上京したあの頃のことをふと思い出す
実家の母親から電話がきた。
20代も後半の甥っ子が就職のために2度目の上京をしてくると言う。「だから面倒見てあげてね」と。おばあちゃんである母のオバ心か。
甥っ子の父親である兄からも「何かあったらよろしく」とラインが来ていたけれど、実際のところ20代も後半となると海外でもない限りは、甥っ子が私を頼ってくることはないだろうと思っている。
私も20代の頃、同じように再度東京へと上京したことがある。東京には、親戚が何人かいたけれど、連絡をするようなことは全くなかった。
当時、一度地元へと戻り、なんとなく働いて、それとなく彼氏もできて、ぬくぬくとは暮らしていたものの「このまま結婚して地元暮らしになるのかもしれない」と当時にの私には特にワクワクするでもない将来をうすぼんやりと考えていた時だった。けれど、たまたま恩師からの依頼で東京に戻ってまた仕事をすることになった。結婚をするかもしれない彼がいたと言うのにだ。
あの時、思い切って上京しなければ今の私はない。
うすぼんやりと将来を見つめていた私には、恩師から思いがけない仕事の依頼にワクワクしていたし、ぬるま湯の生活に飽きてきていたこともある。彼には悪いが、一見幸せなその生活は、私には物足りなかった。彼のせいじゃない。私にとっての話だ。
なんと言うか、当時地元にいた私は、彼氏もいてお金の不自由もなく、一見幸せなはずなのにどうもキレの悪い感じだった。
けれど、彼氏を置いて状況するなんて、その生活に見切りをつけたかったんだと思う。
地元でそれができなかったのか と言うとわからない。だけど、何かをするには環境はとても大きく影響すると思っている。私には、それが地元ではなかったと言うことだ。
「もしかすると甥っ子もそうなのかもしれない」なんて勝手に妄想する叔母の私。(実際のところ知らないけど)
誰もが人生の中で様々なターニングポイントはあるだろうけれど、住む場所や仕事を変えるというのは、大きい変化となりやすい。出会う人が変わるわけだし。
「あの時、ああしたから今の私がこうなっている」みたいなことは、明らかにある。
例えば、それが失敗に終わったとしても、なんと言うか、自分で決めたことならどこかで納得しているし、あの時に戻りたいと思うことは、ほぼないんじゃないかと思う。(ほんの数パーセントはあるけど)
とまぁ、甥っ子が再度上京する話を聞いて、あの頃の自分を勝手に思い出したって話です。
そうそう、地元の彼とは一年後に別れました。