何となく数学の話を~連続、一様連続、リプシッツ連続
数学の授業で、例えば「$${y=x^{2}}$$はなめらかな曲線を描くけど、『連続』ってどういうこと?」みたいな感想を抱いた方もいるのではないでしょうか。
理数系や経済学科の数学では、解析学の初歩で「連続」とは何かについて学びます。
そこで使われるのは、$${ε-δ}$$論法というものです。
$${ε-δ}$$論法において、
「任意の正の実数$${ε}$$に対し、ある($${ε}$$と$${a}$$に依拠する)正の実数$${δ}$$が存在し、関数$${f(x)}$$が$${x}$$軸上の任意の点$${a}$$に対し、$${|x-a|<δ}$$のとき$${|f(x)-f(a)|<ε}$$を満たすとき、関数$${f(x)}$$は連続である」
と定義します。
例えば、$${f(x)=x^{2}}$$のとき、$${|x-a|<ε}$$ならば、$${|f(x)-f(a)|=|x^{2}-a^{2}|}$$ですから、$${|x^{2}-a^{2}|=|x-a||x+a|<δ|x+a|}$$です。
ここで、$${δ|x+a|=δ|(x-a)+2a|}$$とできます。
$${δ|(x-a)+2a|<δ|δ+2a|}$$、ここで三角不等式より、
$${δ|δ+2a|<δ(|δ|+|2a|)=δ^{2}+|2a|δ}$$
$${δ}$$は$${ε}$$と$${a}$$に依拠するので、
$${0<δ<{-|a|+\sqrt{a^{2}+ε}}}$$として、$${δ=\dfrac{1}{2}(-|a|+\sqrt{a^{2}+ε})}$$とおけば、
$${|x^{2}-a^{2}|<ε}$$が成立します。
なので、関数$${f(x)=x^{2}}$$は連続であることが言えました。
また、「一様連続」という概念もあります。
これは、「関数全体の変化による差が全体的に均一であること」、
すなわち
「任意の正の実数$${ε}$$に対して、($${ε}$$にしか依拠しない)ある正の実数$${δ}$$があり、$${|x-y|<δ}$$ならば関数$${f(x)}$$上において$${|f(x)-f(y)|<ε}$$が成り立つ」
ということです。
ここで一例として、$${f(x)=\dfrac{1}{x}}$$が一様連続かどうか見てみましょう。
$${|x-y|<δ}$$、$${|\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{y}|<{|\dfrac{δ}{xy}|}}$$です。
ここで、$${δ}$$は$${ε}$$にしか依拠しませんので、$${xy}$$が$${0}$$に近づけば、$${\dfrac{1}{|xy|}}$$は限りなく大きくなります。
ここで$${δ=ε}$$とおいても、$${δ=\dfrac{ε}{10^{10}}}$$とおいても結果は一緒です。
なので、任意の$${ε}$$でこの不等式が成立することはありません。
ですから、$${f(x)=\dfrac{1}{x}}$$は一様連続ではない、といえます。
最後に、「リプシッツ連続」という連続性があります。
簡単に言うと、「関数の任意の点同士を結んだ直線の傾きがある正の定数以下である連続」です。
すなわち、
「ある$${L\geqq{0}}$$に対し、関数$${f(x)}$$上の任意の二点$${x,y}$$があり、$${|f(x)-f(y)|\leqq{L|x-y|}}$$が成立すること」
です。
リプシッツ連続ならば一様連続であり、一様連続ならば連続ですが、逆は言えません。
ここまで自分の勉強のため、おぼつかない理解ですすめてきましたが、間違っていたらすみません。