画家が展示会で見ている視点8選
質問をいただいたのでまとめて見ました。
7月4日(木)〜7月7日(日)まで東京現代という大規模なアートフェアがパシフィコ横浜で開催されています。主宰しているグループで展示会を見る時の視点を聞かれたので書いていきたいと思います。
全体感
1.アートフェア全体感
どのようなギャラリーが参加しているか、どんな作家が参加しているのか(そのギャラリーがどの作家を推しているのか)、作品の大きさはどのくらいか、全体的にどのようなマチエールなのか。などなど大局をつかむような感じで見ています。
2.ギャラリーの配置
入口付近はどんなギャラリーなのかを見ていました。Entranceから入って、インスタレーションはKishio Suga、Sadie Coles HQ、Sugo Arts、Almine Rech、Kaikai Kiki Gallery
3.作家・ギャラリスト・来場者
ギャラリストの方とお話ししたり、ご挨拶をしたり。作家本人がいて作品の説明をすることは今回ほとんどなかった。(VIPの日ならいらっしゃるかも)作家さんが来ていてすれ違うこともある。来場者の方の雰囲気(服装、佇まい、言語)など発見がいっぱい。ご家族でいらしている人も多かった。
4.協賛企業
東京現代はPartner という言い方でした。三井住友銀行、DIOR、RANGE ROVERがOfficial Partnerでした。
作品
5.インスタレーション
結構、xでも話題になっていましたがYuichiro E Tamura さん
6.平面作品
マチエールはどんなものか。もりもり系、繰り返しの幾何学、自分の好みを知るとともに、各作家さんがどうやって社会を見ているのかを見る。オーストリアの作家が日本の広告を見ていたのも興味深かった。
どうやって保管されることを想定しているのか、されていないのか。今回はいくつかの作品で複数枚のキャンバスを組み替えて一つの作品で何種類かを楽しむことができる作品もあった。
額装の有無(アクリル板の有無)こんな方法があるのかと勉強になる
絵の具(顔料、石、アクリル、油彩)油彩でモリモリなものも多かったけれど感想にどのくらいかかるのか….
作家の変化。何年も展示している人がマチエールを変えていたり、継続的に見ていると気がつくものがある。取り扱いギャラリーによって表現が違う作家もいる。
ギャラリー全体としての作品点数、その配置(今回は大き過ぎるもの、買いやすい大きさ値段も多かったような気がする)
7.立体作品
マチエールはどんなものか。彫刻、陶芸。特に陶芸はこんなに大きいの窯に入るのか??と思って面白かったので、ぜひ圧倒されてほしい。釉薬の配置なども含めて勉強になる。
テキスタイル
LOEWE CRAFT PRIZEを受賞した作家のシルクで織った傘など。
機織り自体が身体全体を使って自分の好きなものを生み出していくという過程にも意味がある。シンプルに見えてた中に様々なレイヤーがある、日常にあるもの個人的なもの、装飾的な表現がある、痕跡を見出している。手染めを行い作品を制作している。
特に立体に関してはその展示方法、例えば壁までコントロールできる場合はあえて小道のようにして見づらくして展示するなど意図があるものがある。
ローズクオーツ
8.ステートメント
どんな問いがあって表現をしているのか?
テーマは何か、これからどんな表現を未来していくのか?
その人が作った特徴的な言葉はあるか?(その人が開発したコンセプト、概念はあるか?)
それはどの人のどんな背景によるものなのか?
なぜそれをその表現で描いているのか?
どこの国の方なのか?(文化的背景を知りたい)
今はどちらで制作されているのか?(素材に関係してくることがある)
どのくらいのキャリアがあるのか?
私はこのような観点で色々な作品を見たり、ギャラリストの方とお話ししたりしています。ご参考になれば!
皆さんの視点も教えてください!また質問もお待ちしております。