キラメイジャーの第7話と第8話を観て、俺は盲目的なアレを感じた。
「魔進戦隊キラメイジャー」は現在テレ朝系のテレビチャンネルで放送されている2020年度のスーパー戦隊作品である。レッドは神絵師高校生、イエローはesportsプレイヤー、グリーンは陸上選手、ブルーは俳優、そしてピンクは医者で、一人一人の個性を活用して一つのチームとなり、敵軍勢のヨドンヘイムと闘うのが大まかなストーリー。各話で戦士のバックグラウンドが掘り下げられたり、その人の力を発揮した戦い方が多くの人々に響くのが特徴なのだが、とにかく第7話と第8話を観て俺は言いたいことがある。
ここでは「頼むからもし誰かがレッドの様な状態ならば熱中症を疑ってくれ。水分と日陰と毛布を用意してくれ。トリアージ的にレッドかもしれん。場合によっては119が必要になるぞこれ。」と「キングエクスプレスが誕生したとはいえ、レッドのあの状態はマジで119レベル」を元に、キラメイジャーの第7話と第8話から盲目的なアレついて言わせてもらう。
厳しい内容になってるから、読むときは注意だ。読みたくない方は今すぐブラウザバックして欲しい。
まず、いきなり人に無理なトレーニングをさせてはならない。これは絶対。様々な可能性、を感じたとしても、ダメ。てか、相手を知ってから無理のないレベルからやれ。いきなりでかいタイヤ引きずりランニングするんじゃない。無理やり剣道や合気道の技を叩き込むな。最新技術等の基礎を習ってから射撃訓練しろ。
これらが引き起こす最悪の事態は、死。物語の展開的にありえないし、俺は医者でも救急隊員でもない。ただこれだけは言える。119しろ。それか♯7119だ。したくなきゃ無理させんな。ちゃんと休憩させろ。1時間ごとにあんなヤバイ押し付けが行われるのなら気絶してもおかしくない。
ただ、「頼むからもし誰かがレッドの様な状態ならば熱中症を疑ってくれ。水分と日陰と毛布を用意してくれ。トリアージ的にレッドかもしれん。場合によっては119が必要になるぞこれ。」は、そもそも熱中症の定義が高温下の過度な運動・労働・休憩不足による病気であるため、描写されている気温・天候状況が掴めないと的外れかもしれないが、あの汗の量、気だるさ、休憩不足、119しろ。てか医者メンバーにいるだろ。
何かに夢中になると、人は盲目的になり、視野が狭くなる。まさにこれである。特に期待・友情・愛が絡むと歩きスマホレベルで済まされないことがある。大人、しかも戦士が何やってんの?5人が一つになってこそのチームだろ(正確には、5人と8台と1司令官とお姫様、そして組織に関わるメンバー全員。魔進の数え方がイマイチわからん)。
てか子ども、そして若者を優先しろ。リーダーは現役バリバリの高校生で育ち盛りなんだよ。神絵師故に体力がお前らが思い込んでいるよりないんだよ。急激な変化は薬にも毒にもなるんだよ。特に後者である可能性の方が高いんだよ。それぞれのキャリアで活躍している大人なら尚更だわ。気づいてくれたのが同年代のお姫様と相棒だけってなんなんだよ。相棒はマジでいいやつ、ちゃんと気にしている。
リーダーは無理矢理で過度な「特訓」を受け続けた結果、しかも性格がマイナス寄りであるが故に、本来頼るべき存在である大人たちに忖度して、気絶した。所属している組織に医務用のベッドがあること、医者が側にいることが不幸中の幸いである。その後、夢の中で宝石の国の王様と出会って新たな力を手にし、「結果オールライト」となったが、これを無視してはならない。人の過ちはさっさと忘れた方が楽なのだが、俺はこれを無視できない。立派なリーダーになって欲しいという盲目的なアレが、リーダーを身体的に追い詰めた。
盲目的なアレは人を追い詰めるだけではない。緊急時に発揮されるべき判断力・想像力・危機感を蝕む。「自分は大丈夫だから」と盲信し、誰か・何かを失う。それがあってたまるか。
最後に、「正常性バイアス」について書こう。
正常性バイアスは自身を守るための防護作用にもなるが、はたらき過ぎると確実に最悪の状況に陥る。特に今、自分は平気だと思い込んでいると、誰かの命が失われる。その軽率な行動が、思考回路が、誰かを殺している。あなたが今生きているのは、あなた以外の何か・誰かに恵まれているからだ。あなたが今幸せなのは、あなた以外の何か・誰かのお陰だ。あなた以外の全員全部が幸せに生きていると、あんた本気で思っているのか?
見出しの画像元:いらすとや
見出し画像が銀の戦士である理由:キラメイジャーの追加戦士がシルバーだから
もし119するかどうか迷ったらこれ使え:東京版の救急受診ガイド