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限られた材料でいろいろすることの面白さ

「つくる学び」は面白い!今回は、つくる学びの面白さはどこにあるのか、について考えたいと思います。

小さい頃の経験

私も小さい頃、家にあるガラクタや箱などをつかって、親から見れば「謎のオブジェクト」をよく作っていました。

更にそれに加えて、「レゴ」で遊ぶことも大好きで、一人っ子であった私は毎日のように手を動かして、こちょこちょしながら「つくる」ことをしていました。

自由研究も、「これは研究といえるのか?」と思ってしまいますが、

渋谷にあった「こどもの城」に、母親に連れられ、自由研究として木工で「マジックハンド」を作ったり、「刀」をつくりました。

さらに、植木職人だった祖父の家に夏休みに遊びに行った時、「竹とんぼ」の作り方を教わった記憶が今でも鮮明に残っています。

じつはあまり祖父と話したこと、内容は覚えていないのですがこの「竹とんぼ」だけは鮮明に残っているのが今も不思議です。

ガラクタや箱でつくったガラクタリミックス

ティッシュペーパーの箱、ストロー、セロテープ、ハサミ、トイレットペーパーの芯。

身の回りにあるいらないもので、ガラクタをリミックスして自分なりの「車」や「船」、「ロボット」などを作っていました。

今思い起こすと、「使えなくなった電池」を使って「デンチマン」と名付けて変なロボットをつくることはよくありました。(若干危ないですけどね)

あるものを組み合わせてつくるリミックスはすごく小さい頃からやっていたようで、「いつもいつもこちょこちょなんかしてたよね」と今でも言われます。

遊びのマンガ

そのとき、いつも熟読していた漫画がありました。それは、父からもらったもので(多分父がもともと読んでいたもの)「遊び道具を身近なものでつくる」という趣旨のものでした。

髭面で黒縁メガネ、バンカラな格好をした主人公がマンガの中でいろいろな遊びを紹介していて、

特に覚えているのは、

「針金鉄砲でゴキブリをやっつける」(針金でこんな強力な鉄砲を作れるのか!)

「手笛で鳩を引き寄せる」(「ホ~♡」という漫符、鳩を呼び寄せられるのか、なんか面白いな)

「樟脳の切れ端を牛乳パックの後ろにつけると、船みたいに進む」(樟脳ってなんだろう?)

以上の3つでした。なかなかタイトルが思い出せず、内容しか出てきません。

父親も小さい頃に読んでいたようで、私が熱心に読んでいるとさらにぼろぼろになっていつの間にか捨ててしまわれていました。(残念!)

こういうものもあったのですが、やはり「あるものでつくる」しかなかったので、その範囲の中で近づけるものを遊びながら、「こんな遊びもしてみたいな」と思ってよく読んでいました。

今だったら、この本でしょうか。

安全に危険なことをするのも難しくなってしまった今だからこそ、こういったものに改めて焦点があたるのも面白いですね。

レゴの面白さ

レゴもずっといじっていました。親戚の家からレゴを大量に譲ってもらい、それで無限に遊ぶ毎日。暖かいホットカーペットの上で寝転がりながらよくレゴをいじっていました。

レゴも、「つくる」行為としては面白いものです。

だけど、なかなか思い通りのものを作れず、「とりあえずこれでいいや」というものを作っていた記憶があります。

レゴは他のものと組み合わせるのが難しかったり、レゴだけでつくるにはそれ相応のブロックが必要になります。

「つくる」ために必要なものがないなら工夫をすればいいじゃないか、ということで、たまに自分なりのものと組み合わせてみましたが、世界観が違ってしまってあまりそれもしなくなってしまいました。

完成されすぎているからこそ、面白いのですが、レゴの世界の中に閉じてしまった記憶があります。

つくる自由研究

何かをつくる夏休みのイベントは重宝されます。夏休みに工作をすれば、子供の自由研究として子供も楽しそうにしてくれる。

ということで、私も楽しくマジックハンドと小さい木刀を作った記憶が残っています。

ですが、それぞれを作ったい経験はあまり記憶に残っていなくて、

「つくる」系の自由研究で最も印象に残っているのは、

東池袋から乗る都電で行ったどこかの大学の教授が教えてくれる「飛行機のワークショップ」でした。

飛行機をマッチ棒みたいな材料を切って作ったのですが、これがまた先生がやっているようにうまくはなかなかできずじまいでした。

とりあえず飛行機はできたものの、先生のようには難しいな、という強い印象が今でも残っています。

「つまらない」ことは思い出にならない

思い出に残っている「つくる」体験はいろいろあるのですが、

その中のどれも「なんだかうまくいかないな」ということが深く心に残っています。

すんなりうまくいった!ことは、心に引っかからずそのまま流れていくように忘却の彼方に飛んでいきます。

ブロックがあるからこそ、数の力でつくれてしまう。マニュアルで失敗せずに作れてしまう。そんなものが面白いものだと言えるのでしょうか。

逆に試行錯誤や悪戦苦闘の中で引き起こされる「つまる」ことは、頭を悩ませチャレンジすることを誘発します。

すんなり解決、「つまらない」ことは、思い出にならず、

つまり、「つまる」経験が、私達に試練を与え、いい思い出につながるのかもしれませんね。

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山﨑智仁(Tomohito Yamazaki)
ただ続けることを目的に、毎日更新しております。日々の実践、研究をわかりやすくお伝えできるよう努力します。