「私の人生は私のもの」そう思える人を育てられる教育者の教育者 浦部順子さん
■浦部順子(うらべ じゅんこ)さんプロフィール
出身地:北海道
経歴:1982年出版関連会社の教育事業部に教室運営、主任講師を務める。営業スタッフや新人講師の教育、保護者向け教育教材マニュアル作成および指導などにも携わる。1990年に教室を立ち上げ、延べ10000人以上の生徒指導を経験。
現在は主に幼児教室を運営するUKK代表取締役と日本ベビーコーチング協会の代表理事を務め、教育の現場から講演会まで精力的に活動を続けている。
現在の職業:日本ベビーコーチング協会理事
座右の銘:凛として生きる
Q.どんな夢をお持ちですか?
浦部さん(以下浦部、敬称略):どんな人も「私の人生は、私のものだ」と、アイデンティティを持って生きることが大切だと思っています。
子供たちが「私の人生は私のものだ」と考えられるような子育てができる「お母さん」を育てられる先生を増やしたいと思っています。だから「先生の先生を増やす活動」を中心においています。
時代や手段が変わっても、大切なマインド、このバトンをつないでいけるようにセミナー中心に動いています。
記者:「先生を育てる先生」をどのくらい増やしたいとお考えですか?
浦部:「先生を養成できる先生」は、1000人とかでなくてもいいと思っています。
私たちのバトンを渡せる範囲で渡し、その方たちがまた知識ある素晴らしい先生を増やしてくださればと。
もちろんまだまだ直接ママたちを教える先生も養成しているので、その中から
メンター「先生を教える先生」が生まれていって欲しいと思っています。
私たちが直接バトンを渡した方たちには、ベースのマインドさえ一緒であれば、その先は時代に合わせて形が変わってもいいと思っています。
台湾にはすでに十数年前に声をかけていただきマインドを一緒にしていただける協会に無償でバトンを渡しました。あちらでも私たちと同じマインドのセミナーを開催しています。今もモンゴルやオーストラリアからお話をいただいています。
日本にも、世界にも同じマインドが広がってきているのが本当に幸せです。
記者:こういった活動をするようになったきっかけは何ですか?
浦部:母が割と早く亡くなったことですね。
もともと教育業界にいたものの、親のために生きることを優先していたところがあってやりたいことをやらない選択をしていたんです。母が亡くなった時に、人生のあっけなさを感じて
生きたい場所で生きようと今までの枠を飛び出したところが始まりだったかもしれませんね。
それまでは自分の中の「否定されるのは嫌」、「怖い」っていう気持ちもすごく強かったので
安全なところにいたい気持ちが強かったんです。実は、若い頃に出版の依頼があったのですが、
出版って名前が売れる反面、否定する人も絶対でてくる。というのが怖くて
お断りしてしまったんです。
当時の私は自己肯定感があまり高くなかったので
「私なんかが?」「とんでもない!」と思って。
最近は1人でも自分のことを好きって言ってくれる人がいたらいいかなって思えるようになったんですね。
地球上のみんなと仲良くなるわけじゃないし(笑)
記者:「否定されるのは嫌」を手放せたのはどうしてですか?
浦部:発達心理、交流分析などの学びとそこで出会った素晴らしい先生や仲間のおかげですね。
記者:何がきっかけで自己肯定感と向き合えたのですか?
浦部:私には尊敬するスーパーバイザーがいるんですけど、
その方の講座に参加した方々がすごく変化していくのを目の当たりにしたんです。
そこで私自身その方が開催する交流分析の講座に参加して
その時に自己肯定感が低いことに気づきました。
向きあえたことで、そんな自分も認めた上で進んでいけるようになったと。
そして学びの中でスーパーバイザーの指導や講座の進め方、知識の深さに本物を見ました。
そして「私も本物になっていきたい」と思うようになり、インストラクター資格をとって
活動するようになりました。
記事:今一番伝えたい講座はどんなものですか?
