[travel note #40]クリスマスと朝日のアンコールワット
旅をしている最中、ライフイベントをどこで過ごすかは特に決めてなくて、成り行きに任せていた。
旅に出て初めての誕生日はタイのバンコクだった。
そしてクリスマスはこのカンボジアで迎えることとなった。
カンボジアにクリスマスの文化があるのかよくわからなかったけど、タケオゲストハウスには日本人が大勢泊まっていたので、宿泊者と宿のオーナーと一緒に向かいにある大きなホテルの一階に出店していたケーキ屋さんに出向いてケーキを買いに出かけた。
日本で売られているケーキのような繊細さは見た目からしてなかった。
ザ・砂糖、と言わんばかりに甘さが強調された色使いの激しいデコレーションケーキは、みるからに海外でよくあるやつだった。
それを持ち帰って、宿のテラスでみんなで集まって食べる。
日頃あまり飲まないお酒も今日は飲む。
カンボジアは当時350mlのビールが50円で飲めた。
やはり、みんなと集まってワイワイしながら囲む食卓というのが、一番料理を美味しくしてくれる。
旅のこういう時間がとても好きだった。
クリスマスも祝ったことだし、カンボジアでやるべきことはあとは一つだけだった。それはアンコールワットで朝日を眺めること。
どうやら、アンコールワットで望む朝日は美しいらしい。
朝日を見るなら相当早く宿を出なければならない。僕は出発前日にリキシャだけ予約した。
朝4時のシェムリアップはかなり冷え込んでいて、アンコールワットを目指すリキシャの中で僕は毛布にくるまっていた。
アンコールワットに到着しても真っ暗で、持ってきたライトを頼りに道を進んだ。あちこちにライトの光が浮かんでいたので、かなりの人が朝日を眺めるためにやって来ているのだろうとわかった。
そして、何となく、多くの人が集まっているベストポジションらしきスポットを見つけると、僕もそこに陣取った。
先ほどまで真っ暗闇だった空が次第に薄暗い青色に変わり、徐々に明るくなってきた。
そして、アンコールワットの上空に少しだけ残っていた雲の色が青から次第にオレンジ色に変わっていく。
オレンジの空の下にアンコールワットがあり、アンコールワットの目の前に広がる池にはそれが鏡張りとなって写っていた。
美しかった。
僕は何度もシャッターを切ったが、途中でそれをやめると後は自分の目に写すようにその綺麗な景色を眺めて過ごした。
太陽が昇り始めると、先ほどまでの寒さは嘘のように消え去り、僕は羽織っていたダウンも脱いで半袖になって帰路についた。
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