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神楽坂のバー

20代の中盤ごろ、飯田橋に住んでいた。

正確には飯田橋と江戸川橋と後楽園と茗荷谷を結んだ真ん中へん、どこの駅にもまあまあ遠いあたりに住んでいた。

それまで横浜から神保町の編プロに通っていたのだが、当時の仕事量に比較して、横浜は遠かったので、そのへんに住んだ。

神保町あたりの話はまたそのうち。

部屋はロフト付きのワンルーム。キッチンは電熱コンロとBOX型の冷蔵庫。そんな部屋に6年くらいいた。

さらにその4つの駅を結んだ真ん中へんにはあまり店がない。自炊もまあまあしたが、私が夜な夜な通っていたのは神楽坂のバーであり、なんとそのバーは20年以上の時を経てまだ健在だ。

年に1回行くか行かないかのバーのマスターは相変わらずで、そして私のことを覚えていてくれ、ふんわりと飲むとあの頃のことを思い出す。

神楽坂も飯田橋もずいぶん変わりましたね、お店があってうれしいです。

そんな話をして、1杯目ジントニック、そこから大体ウイスキーをロックで飲む。そもそもウイスキーの飲み方を学んだのはこのお店だ。よく朝まで飲みましたね、なんならアフターで蕎麦食べましたね。最近はすっかりお酒に弱くなっちゃって。

マスターは大体同世代。いろんなことがありましたね、いろんなことがありますよね、というのは別に話さなくてもいい。

こういうバーが私にあることがありがたい。

またきます。

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金巻ともこ
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