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[travel note #15]マヌエラとプーケット

プーケットのパタヤビーチで数日間、トーマスらと過ごしたあと、僕は一人病院に再診を受けるために市街に戻らなければならなかった。

※喉の調子が悪かったので、病院で受診していた。

プーケット市街の元々泊まっていたiHostelという宿に戻ってきた。

70リットルのバックパックをドミトリーに置いたまま(もちろん許可を得て)パタヤビーチに遊びに行ってたので、この宿に戻らないといけなかったし、僕はこの宿が好きだった。

部屋に入ると、イタリア人のマヌエらという女の子が既に宿泊していた。

挨拶を交わしてすぐに市場にお昼ご飯を一緒に食べにいくことになった。

僕達はお互いに食べたいものを選んで、市場の隣で立ったままそれをお互いにつつき合った。

知り合って5分の相手と飯を共有するのはなんとも変な感覚だったけど、それだけ親近感というか、信頼をしてもらえたのだと思えば嬉しくもあった。

宿に帰ってからお互いの話をして、ここでようやくお互いの素性を知り合った。

あと数日プーケットに滞在したら、バンコクに戻って、そこからイタリアに帰るのだと教えてくれた。

僕も再診のためプーケットに長居しているが、それが終わったらバンコクに向かうつもりだと話した。

プーケットに宿泊した残りの3日間、僕達はずっと一緒に行動した。

バイクを二人で借りて色んな寺院を訪れたり、ご飯はローカルフードを一緒に食べて、ビーチやスラムにも足を運んだ。

いつも僕がバイクを運転して、彼女が後ろに座った。

よく、「トモはNo sense of directionね」と言われたのを覚えている。

ようは、方向音痴ってことだった。

マヌエラはオープンでいつも笑顔で好奇心に溢れた女性だった。

ある日、市場で夜飯を一緒に買って帰る際、ちょっと待ってと言って、ビールを買い足していたので、もうアルコールは十分に買ったよ?と言うと、宿のお兄さんにあげるのよとマヌエラが言った。

そうしてご飯を持ち帰ると、いつもご飯を食べる外に面した共有スペースのソファに寛ぎながらテレビを見ている宿の清掃のお兄ちゃんがいた。

マヌエラは笑顔でその男性にビールを1本手渡した。

お兄ちゃんは感動したのか、お礼にこれをあげるよ!と言って手にしていたおつまみのボールを差し出した。

僕達はラッキーとばかりに飛びつくと、中にはコオロギの素揚げが入っていた。。。

おぉ、僕は当然初めてだったし、マヌエラも食べたことがないと言った。

マヌエラは「トモが食べるなら私も食べるわ」と言った。

タイでは至る所で食材用の虫が売られているのを目にしていたので、いつかは食べることになるとは思っていたが、まだ心の準備はできていなかった。

それでも、ここで食べないと男じゃないと思い、僕は1匹掴んだ。

マヌエラも同じように1匹掴んで、お互い目を瞑りながら口の中に放り込んだ。

噛んでみると、意外に美味しく、僕達は目を開けてお互い何を考えているか理解しあって笑った。

そうして、お兄ちゃんにも美味しい!って伝えると、お酒のあてに何匹かさらにいただいた。

僕一人じゃ絶対にしなかったろうが、マヌエラの好奇心が僕の小さな冒険を後押ししてくれた。

ドミトリーの部屋も一緒だったので、昼は一緒に観光して、夜は色々と語り合って、マヌエラとは本当に濃い時間を共に過ごした。

彼女の英語はイタリア訛りもなく、かと言ってネイティブほどスラスラ話す訳でもなかったので、会話がしやすかったのも、僕が心を許せた大きな理由の一つだった。

またある日、マヌエラと一緒にデパートのモールに行った時、お互いバラバラになってデパート内を散策した後、再会した際に僕に1つプレゼントをくれた。

それはお揃いの腕輪だった。

別に深い意味はない。友情の証だ。

だけど僕はそれが非常に嬉しかった。

それをすぐに右腕につけてもらい、その後切れるまでずっと一緒に旅をした。

旅で旅友に出会うと、もっと一緒にいれたらいいのに、って思うことがよくある。

ただ、一緒に過ごす時間が短いからこそ、濃い時間を共有でき、また一緒に過ごした時間は永遠に心に残るのだろう、とも思った。

Life is a journey !



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