手軽なプログラミング学習ツール(2) 「Swift Playgrounds」
Codemonkeyはウェブブラウザーを使ってプログラミングを学ぶことのできるツールですが、
プログラミングを綿密に仕組まれたステップで学ぶことができるため、学びの効率は高い反面、
学習できるプログラミング言語がCoffeeScriptと、現実では利用されていないプログラミング言語を学ぶことになってしまったり、有料だったりと、両刃の剣であることを、以前ご紹介しました。
今回は、みなさんにSwift PlaygroundsというApple社が開発しているプログラミングを学ぶ「遊び場」のアプリをご紹介したいと思います。
概要
Swift Playgroundsは、ちょっとしたプログラムを書いて実行する、いわば「お試し」をして遊ぶためのプログラミングアプリです。
実はMacのXcodeなどで実行することのできる「Playgrounds」と同じ機能を持っていて、Swift言語自体はiOSやMacOSなどで動かすことのできるアプリを開発することができます。なので、「お試し」といえど、多くの人が利用しているiPhoneやiPadで実行できるアプリを作ることもできる拡張性の高さを備えています。
学習の経路:★★★
Playgroundsには、「ストア」のようなものがあり、学びたい・試したいコンテンツをダウンロードして実行することができます。
その中に「コードを学ぼう」の1〜3が収録されています。
上の写真のように、左側にSwiftのプログラムを書いて、右で実行結果を見ていくことができます。実際にSwift Playgroundsのコンテンツは
1.すごく簡単な「命令と実行」の概念から、「関数」「forループ」
2.「変数」「型」「初期化」「パラメータ(引数)」「ステージの初期化」「配列」
3.「座標」「タッチイベント」「イベントハンドラ」「すべてのまとめ」
といった具合に、一つのゲームアプリやアニメーションを作り切るところまですべてSwift言語でプログラムを書き、ステップバイステップに学ぶことができます。
一人での学びやすさ:★★☆
一人での学びやすさですが、解説が重要なポイントでは細かく書かれており「読めばできる」という構成になっています。
しかしながら、上記を見て分かる通り「漢字が多い」ことが玉にキズです。
小学生中学年段階でこのレベルのプログラムを学んでいきたいところですが、文章を読めばわかるにもかかわらず漢字が読めない事象が起こってしまう可能性が高くあります。
みんなでの学びやすさ:★★☆
基本的には一人で学び進めていくアプリですが、「共同制作」という機能があります。apple IDを持っていさえいれば、なんとリアルタイムで共同制作を行うことができます。
チームに分かれて一緒に解読していきながらプログラムを書くことができます。バグを見つけるときも一人よりも二人のほうが見つけやすいため、複数人でプログラミングをして学んでいくことまで考えられているのです。
学習するプログラミング言語:★★☆
Swift言語の良し悪しに関しては議論が分かれるところですが、やはりユーザーが最も多いiOSのアプリケーションを制作できるプログラミング言語を学ぶことができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
さらに、今人気のマイコンボード、micro:bitと接続することも可能です。いつもはJavaScriptやPythonで動かしていたmicro:bitは実はSwiftでも動かすことができます。
ただ、Swiftは完璧にプログラムをテキストで書かねばならず、その点でエラーが起きやすい言語です。エラーなども教えてくれますが、細かいところに注意して何度も根気よく直さねばならないので若干負荷がかかるのも事実です。
価格:★★★
Apple IDを持ってさえいれば無料です。学習コンテンツも無限にDL可能です。
そう、お金はかかりません。
総合: ★★★★☆
以上から、共同制作も、個人制作もどちらも向いているSwift Playgroundsで、教育向けコンテンツとしては申し分のないツールです。
一つ、難点を上げるとしたら「iPad」を使うしかない、ということ。公立の中学校、小学校でiPadを導入できない場合には利用が難しいでしょう。
Appleは学校向けの管理者コンソールがあったり、教育にも力を入れている模様。これからどんどんAppleが使われていくといいな、と願っています。
共同制作は、Glitchのみならずこちらにも波が来ているのですね!