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初版「勇気を持ちたい仲間への応援歌」 あらすじ連載【14】


 皆様、いつも本当にありがとうございます。


 【14】その夜が来ました。


 誤魔化しの限界でした。耐えられずに部屋で酒を飲みました。酩酊です。「英語が怖い、自信がない...」。独り言が止まりません。そして、「はじめてのおつかい」で前に進めなくなった私はひとり泣きします。恥ずかしながら号泣でした。2年間で2度泣くことになるうちの、これが第1回目でした。

 「父さん、母さん...」


 その泣き声を聞いたルームメイト(英語を流暢に話すメキシコ人)がドアをノックします。私は、彼に心を晒しました。きっと、めちゃくちゃな英語であったと思います。でも、必死の、本気の、英語です。


 彼は、私の話、体をなさないその英語を、ずっと黙って聞いてくれました。そして、「日本人のいない街へ行き、旅行の専門学校を卒業する。うん、Tomoならできるよ!」と、背中を押してくれたのです。


 英語に怯え、泣き、何とか向かい、感情が、心の奥底から溢れた感情が「英語」になった夜。私は覚悟を決めました。そして、彼に心からお礼を言いました。


 翌日、大学に通うハーフの別の友人宅へ押しかけ、アメリカ人である彼の母親に祈るようにして尋ねます。


 「おかあさん、日本人のいない町はどこですか?!」


 目の前には、全米地図。


 「う〜ん 今時そんな所ないわよ。強いて言えばここかしら...」


 指差された地点。 アリゾナ州ツーソン。


 そこは、私の留学2年目の地。


 「自立」を教えてくれた町です。



 つづく...


 どうかよろしくお願いいたします

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