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インターネットと子どもたちⅢ

こんにちは。「私の会社は久保友宏です。」の久保友宏です。

前回のブログでお話した様に、今日は実際に会った事件を例に挙げながら、子どもたちにとってネットリテラシーがどれほど大切な事かお話ししていこうと思います。

現代の子どもたちは、善悪の判断や物事の分別がつく前からインターネットで”繋がれた”世界で生きることを強いられています。

だからこそ、大人が”インターネットに潜む危険”をしっかり理解し、教育していく必要があります。

例えば1986年にアメリカのカリフォルニア州で生まれたジャスティン・ベリーという少年は、ネットが大好きでした。

彼が13歳の時にウェブカメラを導入した後は一対多数のビデオチャット交流サイトで知り合う大人の男性たちとよくオンラインでつるんでいたそうです。

ジャスティンにとって、カメラの向こうの大人たちはいつも彼を誉めてくれて、さらにはプレゼントまでくれる”気のいい友達”でした。

そんなある日彼のオーディエンスの一人が、『3分間上半身裸になってカメラの前に座っててくれれば50ドル払うよ』と持ち掛けたのです。

13歳の少年に50ドルは大金です。

それが何を意味するのかジャスティンにははっきりとは分かりませんでしたが、信用している”友達”に言われた通り、彼は上半身裸になりました。

『プールの時だって上半身は裸だし、別に恥ずかしいとは思わなかった』と後のインタビューで彼は語っています。

この時、コメント欄はオーディエンスからの称賛であふれかえったそうです…。

すると本当に男からジャスティンのペイパルアカウント(オンライン口座)に50ドルの支払いがなされたのです。

これがこの後5年以上続く、インターネットを通じたジャスティンへの性的虐待の始まりでした。

言葉にするのもおぞましい要求はどんどん過激になり、さらにジャスティンは彼の友人たちも誘ってオーディエンスの要求にこたえていきました…。

最終的にジャスティン(とその友人たち)に性的な要求をして、その見返りとして金銭を支払ったオーディエンスの数はなんと1,500人以上に上っています。

信じられますか?

1,500人以上の大人がこのオンラインでの性的虐待に気付いていながら、通報もせず、少年を助けようともしなかったんですよ!!

この事件はかなりネットが出てきてから初期の方に起こっていますが、似たようなことは今でも世界中で行われています…。

また2015年10月には、カナダのバンクーバーに住んでいた15歳の少女が自殺しました。

彼女は友人と面白半分にアクセスした出会い系サイトで見ず知らずの男に『信じられないくらい美人だね!』『君ほど完璧な女性は見たことがないよ!』などと持ち上げられ、『一枚だけなら…』と要求されるまま上半身裸の写真を送ってしまいます。

このたった一枚の写真で、彼女の人生はめちゃくちゃにされてしまうのです。

この写真を送った後の1年間、アマンダはこの男にネット上でストーキングされ続けました。

そして男は彼女に、『あの写真をばらまかれたくなかったら、もっと写真を送れ』と要求するのです。

アマンダが毅然と断ると、男はFacebookなどから彼女の同級生を探し出し、本当に写真をばらまき始めました。

このことからアマンダは精神的に不安定になり、アルコールや薬物に頼る様になります。

そうして彼女はクラスメイトや友人からも拒絶され、いじめられ始めました。

自殺未遂まで繰り返しボロボロになっていく彼女をなんとか救おうと、彼女の両親は転校させたりもしました。

ですが、何度転校を繰り返してもストーカー男がアマンダがいる学校のコミュニティサイトに現れ、彼女の過去の過ちを広めるのです。

そして少女は、ついに自ら命を絶ちました。

アマンダ・トッドを性的に虐待しただけではなく、ネットいじめを扇動し死に追いやった38歳の男には10年8ヵ月の実刑判決が下りています。

38歳のいい大人が15歳の少女を面白半分で自殺に追い込んでおいて、たったの10年8ヵ月…とても納得できませんよね…。

さらにこの男にはアマンダのほかに34人の少女と、5人の同性愛者の男性を虐待した罪で70以上の罪状が出ているそうです。

しかし、いくらこの男が法で罰せられたとしても、アマンダは帰っては来ません。

彼女の写真も含め、ネット上にばら撒かれた写真や動画も永遠に消せはしません。

きっと心無い者犯罪者たちの手から手へ、半世紀以上は取引され続けることでしょう。

そしてそれは、最初に例として挙げたジャスティン(とその友人)の場合も同じです。

これは何も海外に限った話ではありません。

実際に日本警視庁の発表でも、平成29年にSNSを通じて児童ポルノや児童買春などの犯罪被害にあった子供は、なんと1,813人もいます。

この数字は年々上昇していて、摘発されていないものを含めるとさらに多くの子どもたちがオンラインでの性的虐待の被害に遭っているものと思われます…。

『うちの子は大丈夫』

なんて思わずに、あなたの大切なお子さんが、ネット上の犯罪者の犠牲になってしまわないよう、しっかり対策をとって上げて下さい。

本日も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。

久保友宏

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