して、サイドチェンジによりフリーのウォーカーへボールを蹴ります。リバプールはアンヘリーニョへアプローチに行ったヘンダーソンが開けたスペースをカバーするために左サイド(シティから見て)へスライドしているため、右サイドのウォーカーはフリーになれるのです。しかしこのパターンはリバプールの素早いスライドにより対応され、このパターンで前進するシーンはあまり見られなかったです。

2.リバプールのビルドアップ

パターン①:中盤のサポートを増やして、そこを出口にする

このパターンはシティのギュンドアンが行なっていたものと同じです。ワイナルドゥムがアンカーのファビーニョと同じラインまで下がってきて、パスコースを増やすというパターンです。しかしこのパターンは序盤ほとんどうまくいきませんでした。なぜなら、シティの守備時のフォーメーションは4-4-2で噛み合わせが良くなかったからです。

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デブライネはパスの向きに応じてワイナルドゥムまたはファビーニョのパスコースを消しながらCBにアプローチをします(画像ではワイナルドゥムのパスコースが消えています)。それに加えて、全ての味方に、シティの選手がマークにつくことができるためパスコースはGKしかありません。中盤の選手にボールを繋いでも、すぐにシティの選手がアプローチに来るため、苦し紛れのロングボールを蹴るしか選択肢が無くなり、その後ロングボールの跳ね返りを回収されてしまうことがほとんどでした。この問題を解決したのがパターン②です。

パターン②:偽9番+サリーダ・ラボルピアーナ

パターン①が上手くいかなかったことでリバプールはビルドアップの方法を変えました。

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ファビーニョがCBと同じラインまで下がってくるサリーダ・ラボルピアーナによりCBのパスコースが増えると同時にギュンドアンがファビーニョのマークのために前に出てきます。そのギュンドアンが開けたスペースにCFのフィルミーノが降りてくる偽9番により、フィルミーノはフリーでボールを受けることができ、攻撃の起点となることができたのです。

パターン③:マネの降りる動き

もう一つはマネが中盤まで降りてくるパターンです。

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このシーンではサイドチェンジを受けたロバートソンに対してシティの選手がプレスに来た瞬間にマネが降りてくることによって、マネがフリーとなり前を向いてボールフリーの状態になることができていました。このシーン以外にもマネが降りてきて中盤のパスコースを増やすパターンを確認することができました。

パターン④:ダイレクトなサイドチェンジ

シティと同様のサイドチェンジです。

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これはリバプールの2点目のシーンです。SBのアレクサンダー・アーノルドにボールが渡るとシティはボールを奪おうとボールサイドに圧縮してきます。しかしアレクサンダー・アーノルドは正確なサイドチェンジによってロバートソンへボールを渡します。ロバートソンは迷わず縦へのドリブルを開始し、そこからサラーへクロスを供給し見事ゴールを奪います。リバプールはシティが前線からプレスにくるため後方から細かくパスを繋いでビルドアップを行うとことが困難になるシーンが多くありました。そこでシティがボールサイドへ圧縮してくることを利用して大きなサイドチェンジでフリーの選手にボールを渡してそこから攻撃を開始することが多かったです。

3.最後に

ここまで見てくださった皆様にとって、シティとリバプールは相手の守備時フォーメーションに合わせて様々なビルドアップの型を持っていることは明白だと思います。このビルドアップの引き出しの多さが両チームの爆発的な攻撃力の源だったのです。今回は自陣からのビルドアップに着目してこの一戦を見ていきましたが、これ以外にも見所は沢山ある一戦だったので皆さんも是非見てみてください(縦横無尽に動きまくるヘンダーソンとか)。最後までご覧いただきありがとうございました。






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