灯が消えない東京
ここから見た景色はきっと
忘れられない色であり、音であった。
応援し続けていた 札幌のバンド No.18のライブを見に
東京へと向かう。
何日も前から この日の夜が楽しみで仕方がなくて、
さよならミオちゃんのリリースツアーということではあったが、
メンバーのみなさんにとっては 初めての東京ライブ。
カルチャーの発信地と言われる下北沢、数多くのロックバンドがステージに立った SHELTERだったから、 とても嬉しい。
1組目かもしれない。 曲数は少ないかもしれない。 ジューシーさんの腕の具合が良くない、KEN-ROWさんは自分の機材ではない、など
少しだけ、 いつもと違う環境かもしれないと考えていたけれど、
会場の始まる前の心地よい空気。音楽が好きなお客さんが程よい雰囲気を作ってくれていたのは肌で感じることができた。
19:00 「始めます」
shoubitさんの第一声。
ああ、 良かった。
この一言で さっきまでの自分の心配が一瞬で吹き飛んだ。
怖いものはないんだ、 いつもと変わらない、札幌の空気と、
信じて鳴らし続けてきた自分達の音を放つだけだ。
やっぱり私は この距離感が気持ちがいい事がわかった。
音も、 空気も、 追いかけたい視線の先も、見たかった景色も
ここでしか聞けない声も、 感じる声援も 少しの緊張も、
全部好きなんだ。
Day to Day
Can you see
To Be
Ginger
What about us
自然に体が揺れるDay to Day。 Can you seeのずっしりとしたサウンドの圧にも、To Beのキレイな旋律にも、表情が変わるHallkingさんのベースにもお客さんはぴったりついてきていた。 それを見て、みんなの笑顔が増えてきた。
What about usの志村さんのギターソロを弾いてる時にShoubitさんの隣にピッタリなところ、本当に幸せそうだった。腕の痛みを全く見せなかったジューシーさん、メンバー紹介の時と アウトロの最後の最後までめちゃくちゃかっこよかった。
いつもと違う会場、ステージからの景色、聞こえてくる音。
そんな中、こんなにも堂々と地面を踏みしめて、自信に満ちた表情。
個人的にはJOINALIVEからまた少し視界がクリアになったようなイメージで
間違いなく言えるのは、 みなさんの「歩幅」が変わった気がする。
ライブごとに クオリティ高いアーティストと一緒のステージを魅せてくれたり 物理的にステージを動く距離が広くなっている。
Hallkingさんと志村さんがステージ前に出てきたり
KEN-ROWさんもハンドマイクでラップするシーンは ひとつのライブの見どころであり、いつもワクワクする部分でもある。
shoubitさんのパフォーマンスがこの1年でとても変化していて、
歌詞の「渦巻く中心」とか「重なる針気づきゃ午前0時」などを掌で表現し、耳からも目でもリリックが切りとられ、記憶に刻まれる。
クールで飾らなくて、でも音楽には熱くて仲間への信頼が熱くて
ルーツの音楽は違うのに それぞれの得意分野を凝縮し一つの音楽を生み出せるパワーが、聞く人のエネルギーとなっている。。。。。
それは本当に奇跡であり、素晴らしくかっこいい。
「俺らがNo.18です」で終わるの、胸が苦しいくらい良かった。今日、この場所でしか聞けない一言だなって思った。
ずっと話せるよ、すごい部分たくさんありすぎて、どこから話せばいいかわからないくらい。
ヤマトさん、 マイアミパーティー、さよならミオちゃんと
まさに北海道と東京の すごいメンバーだったんだなと実感。
また観たいっていうステージングだし 歌詞がすごかったな、 日常を切りとるというか、あまりに情景が浮かびすぎてびっくりする。
勝手に脳内でMVを作ってしまえるくらいに、リアルで青春で、大人だ。
東京の街の灯は消えなかった。
冷たい雨に紛れた後ろ姿。
眠れずに聞こえてきた始発電車の音
ミルクと混ざったブルーボトルコーヒーのエスプレッソ
緊張の糸が切れて ボロボロとこぼれてきた涙と公園
夕暮れの天王洲アイル。
夢みたいな時間だった。
行きたい場所も増えた。
でも。