コミュニティ動画制作のススメ

Stripeのユーザコミュニティ JP_Stripes にて、東京開催のイベントを撮影して2年が経ちました。この記事ではこれまで作ってきた動画を振り返ります。

自己紹介

友田敬人と申します。22年間ずーっとコードを書いているエンジニアです。StripeのダニエルさんにJP_Stripesに誘って頂いてから7年くらい経ちました。

Instollという会社を始めて8年目です。悪戦苦闘しながら越境SaaSを開発し、気付いたら越境開発やインフラ構築のノウハウが溜まり、最近は同じ悩みを抱えている国内企業さんの開発プロジェクトを支援しています。

また、今年からJammというFinTechスタートアップの社員にもなりました。TerraformとGoをガシガシ書いてます。このスタートアップもめちゃくちゃ面白いのですが、詳細はそのうち始まるJammのテックブログにて。

動画制作とはまったく無縁でしたが、JP_StripesのYouTubeチャンネル開設をきかっけに沼にハマることになります。

JP_Stripes YouTubeチャンネルの始まり

コロナの影響で、オンラインイベントしかできない時期がありました。そんな中、Still Day Oneの小島さんがStreamYardを使ってYouTubeでライブ配信を始めたり、Zoomでのイベントを全部録画できるようになりました。そこで撮り溜めたコンテンツを再配信するために、JP_Stripesチャンネルが生まれました。

でも、Zoomで録画した映像を見てみると、Netflixやバラエティ番組とは全然違うなって感じました。時間の流れそのままの映像と、ついつい何時間も見ちゃうような中毒性のある映像って、一体何が違うんだろう? そんな疑問が湧いて、映像について情報収集を始めました。

ちなみに、当時は動画制作はもちろん、カメラの知識も全然なかったんで、情報源はオンライン動画と書籍。

映像業界のプロの話がオンラインで聞けるなんて、良い時代になったもんです。

試行錯誤

撮影日が近づいてきたので、YouTubeで映像や音声のプロたちのコンテンツを読み漁って、撮影初心者でも何とかなりそうな構成を見つけました。

  • カメラはオートフォーカスがしっかりしているものを選びました。レンズは単焦点よりもズームタイプ。

  • 音声は別録りが基本らしいので、プロの音声系YouTuberが推していた機材を。

  • 三脚や照明は持ち運びやすいよう小型軽量のもの。

詳しい機材リストや参考にしたリンクは記事の最後にまとめてあります。

ちなみにこれは2022年の話なんですが、今からイベント収録機材を揃えるなら、iPhone 16 Proを複数台購入するのが一番コスパが良いと思います。持ち運びも楽ですし、一眼レフに負けない映像が撮れますよ。

最初のアウトプット

そうしてできたのがコレ。Webアプリに決済を導入したがっているエンジニアが、Stripe岡本さんに相談しながら導入方法の理解を深めていくという話です。大阪で撮影しました。

登壇動画を撮り始める

2023年からオフラインイベントが復活し、Stripeの東京オフィスで登壇者を撮影するようになりました。最初の頃はカメラの動きが安定せず、編集時に映像を確認するとガクガクで使い物にならない素材ばかり。

でも、なんとか使える素材を切り貼りしながら作ったのがコレです。

画面を動かす

さて、動画制作を何度か繰り返しているうちに、一つ疑問が湧いてきました。

登壇動画はスライドを用いながら講演するスタイルのため、画面の大部分がスライドで占められます。その結果、画面中央に動きが少なく、映像としての魅力に欠けることに気づきました(ゲーム実況と比較してみてください)。

そこで、Netflixの手法を参考にし、頻繁に画面を切り替えることを試みました。カメラが2台しかなかったため、スライド自体を3つ目の画面として利用しています。こうして出来上がったのがコチラ。

音声収録

でも、上記の動画では音声が聞き取りにくかったり、加工された感じがあって不自然でした。これは音声の収録方法を間違えたのが原因です。

会場の機材の仕様で、ハンドマイクの受信機に音声出力がなかったため、登壇ブースに録音機を置いて録音していました。しかし、話者がブースを離れると音質が急に悪くなってしまい、編集で直すのが難しかったんです。正直、かなり困りました。

音声収録は音源に近ければ近いほど良いのです。結論として話者の首元にクリップオンマイク(DJI Mic 2)を装着するのが一番高音質だと分かりました。登壇者の皆さんにはハンドマイクとクリップオンマイクを渡すことになったので、最初は少し戸惑っている様子でしたが(笑)、これが大きな改善につながりました。

そして、ようやくまともな音声が収録できたのが2024年6月の動画です。


まとめ

動画制作沼にハマると抜け出せなくなる可能性があります。まあそれが楽しいのですが。もしコミュニティ動画にご興味のある方は @tomodian までお気軽にご連絡ください!

参考

機材リスト

  • 定点カメラ:Sony A7IV + Sony FE 24-105mm F4

  • 自由行動カメラ:Sony A7S3 + FE 24-70mm F2.8 GM II

  • 三脚+雲台:Peak Design Travel Tripod 2本、Leofoto BV-5、Sachtler aktiv6

  • 音声収録:DJI Mic 2

  • 音声の予備収録:Zoom F3 + Sennheiser MKH50 + Line Audio Omni1

  • タイムコード:UltraSync Blue、UltraSync One、Deity TC-1 x2

  • NLE:Davinci Resolve Studio, Davinci Resolve Micro Panel

  • モニター:EIZO CG2700X、Blackmagic UltraStudio 4K Mini

構成や編集を教えてくれた書籍

  • Save the Cat → 映画のストーリー構成の詳解。これを読むと映画を観る視点が変わる

  • 映画の瞬き → 編集のポイントが分かる。YouTubeには余白を極限までカットしている動画が多いけど、余白こそが大事という視点を得られた

制作方法がよく分かるYouTubeチャンネルと動画


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