世界のアソビ大全51が神ゲーであることを俺は全力で主張したい Ver.5.0
今回は世界のアソビ大全51(以下、この神ゲー)のデザインについて、特にユーザーインターフェイス(以下、UI)について、国と地域と言語ごとの違いにも触れつつ述べたいと思う。ゲームのデザインは魅力的であるだけでなく、特に世界中で発売・配信されるとなると出身国(地域)を問わず誰にとっても受け入れられるものでなくてはならない。そしてゲーマーが、ユーザーがゲームをプレイする際に遊びやすさを左右するUIは誰にとってもストレスのないものでなくてはならない。
この神ゲーのロゴ、ゲームアイコン、使用されているフォント、マイフィギュアと呼ばれるアバターなどのデザインの力によって生まれるものは、全て魅力的で誰にとっても受け入れられるもので、任天堂が人々を笑顔にする娯楽をつくる会社であることを証明していると言っても過言ではない。2020年のGame Design of the YearとIn-Game UI of the Yearはこの神ゲーでいいんじゃないかな。
ロゴ〜受け継がれるデザイン〜
DS用ソフトとして発売された「だれでもアソビ大全(以下、初代)」の特徴を受け継ぎながらも進化しているこの神ゲーの日本版(日本語版)のロゴには、なんとふりがなが振られている。初代の時は「大全」のみだったが、この神ゲーでは51以外の全ての文字に振られているのだ。「世界」も「大全」も小学校で習う教育漢字なので不必要であるかのように思えるが、いつでも、どこでも、誰とでも遊ぶことができて、年齢・性別・過去のゲーム経験を問わず、誰もが楽しめるゲームであるが故に、また「大全」が馴染みのない言葉であるため(俺は初代で初めて大全という言葉を知った)、必要になったのかもしれない。そしてその結果、ロゴとして非常に収まりの良いデザインになり誰が見ても読めるものとなったので、ここにも年齢・性別・過去のゲーム経験を問わず、誰もが楽しめる工夫が施されているとも考えられる。
加えて、日本版(日本語版)と欧州版、そして繁体字中国版と簡体字中国語版のロゴでは、この神ゲーの特徴である51種類のゲームが収録されていること(ピアノを含めれば52種になるが)を51という数字の部分をどの文字より大きくして、黒地に白字にしたことによってロゴだけでアピールしているが、繁体字中国版と簡体字中国語版のロゴは日本版(日本語版)と比較してふりがながない分、より強調されているデザインとなっている。
またダントツで最も文字数の多い北米版のロゴには、一部収録ゲームの追加と削除とオンラインプレイに対応した「Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全(以下、Wi-Fi対応)」の北米版"Clubhouse Games"に、"51 Worldwide Classics"の文字が書かれた赤いロゼットのようなシルエットが飾られている。文字の書体も北米版のWi-Fi対応のものと変更されており、この神ゲー用に新たにデザインされたことが窺える。
収まりの良いデザインになっている日本版(日本語版)ロゴ。文字の部分の書体も初代と変わってない。
ふりがなのスペースがない分51が強調されている繁体字中国語版(上)と簡体字中国語版(下)のロゴ。日本語をそのまんま中国語に訳した感じがある。
チェッカー(チェスかもしれない)、トランプ、サイコロ、バックギャモンのモチーフが描かれている欧州版のロゴ(上)。欧州版Wi-Fi対応の"42 All-Time Classics"(下)とは雰囲気がかなり異なる。
よく見ると、日本版(日本語版)と繁体字中国語版と簡体字中国語版とでの「51」と欧州版の「51」は異なっていることがわかる。
文字の書体が異なり、北米版Wi-Fi対応のロゴに赤いロゼットのようなシルエットが飾られている北米版のロゴ(上)。
メインビジュアル〜眺めていて楽しい〜
メインビジュアルとして使用されている上記の画像は公式サイト、パッケージ版の表及びダウンロード番号の書かれたカードの説明等が書かれた紙(?)の表、Nintendo Switchのホーム画面で表示されるこの神ゲーのアイコン、ゲーム起動時のタイトル画面にも使用されている。基本的にメインビジュアル静止画なのではタイトル画面で使われると物足りなさを感じるが、この神ゲーではそんなことはない。トイテニス、ヒットアンドブロー、ヘックス、チェス、トイサッカー、ドミノ、チャイニーズチェッカー、ルドー、マンカラ、ビリヤード、スライドパズル、花札、五目ならべ、ナインメンズモリス、スロットカー、7ならべ、将棋、麻雀、トイベースボール、ボウリング、バックギャモン、携帯モードでプレイされているリバーシと2人の腕、フィギュア13人(体?)が全て等角投影図法的に綺麗に並べられていて腕がフルCGかハンドモデルさんのなのかを考察することもできるので見ていて飽きない。花札の場合、どうせなら各月の最も点数の高い札を全て載せて欲しかったのだが、載せている枚数を9枚という奇数にすることによって、現在プレイ中であることをこのメインビジュアルで示唆しているのかもしれない。
