人生に期待するな by北野武 いや自分にもっと期待しよう
小学2年生から目覚ましを一時にかけてたけしさんのオールナイトニッポンを聴くくらいだったから少なからずたけしさんの影響は受けてます。
そんで小2でハガキ書いて出してました。ある放送の時、突然たけしさんが「コイツ小6のくせに深夜ラジオなんか聴いてんのか」と仰られて読んだのが僕が書いたハガキでした。
小2ではさすがに読まれないだろうと思い、ギリ小6という事なら珍しがってもしかするとたけしさんが読んでくれるんじゃないかって。
でも突然だっだし、本当に僕のハガキか半信半疑だったのでささっと録音しそびれたんです。
で、冒頭の言葉は有名なたけしさんの人生訓の一つで、男の子ならそれぐらいの厳しさを持って生きなきゃいけないよ、というたけしさんなりのメッセージなんですが、僕は50歳を過ぎてから「他人に期待するな。自分にもっと期待しろ」とふと思うようになりました。
自分が描く想像力だけが遥か彼方の遠い高みに連れていってくれる、そう信じてます。
ニュートンが万有引力に気づいたのはりんごが落ちるのを見たことがきっかけ、というのはニュートンの嘘ですよ笑。彼は理論的にも直感的にも万有引力は完全に解っていた。でも人に説明する時に「きっかけ」を必ず訊かれるからりんごを使ったんだと思います。
僕もインタビューする時、「コレコレをやろうと思ったきっかけってなんだったんですか」とやはり最初に相手に言っちゃいます。
芸術家や科学者にホントはそんな野暮な事訊くなよって話なんですが、きっかけを掴まないと原稿が書けないし、人に読み進めてもらえない。
けど、多くの芸術家や科学者はうずたかく積み上げた思考実験の果てに辿り着く直感、インスピレーションでふとした時に何かが降りてくるもんです。
ジョン・レノンにどうやってこのメロディを思いついたのですか?って、ギター弾いてるうちにただ曲が出来たんですよ。
科学者はもちろんそんなファジーな事を言えないけど、最近のノーベル賞なんかを見てると、先に理論を構築した人が既にいて、それを実証した人が受賞したりしてますね。科学者の多くが日課は散歩と答えてる。
良い事が閃くのは「三上」と昔の人は言いました。馬の上、厠(トイレ)の上、枕の上です。
つまり乗り物に乗って移動してる時、トイレでぼっーとしてる時、そろそろ眠るかってベッドに入った時思いつく。
これは僕も音楽作ってた頃、さあそろそろ寝るかって瞬間にメロディが頭の中でぐるぐる回り出して、結局朝までかかって一曲一気に出来たという経験がたくさんありました。
アインシュタインの相対性理論も積み上げた理論の果ての果ては、宇宙は均一の距離や時間じゃないというインスピレーションが降りてきたんじゃないかなと。
エジソンに徹底的に潰されて悔しい人生を送った天才ニコラ・テスラは無線電送を発想していた。あとフリーエネルギー。無尽蔵にエネルギーが作れて無線で電気を送れたら世の中ひっくり返ってます。
彼が徹底的に表舞台から消されたのは、それをやられたらエネルギー産業や電気に関わる会社全てが倒産してしまうから抹殺されたんでしょう。ちなみに何故ハリウッドが映画の都になったか知ってますか❓
エジソンが機材の権利をニューヨークで全部持っていたので、映画関係者はロサンゼルスに移った。でも結果的にはLAはNYと違い、土地が広く、デカいスタジオでセットを組めるし、海も山もあるので四季折々の色んなシーンが撮れるんで映画産業はロサンゼルスのハリウッドが定番になったんですね。
話が脱線しましたが、こんだけ自尊心をみんな失いがちな時代にあって、大切なのは、冒頭の、自分だけは自分の味方であり、必ず自分を導いてくれるのも自分という根拠のない自己愛と自尊心だと思うんですよ。
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