”学びの姿勢”から学ぶ

オランダの子ども達とオンラインレッスンを始めておよそ2ヶ月が経ちました

最近では、レッスンのはじめにコーディネーショントレーニングを用いて準備運動をし、後半は素振りや打ち方を見て、コーディネーション能力の要素と合わせながら注意点などの確認をしています


今回は前回のレッスンの素振りの様子と感じたことをお伝えしたいと思います


剣道コーディネーショントレーニングをうまく動作に繋げるためには、レッスンの中で素振りや足さばきなども一緒に行い、剣道の動作にイメージを落とし込む必要があります


前回のレッスンでは最初にコーディネーショントレーニングを行い、その後それぞれいつもやっている素振りを見せてもらいました


素振りを見て感じたことは、ほとんどの子(というより全員)が


メトロノームのように振りのスピードが一定であること
大きい振りができていないこと
実践をイメージできていないこと


これら3つの課題でした。そこで素振りをやるにあたって

目標を2つ決めました

振りのメリハリをつけよう
一本一本正確に振り、実践に活きるように意識しよう


私が一番先に子ども達に伝えたかったのが

「何のために素振りをしているのか」

「今頑張っていることが自分のどんな部分(技術)を成長させるのか」

ということです

そして、限られた時間の中でより高い効果を出すためには、まず全員が「やるべきこと」を認識し、「目的と方向性」を共有することが必要だと考えました

今回の場合で言えば、私が感じた3つの課題の共通点は

「素振りのための素振り」であるということでした

子ども達は ” たくさん素振りをする ” ということが目的(目標)になっている子がほとんどだったので、【今日のレッスンは少ない本数でも良いから試合をイメージして ”質” にこだわろう】という目的と方向性を共有し取り組むことにしました


振りにメリハリをつけるために

ざっくりとした表現ですが、メトロノームのように一定のスピードで機械的な素振りにならないように動作を以下の3つに分けました

①  (肩甲骨を寄せる感覚で)大きく振り上げて止める
②  振り上げたまま右足を大きく前に出す
③  左足の引きつけと同時に振り下ろす

これらの動作をゆっくり確認しながら①→②→③と順番に行いました

特に③の動作で、自分の持てるスピードをふんだんに発揮するように注意しながら実践したことで、みんなものすごく振りにメリハリが出るようになりました


子ども達自身、それぞれ変化を実感している様子でした


また、子ども達が能動的に取り組むためにも素振りの本数などは決めず、時間で区切り、その中で各自が自分に合った練習方法で素振りに取り組みました


一本一本ゆっくり正確に振れているか確認しながら10本振る子

慣れてきて少し振るペースを上げて20本や30本振る子

上手な友達の振り方を見て研究する子


みんなそれぞれの学び方があって、各自が自分に合った方法で上達するための【学びのきっかけ】になってくれていれば良いなぁと思います


実践を意識

全員素振りにメリハリがついてきたので、特に上手くなった子には実際にみんなの前でお手本を見せてもらったり、個人個人に「どこがどのように上達したのか」ということを説明しながら意識するべき部分をみんなで共有しました

私たちが指導する時に気をつけていることは

「実践を意識してやりなさい!」

という強制ではなく

「これが上手くなればここに使えるぞ」

という自分で気づきを感じれるような雰囲気を作ることです

さらに気づきを自分の動作(能力)とリンクさせ、イメージを実践に落とし込めるようにするためにも一方通行な指導ではなく、質疑応答や動作の説明の時間もなるべく多く取るように心がけています


今回子ども達には

最初と最後での素振りの変化をみなさんに見てもらいたい!

と思わせられるほどの成長(吸収する力)を見せてもらいました

これだけ多くの可能性を秘めた子ども達の能力を開花させるためにも、私たち指導者も学ぶ姿勢を忘れてはいけないなと改めて感じました


【学びの姿勢から学ぶ】


常に私たちも肝に銘じたいと思います


それではまた次回!





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Tomohiro Kanda
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