[tabinote #8]オリビアと過ごす3日間 ー2日目ー@ペナン島
2日目、僕とオリビアは朝起きるとまずレセプションに延泊をしにいった。
彼女は今日バスでどこかへ行くと説明してくれたが、行き先はよく聞き取れなかった。
僕はマンキービーチというビーチに行くつもりでいたので、そう伝えた。
昨日、観光帰りにナイトマーケットを見つけていて、明日はここで食べようって約束をしていたので、夜戻ってきたら一緒にナイトマーケットに行く約束だけして、お互い別々に宿を出た。
ペナン島で何が一番厳しかったかというと、バスのシステムだ。
どこにバス停があるかわからないし、路線の数が多く、何番がどこを通るのか、全く理解できなかった。
周りの人にどこでバスが乗れるかと聞くと、ある人はあっちだ、ある人はこっちだと言う。
結局、なんだかそこらへんにバス待ちの雰囲気を見せている人の小さな塊の後ろで僕もぼんやりと来るのかわからないバスを待ってみた。
どうやら101番のバスに乗ればいけるらしく、101番のバスには乗ったものの、バスの中には停留所の名前を告げる電光掲示板もなければ、運転手の案内もなく。
地元の人はどこがなんの停留所か分かっているだろうが、観光客の僕にはさっぱり今どこにいるのかわからない状況だった。
そうして、気づいたら僕は終点までやってきたらしく、降りることになった。
そこから少し歩くと、ビーチはあったが、事前に調べていたマンキービーチの風景とは違ったので、別のビーチだと思う。
まあ、別に強いこだわりがあったわけでも無く、僕は単純に海が好きなのでここでも問題なかった。
木陰を見つけてビーチに座り静かな時間を1時間ほど過ごして、体が熱くなってきたので帰ることにした。
先ほど自分が降りた場所に戻り、逆ルートを走る101番を待つことにした。
30分ほど待っただろうか。
そうしてようやく訪れた101番のバスを見つけて、目の前にやってくるのを待っていると、中に一人こちらを見ている人の姿が見えた。
よく見るとそれはオリビアだった。
お互い目があって思わず笑ってしまった。
降りてきたオリビアに話を聞くと、今日はどうやら植物園に行くつもりで出かけたのに、バスが複雑すぎてここに流れてやってきたと言う。
僕もそうだと言って、お互いの似た境遇に何か強い絆が生まれたのがわかった。
僕は今から帰る所だったんだけど、良かったらその植物園に一緒に行っても良いかと尋ねると、彼女はいつもの笑顔で「もちろん!一緒に行きましょう」と言ってくれた。
バスの運転手に行き方を尋ね、教えられた番号のバスに乗って、植物園を目指す。
途中、オリビアが「あ!」と言って、僕の方を向いた。
どうしたのか尋ねると、「今、植物園を通り過ぎた気がする」と言った。
それらしき看板が目に入ったらしい。
僕は運転手の方に近づいて、「植物園はもう過ぎたましたか?ここで降ろしてもらえませんか?」と尋ねた。
しかし、走っていた道は細く曲がりくねった山道になっていて、運転手は次の停留所までは降ろすことができないと言われた。
仕方なくそれをオリビアに伝えて、次の停留所を待ったが、中々止まる気配を見せず、とうとう終点までやってきてようやくバスは止まった。
そして僕らは、ここからまた引き返しのバスを待たなければならなかった。
日本でこんなことをしていたら流石に僕も自分は何をやっているんだろうと思ったと思う。
しかしここは外国だし、僕には時間の制約は一切なかったので、心に余裕があった。
オリビアはあなたを巻き込んでしまってごめんねって言ってくれたけど、僕は本当に気にしていなかった。
そして引き返しのバスでようやく、僕達は植物園に到着することができた。
中に入って、園を回るツアーに参加すると、僕達の他にも観光客の欧米人が3組ほどいた。
現地のマレーシア人が流暢な英語で植物や果物の説明をしてくれた。
僕があまり理解できてなさそうに見えたのか、オリビアは毎回の説明を簡単な英語に直して、僕に説明してくれた。また、あなたは見たことある?食べたことある?と気遣って質問までしてくれた。
彼女のその優しさが僕には嬉しかった。
植物園を後にして、バスで宿の近くまで戻り、ナイトマーケットに立ち寄った。
ナイトマーケットは中央に大きなステージがあり、そこでダンサーなどが踊ったりしている。そしてその周りをいくつもの屋台が囲んでいた。
オリビアがいくつかマレー料理を選び、僕達はそれをシェアした。
オリビアは流暢に英語が話せる。僕はあまり話せない。
時折、オリビアが僕の話たことが伝わっていないなって言うのは、表情を見て感じることができた。
それなのに、彼女はいつもキチンと僕の話を聞こうとしてくれたし、それでも一緒にいてくれたのが嬉しかった。
宿に戻るとお互いクタクタになっていたので、水シャワーを浴びるとベッドに倒れ込むようにして眠った。
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noteには旅の思い出として頭に残っている出来事を簡単にまとめています。