浦部:先生のスキルを高める講座も実施しているのですが
一番伝えたい講座はやはりマインドの講座です。
私がそうだったように、人はみんな小さいときに身につけた生きづらさのような
コミュニケーションの癖を持っています。
それは大人になってもなかなか消えないもの。
でも豊かな人生を送るためにそれをどう勇気を持って変えていけるのかを伝えています。
そして子育て人育てにおいて、どういう風に声をかけたら相手が楽になるのか、
我が子にそんな生きづらさを(インナーチャイルド)を作ってしまわない声かけの仕方といった
ことを身につけるためにコーチングもプラスして、オリジナルの講座を実施しています。
今、叱らない子育てが流行っていますがその中でコーチングのスキルとして
「共感してあげましょう」「傾聴しましょう」ということがよく言われています。
でもこのことから困った問題も起きているんです。
コーチングは万能じゃない、ティーチングも必要だしアドバイジングも必要になることもある。
ということが抜け落ちてしまっているんです。
真っ白な子にコーチングしてもそれはただのわがままということです。
例えば以前こういうことがありました。
横断歩道を渡っていたときに子どもが傘を振り回してその水が私の友人にかかったんですよ。
もし記者さんがお父さんだったらどうすると思いますか?
記者:子どもに注意しますね。
浦部:それがそのときのママは、叱ったりしなかったそうなんです。
「それがしたかったのね」と共感をするんですよ。
「こんなとこで傘を振ると人に水がかかるからダメ」とは叱らないで、
「傘がふりたかったのね」って。
きっと、このママは「共感してあげましょう!」という子育てコーチングの言葉を
鵜呑みにしてしまっていたんだと思うんです。
友人は謝りもしないその親に腹をたてるというより呆れたそうです。
言われたことをそのままに、飲み込んで、そこに「なぜ」がない。だから悪影響が起きることにつながることもあります。
愛を持って叱ることによって考えるし、わかちあえる。それも日本人のよさだと思うんです。
世俗的な教育論に振り回されてほしくないですよね。
そこで、このままじゃまずい、という思いが一致して
日本ベビーコーチング協会をつくることになりました。
先生たちがそういった教育を教室でできるようなコースも作りました。
そこで交流分析やコーチングなどの裏付けがあるものをきちっと教えています。
記者:座右の銘は?
浦部:「凛として生きる」ですね。
嫌われようと好かれようとちゃんと自分を持つことを大切にしたいです。
昔はすっごい人の裏を見てました。今はある種の「鈍感力」がついて、すぐ人を信じるし裏を見なくなったんです。
いいと言ったらいい、嫌って言ったら嫌。以上終了って思うようにしたらいろんなことに気づきました。
私は自分に嘘はつかない。
本質的な部分で自分に嘘はつかない、それが座右の銘の理由です。
少なくとも10年は凛として頑張ろうと思います。あとは次世代にお任せしようかな。
記者:読者の皆様に一言お願いします。
浦部:「あなたはこの世で唯一無二の大切な存在」それをどんな人にも伝えたいです。
それは子どもだけでなく、私たち自身も親も先生もです。
見栄とか、周りの目じゃなくて、その子が幸せに生きられるように自己決定・自己責任で生きられる力
=アイディンティティを持って、自分の人生のスイッチを押せるような子育て・人育てをできる
指導者や親でいるために、
あれこれ口をださずに、それが本当にその子が自己決定、自己責任としての生き方なら応援する!
たとえ失敗をしても「あなたは大丈夫!あなたはあなたのままでいい」と信じ認め続けられる
親や先生でいたいですね。
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浦部順子さんの情報はこちら
アメブロhttps://profile.ameba.jp/ameba/babycoaching
日本ベビーコーチング協会
http://babycoaching.net/
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【編集後記】
今回インタビューの記者を担当した帆足、森です。
長年教育の現場で活躍されているお話を聞いてママさんへの思いをひしひしと感じました。
これからのご活躍を期待しております。
この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36
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