[travel note #18]世界旅に出て最初の誕生日はインド人とタイのクラブだった。
バンコクに到着して、カオサンから程遠い場所で宿をとった。
僕はあんまり喧騒が好きではなかったから。
ドミトリーに入ると、2段ベッドが横並びに5つ並んでいた。
僕は一番奥の窓際のベッドの下を取った。
10人ドミトリーには僕の他に一人泊まっているだけだった。
インド人でいつもクーラーを16度とか極寒に設定して、毛布をかぶって寝てる
時たまドミトリーなのに中から鍵をかけるので、よく閉め出された。笑
彼は毎日僕に話しかけてくる。話題は決まって失くした財布の話。
なんでも財布を落としたか失くしたからお金を貸して欲しいと言われた。
僕は貧乏なバックパッカーだから貸すほどのお金はないと断った。
それでも、毎回、何もなべることができないとか、母親に電話したいとか、インドに帰るチケットを買って欲しいとか、、
そういう割には、毎回結構色々と食材を買った様子のスーパー袋を手に持って帰ってきてた。
3日間ほど彼の嘘に付き合ったところで、彼はチェックアウトして何処かへ行ってしまった。
彼と入れ替わるようにして新しくアディというインド人がドミに加わった。
最初は疑って接していたけど、アディは癖もなく、普通に接することができたので仲良くなれた。
宿に素敵な屋上があって、よく一緒にタバコを吸わないかって誘ってくれた。
僕はタバコは吸わないけど、彼と一緒に屋上に登って、綺麗な夕日をみながら語り合うことが多かった。
ある日、というかここに泊まっている間に僕は誕生日を迎えることになった。
なんとなく、話の流れでそのことをアディに伝えると、彼は驚いたような顔をして僕をみた。
「誕生日になんのプランもないのか!?それはダメだ。今日の夜俺たちと一緒にクラブに行く。わかったな!」
半ば強制にクラブへと行くことになった。
アディはポーランド人の彼女がいて、彼女も一緒に行くことになった。
夕方あたりが暗くなり始める頃に僕達は宿をでた。
電車に乗って座ってると、急にアディがハッピーバースデイの歌を歌い出し、ポーランド人の彼女もそれに乗って大きな声で歌い出した。
クラブはかなり大規模なクラブで、イベントの催しか何かだったのだと思う。
到着してすぐにアルコールの強いお酒をショットで頼む彼女。。。
普段そんなにお酒は強くないけど、踊って汗で出ていくのもあって、何杯もビールを飲んだけど平気だった。
各ブースでアディの彼女が「彼、今日が誕生日なの!お祝いしてあげて!」と声をかけ、大勢のダンスと音と酒に狂った客達に飲み込まれるように祝福された。
夜中の2時ごろ、クラブはお開きになって僕達は大通りへとでた。
アディが今からカオサンに行こうと提案する。
僕は正直疲れたから宿に帰って眠りたかった。
一応、バースデイボーイのいうことを尊重してくれ、アディと彼女だけでカオサンに向かうことになり、アディは僕のためにタクシーを止めて宿までの帰り方を運転手に伝えてくれた。
※結局、運転手は行き先を間違えてちょっと一悶着起きるのだが、ここには書かないでおく。
アディはいつも笑顔で、社交性も高く、誰にも壁がない男だった。
背も高く、イケメンで、ガタイもしっかりしているインド人だった。
優しいし、嘘をつかない。
僕が知っているインド人の中でインド人じゃないインド人の中の一人だ。
彼と屋上で何気ない会話を交わしたあの時間がとても幸せだった。
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