メニュー画面〜だから51+1種類のアソビが詰まっている〜
Nintendo Direct mini 2020.3.26でこの神ゲーの情報が公開された時、「51だとメニュー画面がかなりの横長になるのでは?」と思ったのだがそんなことはなかった。縦6個、横9個の合計54個のアイコンが綺麗に並べられている。Nintendo Direct mini 2020.3.26の公開と同時にトピックスでメニュー画面の画像が公開されていたが(この時右下にピアノのアイコンが表示されていたのにもかかわらず俺は気付いていなかった)、ここまで整理されていてシンプルでわかりやすくて画面にきっちり収まっているメニュー画面はないではないかと思うほど整っている。51種類のアソビとオススメ地球儀、アソビガイド、52個目のアソビであるピアノが加わることによってこの神ゲーのメニュー画面が完成する。
各ゲームのアイコンの左上にトロフィーやメダルやチェックマークがついてもなお美しいメニュー画面。
また、この神ゲーでは44種類のゲームがオンラインプレイに対応しているが、その時のゲーム選択画面も綺麗に整理されている。右下の遊びたいゲームの選択完了チェックマーク(無選択の場合ははてなマークになりランダム選択となる)を含めて45個のアイコンが縦5横9で並んでいる。このことから、メニュー画面のデザインも考慮した上で収録ゲームを決めたことが考えられる。
Proコンで遊んでいるとちゃんとボウリングとダーツは選択できないようになっている。
公式サイト〜工夫がすごいぞ〜
ちょっとゲーム本編から話がズレるが、日本版の公式サイトについても述べさせて欲しい。この神ゲーには51+1種類のゲームが収録されている。そのため、パソコンやタブレットなどの画面の横幅が長いデバイスで閲覧した場合、収録ゲームが横3縦17プラスピアノとこれまた綺麗に並べられている。スマートフォンなどの横幅が短いデバイスの場合は、横2縦25プラスとピアノという具合に並ぶ。情報が解禁された2020年3月26日の時点で51種類のゲームが収録されていることが判明しているが故に全ての収録ゲームの詳細を見たくなるようなワクワク感があり、最後までスクロールしないとピアノにたどり着けない設計は本当に素晴らしい。
そして、突如公開された「誰かに言いたい 世界のアソビ裏話」の進行方向がメッセージアプリ風なのがユーザーを飽きさせずに、しかも読んでいて非常に面白いのでこの神ゲーのドヤ知識と同じように楽しく各ゲームについて学ぶことができるのが非常に素晴らしい。
PCで閲覧した場合こうなる。
スマートフォンで閲覧した場合こうなる。
ピアノについての詳細は一番下にある。
最初に紹介されているのが花札であることに任天堂の花札に対する愛と信念を感じる。
ゲームアイコン〜わかりやすい、可愛い、面白い〜
初代の時はできなかった(しなかったのかもしれない)各ゲームに対してアイコンをつけることがハードがNintendo Switchになったことによってスペックなどなどが向上し可能になり、51+1種のゲームのアイコンが作られた。
まず、一つ一つが完全に独立している。何一つとして同じものがない。将棋と5五将棋の場合は前者が王将、後者が歩で表現することによって差別化に成功している。麻雀と麻雀ソリティアの場合は並べ方が異なっていて、VSタンクと協力タンクの場合は戦車の色を変更している。
トランプゲームの場合も使用されているトランプの模様がほぼ被っていない。トランプだけでなくオブジェクトも付け加えることによって文字による説明がなくてもどれが何のゲームなのかが見ただけで判明する。オブジェクトもそのゲームを象徴していて視認性が非常に高くなっている。
それだけではない。実はこれらのゲームアイコン、動く。赤いカーソルがゲームを選択したときにクルンと回ったり跳ねたりするだけでなく、マジで動く。
遊び方ムービーの最初に、マンカラなら種まきのゲームであることを生かして石(おはじき)が種となり土に植えられて芽を出したり、
やけに植物の質感がいいんだよな。
コネクトフォーの4つのコマが踊り出したり、
かわいいなお前ら。
チェスの場合はナイトの動き方がわかったり、
非常にわかりやすい。
花札だと実際にリアル花札でプレイしているかのような演出だったり、
猪鹿蝶も狙えるし月見で一杯も狙える手札。
大富豪だと大富豪化したダイヤのエースが帽子を外したりなど、ゲームアイコン一つ一つが動いている。
この演出思いついた人はマジで天才。
アイコンというものは静止していることが一般的で、動いたとしてもめっちゃ動くわけではない。しかし、この神ゲーでは動く。かなり動く。しかもゲームの特徴をしっかり捉えていて、かわいい。世の中にあるアイコンとかメニューボタンとかもっと動いたら楽しくてわかりやすくなるんじゃないかな。
