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【音楽】札幌のバンド No.18
2020年に札幌で結成された5人組のバンド No.18(ナンバーエイティーン)。
今回は私とNo.18との出会いと魅力を記したいと思う。
ドラムのジューシー坂部さんとフロントマンShouBitさんが多方面で活躍する実力あるメンバーを集め結成に至った。No.18とは、十八番(おはこ)に由来し、自らの得意とする芸を出し合い新たな十八番として君臨することをテーマとしている。(twitterより)
ジューシー坂部さんとの繋がりから、SNS越しに「新しいバンドが始動します」とのことでお知らせを受け、どんなサウンドの音楽なのかとソワソワした日々を過ごしていたところ、 JOINALIVE2021のステージのOAを決定する【SOUND AIR 2021】にてグランプリを受賞したとの報告が流れ、より一層期待が高まったところに、この時のステージ映像がYoutubeで公開された。
ライブ映像は3曲分。 Day to Dayのイントロから始まり、ShouBitさんがマイクに口を近づける。なんと全編Rapだったのだ。
バンドにRap!と驚いてる私の視界には、躍動感と安定感あふれるドラムさばきを見せるジューシー坂部さんの姿があった。 アーティスト写真では前かがみとなり、「挑発的な表情」を魅せていたベースのHallkingさんが私好みのグルーヴをグイグイプレイしていると思ったら、 この会場の視線を集めて、自ら鳴らす音を全身から発しているようなパフォーマンスをするキーボードKEN-ROWさんは今回のコンテストでベストプレイヤー賞を受賞されたそうだ。 メンバーと見つめ合い、しっかりと自分の音にその場の空間を巻き込んでいくギター SimRaさん。音の重なり、バランス、そこから生まれるグルーヴ。
そしてRap、ShouBitさんの、サウンドにノったリリックと、気持ち良い緩急と聞きやすい声。「このバンドが出す音 一音も聞き逃すな」という想いが画面越しにも伝わってくる。 私の中にものすごい勢いでNo.18の音楽が流れ込んできた瞬間だった。
サウンドは完璧に私のツボを押さえてきたし、バンド×Rapという自分の中の新しいジャンルを生み出してくれた感覚だ。
2曲目はGet some where
曲はスローナンバー。ShouBitさんが今までみてきた景色、感情、想いが音とリリックによって 札幌の晴れた空に舞う。見ている人だけじゃなくメンバー 一人一人の想いも音に乗る。間奏のキーボードとドラムの繊細な音の転がり。
「夜明け待つ街」「札幌」「オレンジ色の街灯」
彼の歌詞の中にはよく 「街」というワードが出てくる。
札幌の街並みや景色、人の流れ。この札幌という街に住んでいる人が 形なき何かを頭にイメージ出来たり、街の匂いを思い出したりする。
記憶の片隅に すっと入ってくる。初めて聞いた曲なのに 気持ちが入り込んでしまうのは きっとShouBitさんの選ぶ言葉そのものを好きになるからなのだろう。
3曲目は、今やライブの定番曲となったNightfly。 キーボードKEN-ROWさんとギターのSimRaさんのメロディーコーラスからのスタートだ。夜の札幌をドライブしているような疾走感。キャッチャーな部分としっかり音作りしている部分、曲のキメの部分。全てが完成されているから、 初めて観る人をあっという間に虜にしてしまう魅力があると思うし、何よりも印象的なのはメンバーのみなさんがお互いの顔を見ながら ステージングを楽しんでいる表情だ。 良い音を出せた時、呼吸が合った時、ふとカメラに映るとびきりの笑顔が 最高の音となって 画面の向こうの観客に届くのだろう。
ラストサビ、畳みかけるリリック、それに合わせるように音も増えていく。 全ての魂を一音一音に乗せている。
これが私が見た最初のNo.18のライブだ。
結成してから約半年とは思えない程の 空気の渦。
この音楽を作るために 5つの方角から集結した札幌音楽シーンのヒーローのような存在だと思った。
Nightflyの衝撃が忘れられないところで、 札幌のSOUND CRUEというライブハウスでスタジオ撮影された映像も上がっていた。ワンフロアでの演奏パフォーマンスはもう臨場感しかない。
指先から視線ーーー
滑らかに刻まれるビートと歌うように鳴る繊細なギター。
空間と感覚が揺れるのが わかる。
映像作品を何回も聞いて曲を覚えて 初めてのライブは札幌北区のPLANTだった。 メンバーが自分の目の前に立って音を出した瞬間から、この出会いに涙が出そうなくらい ライブを目撃できた高揚感は今も忘れられない。
大好きなNightfly。
生で聞くとまた音の重量感が体に染みるGet some whereと続く。
初めて聞くことになるUnderpassは、イントロからキーボードとベースのユニゾンが脳内に強烈なインパクトを残してくるし、KEN-ROWさんのRap、SimRaさんもサビ前ソロパートを歌いだした時は、 頭の整理が付かない程興奮したのを思い出す。ラップだけではなく歌が入り、楽曲にさらに厚みと拡がりが出来て、聞いていてめちゃくちゃ気持ちがいい。。。
そして11月3日にMVが公開された 代表曲である What About Us。
イントロの歌い出しはギターのSimRaさん。綺麗なファルセットからサビのメロディーが響き渡る。AメロのRapはキーボードのKEN-ROWさんと続く。ずっしりと深味があるが軽快なラップ。 この曲が今の自分達であり、メンバー全員の強い想いが込められた勝負の一曲ということが 何度も見ているうちに深く深く理解できた。 苫小牧で撮影されたというラストサビのシーンは あまりにもキレイで、思わず声が出てしまった。
(私が特に好きなのは 1:48からの2秒間)
最後に
ライブを見るたびに感じるのは 聞こえてくる音が増えて 新しいフレーズが出来ていて、ShouBitさんの視線が まっすぐぶれないこと。モニタースピーカーを超えて前に出てくる時が 一番心打たれる瞬間だし、このバンドを好きになったきっかけの Hallkingさんが作るベースラインに いつもゾクゾクさせられている。
音の粒、バランス、それぞれの音を引き立たせつつ、
演奏するメンバーは、オーディエンスの視線と会場の空気を
一気にNo.18の世界に変えていく。
止まることなく数か月先のスケジュールも埋まっているNo.18の活動を
ぜひ注目していただければと思います。
#No.18