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[travel note #38]アンコールワット周辺の遺跡
アンコールワットを見終えてリキシャの男性と約束した場所に戻ってみると、彼はきちんとその場で待っていてくれた。
僕の姿を見つけると、彼はこっちだと手を振って合図をしてくれた。
僕がリキシャに戻ると、早速エンジンをふかして次の遺跡へと目指して出発してくれた。
アンコール・トムという遺跡もアンコールワットに匹敵するくらい有名な遺跡であった。
巨石でできた寺院の側面に人の顔(菩薩)が彫られたものが見れることで有名だった。
多分、アンコールトムが建てられた時代でも、これくらいの彫刻であればやろうとしたらできたのだろうと想像してみた。
それでも、ではなんのためにそうしたのか?と自分に問いかけてみても、全くその理由は思い当たらなかった。
巨大な仏像を建てて守ってもらおうとした日本人と同じように、巨大な寺院の側面にそうした菩薩の顔を彫って、守ってもらおうとしたのだろうか。
こうした日本にはない文化を目の当たりにすると、世界には本当に様々な文化と歴史が存在しているのだとつくづく感心させられた。
その他にシェムリアップで訪れた遺跡で特に思い出に残っているのが、タプロームだった。
タプロームでは人の手が長いこと介さなかったことで、そこに自生した木々の生命力によって、遺跡の建物が悉く破壊されていた。
木と一言で言っても、日本人が想像するような、まっすぐに伸びた気ではない。
ウネウネとうねりながら、気の根っこは細く放射線状に土を求めて伸びているものや、極太の根が水が流れた跡のように土を求めて、遺跡を破壊しながら伸びていた。
木にはこれほどまでに生命力が宿っているのかと驚かされるほどのエネルギーを秘めているのが、一目で理解できた。
これもまた、日本ではみることのできない、僕たちが知らない「木」の本当の姿だった。
木が成長しようとする力で石で人工的に作られた遺跡も耐えかねて壊されていったのだ。
崩れた遺跡を見ているともったいなく感じたが、所詮人間は自然の前に無力であるということを思い知らされるような、そんな遺跡であった。
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