ゲームデザイン〜任天堂IPの暴力(フル活用)〜
花札に関しては言うまでもないが、任天堂が現在も製造している花札のデザインがそのまんま使用されている。遊び方ムービーやドヤ知識でもかなり自身のルーツについて語っていて、任天堂の花札推しっぷりがこの神ゲーを通して感じられることだろう。
また、ある程度花札で遊べばクラブニンテンドー花札でも遊べるようになる。令和の時代にかつて存在した会員制ポイントサービスの景品と出会えるとは誰も思っていなかっただろう。これ関しては実際に現在でも販売されているマリオ花札を使用してもよかったのかもしれないが、前者は一部の札がオリジナル柄であるのに対して後者は全札がオリジナル柄となっている。アシストをオンにすれば特に問題はないのだが、この神ゲーで初めて花札に触れたプレイヤーがマリオ花札で遊び始めて元のデザインとのつながりが分からず混乱しないように、任天堂ファンにとってはこの神ゲーを通して懐かしさを感じられるように、クラブニンテンドー花札が選ばれたと考えられる。
札の絵の豪華さでレア度がわかるようなっているのだが、全札オリジナルだと全部豪華になる。
加えてこの神ゲーで登場するトランプはNAP 600シリーズの赤色のナップ 622で、トランプゲームのアイコンにもちゃんと使用されている。ある程度トランプゲームで遊ぶことによって解禁されるマリオのトランプもマリオトランプNAP-02
(スタンダード)で任天堂が実際に製造・販売しているトランプである。マリオトランプはこのnoteが公開された時点で6種類あるのだが、NAP-02が選ばれたのは画面映えと見やすさと最もトランプらしいデザインだからであると考えられる。
初代にも登場したナップ 622。
この神ゲーに登場するマリオトランプNAP-02(スタンダード)。
そして、将棋及び5五将棋に使用されている通常版のコマと将棋盤、五目ならべに使用されている碁盤と碁石、そして麻雀の通常版と麻雀ソリティア使用されている麻雀牌も任天堂が実際に製造・販売しているものと同じものである。しかも任天堂は過去にチェス、チェッカー、ドミノも製造したことがあるのでこれら3つのボードゲームのデザインも任天堂が製造したものを元にしたと考えられる。
いつか改めてボードゲームを作って売ってくれないかな。
まとめ〜Game of the Year〜
デザイン的にも素晴らしい世界のアソビ大全51は神ゲー。頼むから今年のThe Game AwardのGame of the Year獲ってくれ。
参考・画像引用元〜ちゃんと書くべし〜
Wikipedia記事「Clubhouse Games」
42 All-Time Classics | Nintendo Official UK Store
スペシャルサンクス〜全関係者に感激・感謝〜
任天堂:この神ゲーを開発した京都のいろんな意味で恐ろしい会社。今年販売されるゲームの本数が仕方がないけど少なくて俺は少し不安。
エヌディーキューブ:この神ゲーの開発に関わった会社。他にも様々な任天堂のゲームの開発に関わっている。北海道にもオフィスがある。
アジェンダ:初代を開発した会社。北海道に本社があるのエモい。
がっとれーさん:Nintendo Direct実況者としても有名なゲーム実況者。大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALに花札「大統領」が参戦することをガチで予想してしまった。
かなり真面目に考察している。
ト部ウリアさん:初代のゆっくり実況動画を上げてからメキメキ伸びている実況者。この神ゲーの解説動画が分かりやすくて面白い。
この動画を見つけた時即クリックして見たわ。
まさに世界のアソビ大全51は蘇りし神ゲー。
ルル=ルチカさん:「世界のアソビ大全51が神ゲーであることを俺は全力で主張したい Ver.2.0」をTwitterでシェアしたVTuber。ツイステッドワンダーランドと特撮も好きでかなり俺と趣味が合う(多分)。
このツイートの通知来たときの衝撃やばかった。VTuberが俺のnoteをTwitterでシェアするとか思ってもいなかった。
ジニさん:この神ゲーについてのnoteを書いたゲームジャーナリスト。
有識者による記事はやっぱり説得力が違う。
シンさん:この神ゲーの実況生配信が面白いゲーム実況者。酒を飲まずにはいられない(菊に盃の札が出たら何がなんでも取る)。
「酒ぇ!飲まずにはいられない。」
あなた:Ver.5.0を読んでくれてありがとうございます。Ver.1.0から読んでくれた方も、これが初めてだって方も、ありがとうございます。
今までに書いた「世界のアソビ大全51が神ゲーであることを全力で主張したい」はこちらから読むことができます↓