綾戸智恵✕宮川純 グローリアチャペル キリスト品川教会 2022年11月18日(金)
ニューアルバム「Hana Uta」では楽曲に合わせて様々なスタイルで演奏しています。バンドも重要な役割を担いました。ですからリリース・ライブはバンドも入った賑やかなものになると想像された方が少なくなかったと思うのですが、二人きり。たった二人でアルバムの曲を中心に演奏します。
綾戸さんはコロナ禍からのリスタートに品川教会を選びました。今回のLIVEは僕やスタッフが仕込んだわけではなく、綾戸さんのたっての希望で行うライブです。2004年に行った品川教会でのライブはWOWOWで放送され大変好評を博しました。あの時はオラシオ”エルネログ”エルナンデス、ジョン・ビーズリー、カルロス・デル・プエルトのトリオでした。その時の印象がとにかく良かったようで、再スタートは是非ここでとなりました。そして、今回も映像を収録します。
今のところその全編を配信やオンエアする予定はありませんが、数曲、ミュージック・ビデオとして配信する予定です。普通、ミュージック・ビデオはリリース音源に合わせて映像を撮ります。しかし、綾戸さんは違います。演奏を同録します。アルバム収録曲ではありますが、違う演奏の作品が出来上がるわけです。それをミュージック・ビデオとして見ていただき、アルバムを購入していただこうという算段です(笑)。斬新だと思いませんか。普通はCD音源を使いますよね、アルバムのプロモーションですから。物事は決めてかかってはいけないな、ミュージック・ビデオはこういうフォーマットだから、などという考えは捨てないといけないなと、今更ながら勉強になりました。
でもまあ、それっていわゆる普通のライブ映像でしょ?と思われる方もいらっしゃると思います。さて、それは作品を見てのお楽しみということで完成をお待ち下さい。こちらはクリスマス頃の配信を予定しています。今回、生でLIVEを観ていただいた方は、ミュージック・ビデオを見たときに色んな気づきがあり、楽しみが広がると思います。僕も今から楽しみです。
レパートリーはもう決まっています。これは綾戸ライブにしては珍しい。いつも直前で僕はかなりあたふたします。しかし、今回はすでに決めてあります。1曲めには果たして何が来るか?みなさん思い思いに”これかなあれかな”と予想していると思います(是非とも予想してください)。人を驚かして喜ばせるのが大好きな綾戸さんです。鬼が出るか蛇が出るか、それは見てのお楽しみです。
共演する宮川純さんはジャズ界のみならずJ-POP界でも活躍するキーボーディスト。僕が初めて彼の演奏を目の当たりしたのは菊地成孔さんがプロデュースした”ものんくる”というユニットのレコーディングでした。2017年の4月です。彼が弾くエレピを聴いてテクニックの高さはもちろん、それだけではないフィーリングの良さを感じました。また声をかけたいなと思って、しっかり連絡先をチェックしました。ナンパ・ノリですね(笑)。
その後やっと多忙な彼のスケジュールが押さえられて、お願いしたのが同年12月10日の綾戸さんのモーション・ブルー・ヨコハマでした。思えばこの時も若干体制が変わったところで、ちょっとリスタート、巻き返しの気合の入ったライブでした。この時の演奏が素晴らしく、若くて今どきの演奏スタイルなのに、綾戸さんの音楽にもしっかり適応できるんだなと関心しました。以来、事あるごとにお願いしています。綾戸さんも気に入って、彼とドラムの山田玲くんの3人だけでバースデー・ジャズ・クラブ・ツアーもやりました。
そんな彼とも1ステージを二人きりでやるのは初の試みです。親子ほど年齢の違う二人ですが、数々のステージやレコーディングを経てコンビネーションはバッチリです。正直なところ僕も絶対に見逃したくないコラボレーション、セッションです。
二人きりのライブと言えば最近ではギターの天野清継さんとのブルーノート東京が印象的でした。シンプルだけど彩りの鮮やかな素敵なライブは目の越えたブルーノートのブッキング・マネージャーさんからも絶賛されました。その時は同世代、綾戸さんいうところの“ジジババコンビ‘’でしたが、今回は若い腕利きなイケメンと二人。また違った世界が教会という厳かな場所で表現されるはずです。
1曲めから見逃さないで下さい。場所の空気と二人の奏でる音楽を十分に楽しんで下さい。まだチケットはあるようですが、コロナ禍で席数が限定されているので、そろそろお買い求めいただくのが良いと思います。お忙しい週末にお時間をいただくのは心苦しい気もしますが、綾戸ライブに少しだけ時間を委ねてください。これからの生活に潤いが出る!とまでは申しませんが、話のネタが3つも4つも増えることにはなると思います。
お待ちしております。
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