所変われば興味も変わる。
TCSには月に一度、教員が企画をして子どもを巻き込み、面白いことをしよう!というBig Wednesdayなる企画があります。
(映画のタイトルらしいですが見たことはありません。)
今月はあまりにも渋すぎて人が集まるかどうか。。。とは思っていたものの、やはり行きたいところに巻き込みたい!ということで
題して「弘法大師の秘宝三昧」ということで、今、東京国立博物館で開催されている特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」に行ったときに考えたことを書こうと思います。
実は「空海」に関して名前はしっていたり、松岡正剛が好きだったり、なにかすごい人なんだなーということは知っていたものの、詳しく調べることはまったくありませんでした。
今回は、子どもたちと見に行くということで今まで気になっていた空海のことを調べてみると、「突き抜ける」人であったようです。
(一応断っておきますが、仏教徒ではありません)
空海を知る上でなかなか良かったのが下の二冊。
特に一冊目は、今回の「東寺」の展覧会に即して作られたMOOKでこれを読んでから行くと展覧会の面白さは五〇倍くらいになります。
我執と認知バイアス
そして、今回のタイトルに書いた「我執」に関しては二冊目の本、「空海に学ぶ仏教入門」で登場しました。
「我執」は読んで時のごとく、「自分」に「執着」すること。仏教はそれを取り除くことを目的として修行していく、ということでした。
なるほど、ここはやはり認知バイアスにつながってくるなと感じるところです。
種類を挙げてしまうとキリがなく、どんなこともこの「我執」につながってしまうような気がしてくるので、今日の出来事を書こうと思います。
こんなこと、よくありませんか?
「始めはつまらなそうと思っていたけど、やってみたら、案外面白かった」
ということ。
これは「単純接触効果」の裏返しとも言えます。
単純接触効果
食べ物に限らず人の好き嫌いは、実は、どの程度その対象に触れているかの影響を強く受けてしまいます。
例えば食べ物の好き嫌いは、もちろん味覚もあるのですが、味覚自体も今までの接触効果によって影響されてくるのです。
そして、知らないことにチャレンジするときにはなかなか尻込みをしてしまうのも、接触回数が皆無に近いからと言えることもできます。
しかし今日は、我執でもあり、我執でもないような事が起こりました。
今日の外出で起きた我執な展開
今日起きたのは、お昼を東京国立博物館の中庭の芝生でとったあと、気持ちよく子どもたちが遊んでいて、「じゃあそろそろいくかなー」となったときでした。
当然のことながら起こってくる声は「もっと遊びたい!」
人は自分がいつもしていること、好きなこと、そしてそれをしたいと思う欲望に忠実ですよね。
今日の我執ではなかった展開
そして反対に、遊んでいる子どもたちの中で抜けていた子たちがトイレから帰ってきました。ちょうどいいタイミングだったので、
「さぁ、行こうか!」
と全員で法隆寺の宝物殿に向かいました。
切れ目があったのでそこに入った。というそれだけな感じではありましたが、そこからあれよあれよと、法隆寺の宝物殿へ。
法隆寺の宝物殿では「お気に入りを見つけよう!」ということでたくさんの国宝級仏像を味わいました。
どちらの展開もよくあること
小学校1〜3年生の子たちが、仏像三昧な1日を楽しんでくれて、良かった。そして自分自身としても美しい仏像の数々を目にすることができてよかった。
振り返りでも、午前の東寺と午後の法隆寺で半々くらい、面白かった、印象に残った仏像を挙げてくれました。
周囲の状況や文脈が変われば、人の興味や好き嫌いも変わるのではないか?そんなふうに思った1日でした。