非線形のアイデア-まず問題点を見つけてみる試み
非線形のアイデア
非線形のアイデアという言葉を先日、講座で初めて耳にしました。非線形というと数学的には力と変形、ひずみの関係が比例関係にない状態のことをいうそうです。そのアイデアなので、まず解決を考えつつ課題を挙げるのではなく、課題をとにかく見つけ出すことを行い、そこからいろいろなツールや技術を用いて解決策を探すという方法ではないかとイメージしました。
目ではいろいろなことが確かに見えていますが、それを課題とか問題点として言語化したり、考えたりすることが自分には欠けているのではないかと感じたのです。まさに「悩んでいても考えていない」状態だったのです。「困った困った」から一歩進んで考える思考パターンを身に着けたいと思いました。
職場で実際に非線形のアイデアを試してみた
まずは職場で、とにかく困ったこととかもう少し何とかしてほしいと思うことはない?と尋ねてみることから始めてみました。そうすると早速いろいろな点を話してくださいました。例えば…。
・全従業員向けの連絡がいきわたらないことがあるので会社のスマートフォンで連絡することはできないか
・従業員が使用できるタブレットなどが欲しい。画像の取り込みなど便利だし、キーボードの入力がしやすい。
・契約書の店長印をデジタル化できないか
・先日、車いすのお客さんがATMを利用できないのを見た、何とかしてあげられないだろうか
・たばこの販売では200種類以上の銘柄があり、通し番号で管理しているが、新しい種類のたばこが入ってくるたびに番号が入れ替わってしまう。何とかならないか
・赤ちゃんルームの清掃管理表や冷蔵庫の温度チェックの表では手書きや押印対応が多くて大変。台帳が多すぎ。負担を減らせないか
・押印業務が多くて大変。
まだまだありそうでしたが、聞いてみるとやはり困っていることはあるようです。しかしそれぞれの従業員は、今の業務でいっぱいいっぱい、問題を挙げても解決できないだろうという思いがある現状なのも分かりました。
非線形のアイデアから解決に向けて
実際に問題点を挙げてもらうと興味深いことが分かりました。例えば、車いすの方がATMを使えないので困っていたという点は、確かに大きな問題です。考えてみたらわかるはずなのに自分には本当に見えていなかったことを知ったのです。本来非線形のアイデアによる解決はこうしたところにあるのではないかと思いました。
とはいえ今回は、出された問題点をデジタル化という観点での解決方法がないか3つの点で探ってみました。
台帳が多すぎる
個人的にも確かに多いと感じます。台帳を管理する台帳なんかがあったりして。(笑)
多くの台帳は「ちゃんと確認したか、実施しているか」というように、確認作業のために運用されています。そして、それを第三者でもが分かるようにするという仕組みです。最近、冷蔵ケースの温度管理が事務所のパソコンでできるようになりました。スマートフォンにアラームを設定し、そのアラームが鳴ると指定のパソコンに向かって、1人が温度チェックができる仕組みです。
確認作業にかかわる台帳は、まず一つ一つをシートにして誰がチェックしたか入力して解決していくことができると思いました。
たばこの管理
たばこの銘柄は日増しに増えていきます。同じメビウスでもその種類の多いことには驚きです。写真や見本を提示し間違いがないように管理されていますが、番号の入替時には困ったことになります。従業員も「○番は~ストライクというたばこ」という感じで覚えていたのに、それが変わってしまうからです。バックルームにあるたばこの通し番号も発注書の通し番号も変えなくてはなりません。
解決できそうで難しいと感じました。新しいたばこの通し番号は新しい番号を振ればいいと思いますが、それだと銘柄の関連性が失われて番号が飛び飛びになってしまい煩雑になってしまうからです。番号と銘柄をセットで覚えていると混乱しますのでそこをどのように分かりやすくしていくか課題です。
たばこなどの銘柄管理と番号振り分けは、デジタルの得意とするところですので、システム自体は作ることができるかもしれません。そのシステム自体に実物の写真を入れたり、そこから管理や発注の番号にリンクさせて番号の入れ違いや間違いがないようにすることができれば、解決につながっていくのだと思います。
押印が多すぎる
これはきっといろいろな職場の業務課題の一つだと思いました。そしてすぐに解決しないのは、それぞれの個店でのやり方や運用方法があるので、システムの導入が難しいということです。そして小さな変化が起こる都度、変更させていくのは難しいことにあります。
今回この問題については、アプリの活用で何とかできないかチャレンジしてみました。大掛かりなシステムの変更ではなく、個店レベルの問題でもデジタルによる可能性について考える機会となりました。
まとめ 気づいたこと
今回の大きな気づきは、デジタル技術のスキルアップだけでは問題は解決しないことが分かったことです。新しいアイデアとは何か新しい考えを生み出すというより、新たな気づきと既存の知識の結合であり、その段階を経て業務改善がなされていくということなのです。
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