[travel note #28]一夜にして有名人になる
タイの北部パーイで溶けるような数日を過ごした。
最初ここに到着した時は、一生ここに住めるって思ったけど。
結局、人は何かやることがないと生きていけないってわかった。
数日滞在すると、十分満足して、次に進むことにした。
思い返せばタイの南ハジャイから入国して、北のパーイまで縦断し、大体行きたいとこは見て回ったので、そろそろ次の国に入ろうと思った。
次はラオスだ。
そのために、僕はチェンカーンという場所を目指した。
タイの北東部あたりに位置する場所に、チェンカーン、チェンセーン、ノンカーイ、ルーイと呼ばれる場所があり、パーイを後にして一度チェンマイに戻ってきてから、僕はその周辺を回った。
ここらへんの地域はガイドブックにも半ページしか載ってないような場所で、正直情報が全くなかった。
ただ、情報がないのは旅としてそれはそれで面白い。
情報がないということはそれだけ観光地ではないということだ。
そんなタイの田舎町に着いて、ふらふらと街中を歩いてご飯を探しているだけで、人々から注目の眼差しを受けることになる。
本当に芸能人になったのかってくらい、ありとあらゆる人が僕の方を見ていた。
最初は少し良い気分にもなったけど、次第に注目されることが恥ずかしくもなり、あまり見ないで欲しい気分になった。
それでも、田舎町の人々は優しく、ナイトマーケットはこじんまりとして個人的に大好きになったし、自然が多くてのほほんとしてて、ゆっくりとした時間が流れていて、ここら辺一体は僕の大好きな場所になった。
次にタイを訪れるときは、バンコクやプーケット、チェンマイといった有名な都市ではなく、名も知られていない田舎町を旅して回りたいなって思った。
それくらい、タイの田舎はなんだか古き良き時代を残したような、日本には決してないような、そんな場所だった。