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「南インドの芸能について」


2020年1月の松原5・6丁目自治会だよりに掲載したエッセイ
2019年の「ふれあい絆フェスタ」に出演させていただいたご縁で、投稿したものを転載します


 9月の「ふれあい絆フェスタ」で、「プラクルティ」としてケーララ舞踊を披露しました。「ふれあい絆フェスタ」には一昨年に初めて参加して、今回は2度目になります。この踊りは南インドの西側にあるケーララ州に伝わる「ティルワーティラカリ」と呼ばれる民俗舞踊です。現地の暦のティルワーティラという日に、家庭生活の平穏と発展を祈りながら、女性たちが白いサリー(民族衣装)に身を包み、輪になって踊る習慣があり、それをステージ用に整えたものです。この踊りの魅力に惹かれて集まった仲間たちと一緒に松原5丁目のJML音楽研究所で練習しています。

 輪になって踊るといえば、日本にも盆踊りという文化がありますね。今回ご覧になった方々は、南インドの輪踊りはどんな風に感じたかしら?

 筆者は「イダッキャ」という太鼓を演奏していました。ケーララ特有の楽器です。日本の鼓に似た形ですが、肩から吊ったベルトの張り具合を調整することで、音の高さを変えながら演奏することができる、とても珍しい太鼓です。

なぜこのような遠いインドの南の端の文化に関わっているかというと、私が学生時代に「横浜ボートシアター」に入団し、身体の基礎訓練のために南インドの古典舞踊「バラタナティヤム」を舞踊家の野火杏子氏に師事したことがはじまりです。

野火先生が企画されたインド芸能鑑賞ツアーに参加し、南インドのケーララ州を訪ねた時に、古典演劇「クーリヤッタム」に出会い、その世界に惹かれて「クーリヤッタム」を学ぶようになりました。それから二十年以上ケーララに通い続けて、現地の暮らしの中で「ティルワーティラカリ」等の様々な伝統文化に触れてきました。現在はインドと日本で、「クーリヤッタム」の公演を行っています。

 「クーリヤッタム」は世界最古の演劇ともいわれ、サンスクリット語で書かれた古い戯曲を上演します。一千年を超える歳月を経て、現代に生きる芸能として、2008年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。ぜひ”Kutiyattam"あるいは”kootiyattam”で検索してみてください。

 南インドの人々やその文化について、お伝えしたいことはまだまだありますが、それはまたどこかで。

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