食物アレルギーのある娘との生活②
こんにちは
言語聴覚士で子どもの発達アドバイザーのタグチトモコです。
娘がヨーグルト食べてアレルギー反応が出てしまい、親としてすっかり撃沈してしまったところまで、前回の記事で書きました。
娘にアレルギーがあったことだけではなくて、私にはもう一つ撃沈してしまう理由がありました。
受け入れることのむずかしさ
私は長い間、発達障害のあるお子さんの療育に言語聴覚士として携わってきました。
通って来られてるママたちが診断を受けた我が子と正面から向き合い、葛藤しながらも、受け止めている姿を毎日近くで見てきて、ママたちの気持ちを少しでも理解しようと努力し、寄り添ってきたつもりでした。
ところが私ときたら自分の娘のアレルギーひとつ受け止められず、なかったことにしたくて、『自分のせいじゃない』と頭では分かっているのに『元気な体に産んであげられなかった』自分を責めずにいられなくて。
そんな自分の小ささに落胆せずにいられませんでした。
そして改めて、当時担当してたお子さんのママたちはどれだけの葛藤をしながら子育てに向き合われてきていたんだろうと尊敬とともに、自分の支援のあり方を再度振り返る機会にもなりました。
そんなこんなで、家族以外の誰にもアレルギーのことは打ち明けられぬまま、離乳食も進まず、湿疹が出ては皮膚科のお薬を塗って、きれいな肌に戻ってはホッとしてを繰り返していました。
血液検査を受けて
娘10ヶ月のある日
皮膚科のお医者さんからアレルギーについてキチンと血液検査をするべき言われ、大きな病院の紹介状をいただきました。
そこで、血液検査を受けると‥‥
数値だけではもちろん判断はできませんが、かなり高い数値。
半年後の診察まで卵と乳製品を除去するように指導されました。
乳アレルギーだけじゃなく
卵アレルギーまであること分かり
ぼや〜んとした気持ちで1日過ごしました。
そんな気持ちのまま
娘をお風呂に入れていると
娘が私に向かって「ニタ~」ッと見て笑いました
アレルギーがあってもいいでしょ。私は私よ。
そんな声が聞こえてた気がして
アレルギーがあっても、娘が娘であることに変わりないか…
今の私にできることをとりあえずやってみよう
やっとやっとやっと…
すこ~しずつ娘のアレルギーを受け入れる方向にギアチェンジできました。
今できることをとりあえずやってみる
やっとこさ娘のアレルギーを受けいれることができ
仕事復帰までの数ヶ月、今の私にできることを探しました。
方針もさまざまなアレルギー対応。
・完全除去がいい
・食べて慣れさせた方がいい
・投薬したほうがいい、しなくていい
・食事療法、腸活などなど
調べても調べても何が正解か分からない中、
看護師をしているママ友からアレルギーを専門にしている小児科を教えてもらいました。
そこを受診して追加の血液検査。
泣き叫ぶ声を廊下で聞くと胸が痛みました。
そして、先生のお話を聞き、
アレルギーについては、ここでお世話になることに決めました。
半年間何もせずに乳と卵を除去するだけでもよかったかもしれませんが、
・月1ペースでフォローがはいり
・検査の結果に基づいた方針が受けられる
・私が住む岡山では当時直接食材を食べさせて反応を見る負荷テストはほぼ大病院で1日仕事。開業医で3時間程度の拘束時間でその後次の日までの様子を電話報告でいいのはとてもありがたい
との理由で定期的に受診をしました。
離乳食は相変わらずスローペースですが、少しずつ食べるようになりました。
アレルギーが分かってから
全ての食材の原材料を見るようになりました。
明らかに卵や乳を使っているもの以外にも
ハムやちくわ、ウインナー、他にもコンソメや中華だし、お菓子類などにも入っていることを知りました。
料理がそんなに得意じゃない私が
卵と乳製品の除去食を作るなんて
はじめはどんなに日々の生活が大変になるだろうと覚悟しましたが
特別なお店に行かなくてもスーパーには卵や乳が入っていない製品がたくさん作られていることが分かり、
「世の中はなんて優しいんだ~」と買い物に行くたびに感謝の気持ちが溢れてきました。
おかげでグラタンやシチューなどの出番は少し減りましたが、ほぼ家ではこれまで通りご飯を作ることができなんなら卵と乳が入ってない製品は少しお高めだけど味は普通のより美味しかったりというオマケ付き。
アレルギーが分かったときには
こんなに普通通りの生活が送れるとは夢にも思いませんでした。
1歳からの保育園生活
そして、入園。
食前のお薬やアレルギー対応について先生方と打ち合わせ。
娘の通った園はかなり細かくアレルギー対応して下さって、
『お手間かけちゃうから、ここ全部除去でいいです』って言っても
「少しでもみんなと同じもの食べさせてあげたいから」と細かく対応して下さいました。
例えば牛乳やヨーグルトやチーズはダメだけど
「カレールー」の乳製品入ってるやつでも大丈夫と家庭で食べて確認できたら、書類を書いて「カレールーの除去を解除」したり、オヤツもこの成分は大丈夫です‼︎などなどひとつひとつ対応して下さって
本当に頭が下がる思いでした。
入園後、あんなに離乳食を食べなかった娘がご飯を食べる量がぐんと増えました。
息子も友達が家に来ておやつを広げるところに娘がいると
『コレ食べて妹が大丈夫なやつか母ちゃんに見てもらってから開けよう』など自然と娘が食べれるかどうかの確認をしてくれるようになりました。
そんなこんなでどん底の気持ちから、娘のアレルギーを受け入れることができ今できることを集中していくとかかわってくれる方々、アレルギーに優しい社会のおかげでおおざっぱで不器用で、料理下手の私でもなんとかアレルギっ子を育てることが出来ていきました。
長くなったので次回最後。
その後の経過と今の状態について書こうと思います。