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四月になれば彼女は


こんにちは、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

昨日は夜から突然の激しい雨、静かだったリビングに轟轟と響く雨粒の音。あまりに激しい雨や雷に囲まれると、うちの家大丈夫かな?と心配になるのですが。「三匹の子豚」の藁の家でもあるまいし、今まで壊れた試しがありません。

さて、昨年訪れたロンドンのマーケットで食べたドーナツの写真を昨夜Instagramに投稿したことにより、無性にドーナツが食べたい!!
ということで、今日はミスドに来ました。

本当は22時過ぎて、ドーナツ作ろうかな?と思ったんですよ。けど冷静に考えて生地の発酵と揚げる工程を計算し自粛しました(笑)

※チェーン店で一番好きなのはKKDのオリジナルです。調べたらどうやら福岡には店舗が無いみたい。(正確にはアミュプラザにあったらしいけど撤退した模様)

学生時代に通った地元のミスドが懐かしいなぁ、改装されて子綺麗になって少し寂しいけれど思い出の店舗です。高校生の頃は学校帰りに行く場所がなくて、ミスド・サイゼ・ガスト・マックを転々としてましたね(帰宅部だったけれど家には帰りたくなくて笑)

ドーナツの話はこれくらいにしておこう。前置きが長い。

四月になれば彼女は

佐藤健と長澤まさみ主演で映画化、公開日も決まってワクワクしております。ちなみに主題歌は藤井風ですよ。

2019年に文庫化された同書ですが、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
『世界から猫が消えたなら』で読書好きの心を鷲掴みにした川村元気の小説ですね。(昨年話題になった是枝監督の映画『怪物』も川村さんがプロデュースしてます。)

ストーリーも勿論だけど、彼の文体がとても好きです。優しさの中に残酷さがあって、もっと先を読みたいけど読みたくない。これ以上揺さぶられたくない、みたいな。文字に込められた力がじわじわと迫ってくる感じ(上手く言えないけど、彼の本を読んだことがある人には伝わると思います)

文庫化されて割とすぐ同書を読んだのですが、細かい部分の記憶が曖昧だったので映画を観る前にもう一度購入して読むことに。


結婚を目前に控えた藤代のもとに9年前に別れた恋人ハルからの手紙が届く場面から物語は始まります。婚約者との今後に対し「人を愛するというのはどういうことだろうか」と疑問を抱く藤代。ハルからの手紙から、自分から失われていた瑞々しい恋の記憶が蘇る。


上記が簡単なあらすじです。

本に登場する人物は、皆それぞれが「人を愛するということ」に悩んでいて、そして「自分よりも大切な人がいた」ことに縛られたまま囚われて進めずにいる。

読者も読み進めていてもどかしいのは、誰しも他人のことには適切なアドバイスができるからですね。

本の中では、一瞬でも、他者との間で愛が重なった瞬間が写真や花火をキーとして描かれています。

恋は風邪と似ている。いつのまにか、それははじまっている。

四月になれば彼女は

気付かぬうちに恋がはじまり、それが気付かぬうちに愛に変わって、それが情に変化する。その変化は誰にも止められない。

恋愛において、よく「女性は上書き保存」「男性はフォルダ保存」なんて言いますよね。誰が言い始めたのか定かじゃないですけど。

でも、誰もが表面上はフォーマットした状態で次に進むわけですよね。さも何事もなかったかのように(笑)

実際のところ、当人が上書きしたのかフォルダ別に保存したのかなんて知る余地もありません。

色々な理由で世の中には別れがあるけど、そこに存在していた愛は消えるわけじゃないと僕は思うんです。

時間が経ったら愛は薄れるかもしれないけど、もしそれが全て消えるのなら、その感情と共に存在していた自分自身も喪失してしまうのではないか。

全ての積み重ねで人生が構築されていくからこそ、楽しかったことも辛かったことも経験として会得する。

人に愛されたことがちゃんと分かるなら、それが薄まってでもお互いの中に残って、支えになってくれたらいいなと僕は思います。別に恋人だけじゃなくて家族や友達、僕たちの大切な人の間でね。

April Come She Will

小説の中で何度も登場する、サイモン&ガーファンクルのApril Come She Willを聴きながら、今このnoteを書いています。

Spotifyで再生中

それにしても、技術の進歩に涙が出るほど感謝したいですね。

こんな風に、小説に出てくる音楽を聴きながら現在進行形でテキストを読み進めることができるなんて。

昔は調べる方法も全然なかった。すぐに聴くこともできなかった。それでも小説の世界観にもっと浸りたい。主人公がどんな音楽を聞いてその空間にいて、そこから生まれる感情を知りたい。

ということで、休みの日にタワーレコードへ行ってCDを探して買って聞いてみるわけです。なけなしのバイト代で、アルバムを買うのは割と賭けに近いものがあります。

しかし、それで僕はキース・ジャレットも知りました。

キースの有名なアルバム

なんか詳しく分かんないけど、めっちゃ大人な感じする〜(みたいな表層しか分かってなかったですけど)と思ってました(笑)

キースは今でも好きで聴きます。ヘンデルのクラヴィーア組曲なんかも最高ですね。

登場人物の人生を無傷で覗くことができて(肉体的には)、自分にとっても新しい世界の出会いがたくさんあるのが本や映画の好きなところ。これだからやめられない。

しばらく本から離れていた時期もあるけれど、やっぱり物語が好きです。自分もそんな物語を作れる側になりたい。

たまにですが、普段の生活の中で小説の一節みたいなのが頭にブワーっと流れてくる時があります(この話を前に友人にしたら、そんな経験はないと言われた)。それをちゃんと形にできたことは無いけれど。

去年の11月、ふとしたタイミングで面白いプロットを思いついたんです。3章に分かれた、名前にまつわる小説です。今までは書いても途中で断念していたけど、一度でいいから小説を完成させたい。

校正と校閲は必要ですが、今のところとりあえず1章は完成しました。9/30が文學界新人賞の締め切りと知ったので、間に合えば応募してみようと思ってます。

何の宣伝にもなってませんが、『四月になれば彼女は』3/22公開です。今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

映画ポスター

さいごに。
小説の中で朝日を見る場所として登場するインドのカニャークマリ。
以前訪れたスリランカから見ると思ったより近いことが判明(調べたら海路で行く方法はなかったけど)。インド長期訪問の暁にはカニャークマリで朝日を見たい。

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