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#半導体について分かったことメモ(2022.5.20更新)


1.日本の半導体シェアは低下

 2000年の半導体売上ランキングでは、東芝、NEC、日立製作所とTOP10に3社の日本企業があった。しかし現在は日本企業の姿はなくなってしまった。

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国別でみると明らかに右肩下がりでシェアが低下している。

 その理由は、投資判断だと言える。日本企業は、総合電気メーカーが一部品として研究開発を行なってきた一方で、現在の大手は専業で(賭けの様な)大きな投資を行い事業を拡大してきた。背景には、意思決定が一日遅れると1億円、2億円損してしまうという特殊な産業であることも理由として挙げられるようだ。

2.日本企業の強み・弱み

【強み】
①素材→世界シェア55%
②製造装置→世界シェア1/3程度


半導体産業は分業化で成り立っている。逆に弱みとして大きいのが、需要(買い手)である。いくら国が積極的にお金を投じても、需要がないと産業として根付かないない。かつては家電メーカーの世界地位が高かったのため需要が支えられていたが、現在は買い手が少ない状況である。(自動車は別として)

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3.TSMC・SONY熊本に半導体工場

✔台湾半導体大手のTSMCとSONYが共同で工場を建設
✔投資総額は8,000億円規模で日本政府が最大半分を補助する

SONYは画像センサーの工場で、TSMCは半導体製造工場である。画像センサーは半導体の一種で光を受けて電気信号に変えるが、ロジック(考える)の半導体とセットで始めて機能する。ロジックの半導体製造が得意ではないSONYは TSMCを側に置くという話を持ちかけたのではないかと予想されている。

4.半導体の薄さ

 半導体は薄いほど性能が良いとされており、一番薄い10mmの大部分のシェアを占めるのが台湾(TSMC)である。今回の熊本工場では、20mm程度の半導体製造が行われるので、SONYの画像センサー及び自動車向けということになる。九州は自動車工場が多いので熊本を建設地として選んだとも言われている。

 今後産業を根付かせるためにはより性能が良い(薄い)半導体をつくるべきだと思う。しかし、半導体は工場ごとに作る薄さが決まっていると言う。従って、より性能が良いものをつくるとなると工場を増やす必要があるのだ。

5.半導体の生産能力

✔自前で設計から製造する会社のシェアが7割
✔製造受託会社(ファウンドリー)のシェアが3割
✔ファウンドリーのシェアNo.1がTSMC

6.現在地

岸田政権の半導体事業に関する戦術、大きな狙いは下記の3点。

出所:WBS(2022.5.20放送分)

今までの半導体の開発方法は以下の通り、板に情報を書き込むスタイル。

出所:WBS(2022.5.20放送分)

これから開発を進める業界の大きな方針としては、以下の通り、サイコロ上にして、上、右、左、下面に情報を書き込むスタイル。

出所:WBS(2022.5.20放送分)

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